2011年11月21日

手術後の日々:回復と痛み、視覚障害(経緯13)

手術が終わってICUで一晩過ごした後、翌日のお昼過ぎに一般病棟に戻りました。

またストレッチャーに載せられて、エレベーターで病室に戻り、看護師さんたちの「いっせーのーせっ!」でドシンとベッドに戻してもらいました。この「ドシン」にも、2回目で慣れてきました(笑)。

戻った病室でも枕は普通ですし、ベッドも普通です。そこに普通に横になっています。手術した後頭部の傷口はどうなっているかというと、ガーゼが大きく当ててあり、そのガーゼがテープで髪の毛にペタペタと固定してあるだけです。頭が包帯でぐるぐる巻き、というわけではありませんし、絶対安静でベッドに縛り付けられている、というわけでもありません。

脳の手術の場合、頭蓋骨を開けて手術した後、きちんと頭蓋骨の蓋をして、金属等で固定して、その上から皮膚を縫合してしまえば、あとはそれほど安静ということを考えなくてもいいのかも知れません。ここは内臓等の手術とは大きく違いそうです。脳は基本的に動かないですからね。

ただもちろん、手術の際につけたいろいろな管の類はまだ残っています。頭の傷口からは血液や浸出液を排出するためのドレーンの管が出ていますし、尿を排出するためのバルーンの管も出ています。点滴もしています。また足にはエコノミークラス症候群を予防するためのエアマッサージャーのような器具がついていて、定期的にプシュープシューと空気を送り込んで足を圧迫してくれています。

でもこれらの管や器具は、2〜3日のうちにどんどん取り外されていきました。一つなくなるごとに少しずつ自分が自由になっていくような気がしていました。

手術が終わって数日は、やはり傷口や頭の中の痛みがありました。その痛みを痛み止めで我慢しながら、できるだけ寝て過ごしました。たまに看護学生さんが話をしに来るのですが、さすがに相手をしてあげる余裕がなく、目をつぶって横になって痛みを堪えていました。でも、心配した吐き気が全くなかったのは幸いでした。

それでも身体は急速に回復しており、病室に戻ってすぐに出てきた食事(おかゆ以外は普通のおかず)から、ベッドを起こして自分で食事を取り始めたように記憶しています。もちろんこの時は食欲がなくほとんど食べられませんでした。でも徐々に食べられるようになっていきました。

ベッドを離れてトイレに行ったりするときには、最初のうちは車椅子に乗せてもらっていました。でも、それもほんの最初だけで、病室に戻った翌日あたり(つまり手術の翌々日)からは、点滴棒(点滴をぶら下げられるようになっている、車輪の付いた器具)をガラガラ押しながら自分で歩けるようになりました。

このように、身体のほうは自分でも驚くペースで回復しつつあったのですが、その反面、手術の後遺症である視覚障害は、思ったよりも深刻でした。単に「視野の左下のほうにあるものが見えない」(例えばベッドの左側に立っている看護師さんが見えない)というだけではなく、「見ている対象物の左のほうが見えない」ということに気づいたのです(いわゆる半側空間無視的な症状です)。

例えば、左手の手のひらを見ると、親指のあたりがよく見えません。5本指の手が、全体としてはっきり捉えられないのです。

またデジタル時計の時間も読み取れなくなっていました。時計の4桁の数字をパッと見て一度に捉えることができず、左の数字(時)を見て、右の数字(分)を見て、また左を見て、と視線を左右に何度も行ったり来たりさせないと、時間が把握できません。病室に戻ったとき、ベッドのテーブルの上に置いてあったZyncroの時計(写真右下)を見て、読み取れないことに気づきました。
ベッドの周囲が華やかで愉快で賑やかになった

デジタル時計の文字が読み取れないので、メールなどはなおさらでした。iPhoneのメールやTwitterは、読むのも大変でしたが、書くのはもっと大変でした。日本語入力の際にどこにカーソルがあるのかがよく分からず、日本語変換やその修正に非常に手間がかかりました。

それでも、手術の翌々日、つまり一般病棟に戻った翌日には、なんとか術後最初のツイートを書き込むことができました。Twitterで応援メッセージをくださったみなさんへのメッセージです。(改めて、みなさんありがとうございました)

一昨日、一日がかりの手術が無事終わり、ICUを経て、昨日の昼すぎに一般病棟に戻って来ました。手術は先生方も会心の出来だったようです。心配して下さった方、応援して下さった方、本当にありがとうございました。Wed Jul 06 04:48:03 via Echofon

この視覚障害は、その後、独自に取り組んでいるリハビリの効果もあり、少しずつ回復しています。今でも左手の親指はよく見えないのですが、こうしてMacで長文を書くこともできますし、iPhoneも問題なく操作できます。本も読めますし、一人で外出もできます。

この視覚障害とリハビリについては、別途このブログに書こうと思っています。

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投稿者 Toyotoyo : 2011年11月23日 01:18

インターネットを何気なく検索していたら、このブログを見つけました。
私も6年ほど前に東京女子医大で脳腫瘍の摘出を受けた者です。

私の場合、グレード2だろうと診断されていたため、時間をかけてセカンドオピニオンを行いました。
国立病院、大学病院、私立病院を回り、画像診断と治療方法を聞いてまわりましたが、病院により治療方法(手術方法)が全く異なり、確率されていない病気なのだなと感じました。
最終的には、高山さんと同じ東京女子医大を選びましたが、本当にこの病院を選択してよかったと思っています。(私の主治医も高山さんと同じだと思います)

術後は半身麻痺となり、寝たきり状態が続いたのですが、リハビリを続けた結果、少しづつ回復し今では普通に走ったりできる状態まで回復しました。
先生、スタッフに感謝です。

病名を聞かされた時は、目の前が真っ白になりましたが、今は気長に病気と付き合っていこうと思っています。

今日も病院に術後の検査に行ってきました。
異常なしです。
元気に生活しています。
子供も小さいし、病気に負けていられません!
お互いに病気に負けず、頑張っていきましょう!!

投稿者 オーシャンブリッジ高山 : 2011年11月23日 12:18

なんと!僕も昨日M先生の診察でした!昨日も混んでましたね。診察が終わったときには会計窓口が閉まってました(笑)
また来月すれ違うかも知れませんね。

6年前に手術されたということは、区切りとされる5年が経過したんですね。うらやましいです。僕もあとに続きます!

それにしても、半身麻痺から走れるようにまでなったとは、すごい回復ですね。相当努力されてリハビリに臨まれたものと思います。僕も視覚障害がまだ残っているんですが、自分でPCを使ったリハビリを考えて、毎日実践しています。少しずつ回復しているので気長に続けていきたいと思っています。

僕らが元気で長く生きることが、僕らを助けてくれた女子医大の治療成績(5年生存率、10年生存率)を向上させることにもつながりますし、お互いがんばりましょう!もちろん女子医大だけでなく家族のためにも!(笑)

高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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