2014年07月14日

人生初のスキンヘッド/抗がん剤治療の心の支え:白血病・悪性リンパ腫闘病記(32)

前回の闘病記からの続きです。

◼︎2013年6月17日(月)。入院36日目。抗がん剤治療開始から28日目。

パンとココア

初めての外泊が終わった翌日です。

前回の闘病記で書き忘れましたが、今回の外泊で自宅に帰っている間に、家内に髪の毛を全て剃ってもらいました。抗がん剤の副作用でしばらく前から髪の毛が抜け始め、中途半端に髪の量が少なく、髪が薄くなってしまっていたためです。

人生初のスキンヘッドでした。3年前の脳腫瘍の治療でも、放射線治療で面積比40%ほどは髪が抜けましたが、完全なスキンヘッドにはなりませんでした。

でも、僕が入院していた13階の無菌病棟では、スキンヘッドは当たり前です。基本的に白血病や悪性リンパ腫等の血液のがんで、造血幹細胞移植の可能性がある患者さん、もしくは移植治療中や移植治療後の患者さんがほとんどです。みなさん、抗がん剤治療で脱毛しています。治療前に床屋さんで坊主頭にされる方もいます。

そのため、スキンヘッドになった僕を見ても、先生たちは普通にスルーしてくれました。

この日は、翌日から始まる抗がん剤治療の2コース目(Hyper-CVAD/MA療法のMA療法)の説明が先生たちからありました。

MA療法では、1コース目のHyper-CVAD療法とは異なる抗がん剤であるメソトレキセートとキロサイドを、大量に点滴します。またそれぞれの抗がん剤の前には副作用を抑える薬を点滴します。

まずは朝、担当医のMY先生から下記のような説明がありました。

メソトレキセートで気をつけるべき副作用は腎臓への負担です。そうした副作用を抑える薬も点滴します。

キロサイドは、点滴して一日、二日後に発熱や発疹、しびれが出ることもあります。

今日の午後、中心静脈カテーテル(CV)を入れましょう。また今回は髄注もやります。

MY先生はまた、「外泊はよかったですか?娘さんもいらっしゃいますしね!」と聞いてくれました。僕は「ご飯もお腹いっぱい食べられたし、体重も少し増えたし、その点でもよかったです。娘とも遊べて気分転換もでき、明日からの治療もがんばれます!」とお応えしました。ちょっとした会話ですが、気にかけてくださってうれしかったです。

その後、主治医のGY先生も来て説明してくれました。

MA療法の副作用としては、どうしても人によっては吐き気はあります。でも、あっても前回(1コース目のHyper-CVAD療法)と同じか、その時より軽いくらいではないかと思います。吐き気止めの点滴も使います。またメソトレキセートは腎臓への負担があります。点滴を追加して、できるだけ尿で出すようにします。

そして前回の1コース目の時に副作用で苦しんだお腹の調子を聞かれたので、「もう今は大丈夫です」とお応えしました。

またこの頃、手の指先の第一関節から先にしびれを感じるようになっていました。GY先生に聞くと、

手足のしびれは、前回の1コース目のHyper-CVAD療法で使った抗がん剤のオンコビンの副作用による末梢神経障害です。これが胃腸の働きも鈍らせて便秘等の原因にもなっています。

とのことでした。このしびれは、その後、足の裏にも感じるようになります。

ちなみに、昨年12月の退院後、数ヶ月して、手の指先のしびれはなくなりました。でも、足の裏のしびれはまだ残っています。いまだに靴を履くと、靴底がボコボコになっている健康サンダルを履いているような感覚です。これが、歩く時にいまだにふらつく原因になっているようにも思います。

さらにGY先生の説明は続きました。

MA療法は、前回のHyper-CVAD療法よりも白血球や赤血球の減りが早く、しかも長く続きます。うがいや手洗い等の感染対策をしっかりやってください。

高山さんの今日の白血球は2700でした。数値としては低いですが、明日からの治療には問題ありません。

午後、お腹の状態を見るためのレントゲン撮影に行きました。この頃は外泊帰りで元気もあり、レントゲン室からの帰りに1階から6階まで階段で上がる元気がありました。さすがに13階までは上がれませんでしたが。

夕方、MY先生と看護師のWさんが来て、中心静脈カテーテル(CV)を入れてくれました。

前回同様、手際のいいMY先生のお陰で、それほど痛くもなく終わりました。処置中に、MY先生と、翌日からの抗がん剤治療の話もしました。

白血球が2700と下がっているのは、やはり抗がん剤治療中で骨髄がやられているからです。治療中はどうしても血球数が下がり、抵抗力が下がります。だから、白血球数が数百とかに下がるタイミングだけではなく、治療中は常に感染症には気をつけた方がいいです。

明日からMA療法の抗がん剤の点滴を始めます。また髄注もやります。腫瘍が脊髄に近いところにあるので、転移を防ぐため、念のため抗がん剤点滴の際は毎回やろうと思っています。

MY先生の処置が終わった後、片付けをしている看護師のWさんと話していたら、「高山さん、スキンヘッドも似合いますね!頭の形もいいですし!」と褒めてくれました。女性から褒められるのは単純にうれしかったです(笑)。

この日も夕方家内がお見舞いに来てくれたので、一緒に売店に行き、病院食の代わりに食べるパンやココア等を買いました。早速夕飯に食べました。

夜は、MacBook Airで、iTunesでレンタルした映画を見てから寝ました。この頃は、映画を見る余裕があるほど、体調がよかったです。

外泊で精神的に家族に癒されたというのも大きかったのかもしれません。「このコースが終われば家に帰れる」というのは、その後の抗がん剤治療を乗り切る心の支えになりました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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