Kindleでミステリー小説ランキング上位作品を読んでみた(このミステリーがすごい!/週刊文春ミステリーベスト10

毎年年末になると、ミステリー小説のランキングがいろいろと発表されますね。僕も毎年楽しみにしています。特に「このミステリーがすごい!」は毎年買って、上位作品を読んでいます。古い版も保存してあるので、たまに過去のランキングを見直したりしています。
ということで、発表から半年も経って今さらではありますが、昨年末(2014年末)に発表された「このミステリーがすごい! 2015年版」と「週刊文春ミステリーベスト10 2014」のランキング上位入賞作品の中から、「Kindleで読めるもの」をいろいろと読んでみましたので、個人的な5つ星評価&コメントとともにまとめてみます。
全体的には、今年は海外編の上位作品の方が、大作も多く、読み応えもあり、満足感が高かったように思います。国内編は短編が目立ちましたね。星4つ以上の作品はオススメと言えるでしょうか。

このミステリーがすごい! 2015年版
宝島社
売り上げランキング: 13,213


■■■■■■国内編■■■■■■
■このミス国内1位/文春国内1位

満願
満願

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新潮社 (2014-09-12)
売り上げランキング: 416

★★★★☆
このミス、文春ともに断トツ1位。無駄を省き研ぎ澄まされた短編のおもしろさ。
■このミス国内2位/文春国内3位

さよなら神様
さよなら神様

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文藝春秋 (2014-10-31)
売り上げランキング: 2,471

★★★☆☆
こちらも短編。小学校を舞台にしつつもブラックな切れ味の倒叙ミステリー集。
■このミス国内3位/文春国内2位

闇に香る嘘
闇に香る嘘

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講談社 (2014-08-08)
売り上げランキング: 21,757

★★★★☆
長編としては国内最上位。個人的には国内作品ではこれが1位。
■このミス国内4位/文春国内4位

小さな異邦人 (文春e-book)
文藝春秋 (2014-11-28)
売り上げランキング: 7,692

★★★☆☆
こちらも短編。匠の技を感じる逸品揃い。
■このミス国内8位

破門 (角川書店単行本)
破門 (角川書店単行本)

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KADOKAWA / 角川書店 (2014-02-18)
売り上げランキング: 850

★★★★☆
直木賞受賞作らしいエンターテイメント。スピーディでおもしろい。
■このミス国内11位/文春国内6位

絶叫
絶叫

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光文社 (2014-10-17)
売り上げランキング: 4,064

★★★☆☆
後味はよろしくないが、犯罪小説、社会派ミステリーとしてはよくできている。
■このミス国内21位以下/文春国内9位

オービタル・クラウド
オービタル・クラウド

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早川書房 (2014-02-21)
売り上げランキング: 1,420

★★★★☆
国内作品とは思えない壮大なSFサスペンス。おもしろい。このミスでの低評価が理解できない。
■■■■■■海外編■■■■■■
■このミス海外1位/文春海外1位

その女アレックス (文春文庫)
文藝春秋 (2014-11-28)
売り上げランキング: 189

★★★★☆
このミス、文春ともに断トツ1位なのも納得。ヨーロッパで数々の賞に輝いた衝撃作。
■このミス海外2位/文春海外2位

秘密 上
秘密 上

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東京創元社 (2014-10-31)
売り上げランキング: 6,280
秘密 下
秘密 下

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東京創元社 (2014-10-31)
売り上げランキング: 13,695

★★★★★
このミス、文春ともに2位。女性作家らしい上品なミステリー。上下二巻の大作だが読みやすく引き込まれる。
■このミス海外3位/文春海外3位

ゴーストマン 時限紙幣 (文春e-book)
文藝春秋 (2014-11-28)
売り上げランキング: 3,169

★★★★☆
このミス、文春ともに3位。48時間のタイムリミットに向かって展開するスピーディでテンポのいい犯罪エンターテイメント。
■このミス海外4位/文春海外7位

ピルグリム〔1〕 名前のない男たち
早川書房 (2014-09-30)
売り上げランキング: 854
ピルグリム〔2〕 ダーク・ウィンター
早川書房 (2014-10-30)
売り上げランキング: 2,115
ピルグリム〔3〕 遠くの敵
早川書房 (2014-10-30)
売り上げランキング: 1,930

★★★★★
全3巻の大作スパイ小説。しかし読みやすく、ストーリーに引きこまれ、ボリュームを感じさせない。一気読み必至。個人的にはこれが国内・海外含めて今年のミステリーナンバーワン。
■このミス海外5位/文春海外5位

もう年はとれない (創元推理文庫)
東京創元社 (2015-03-04)
売り上げランキング: 10,702

★★★★★
87歳の主人公のキャラクターと会話が秀逸。ストーリーも痛快でおもしろく、満足。続編にも期待。
■このミス海外6位/文春海外4位

ハリー・クバート事件(上下合本版)
東京創元社 (2014-07-30)
売り上げランキング: 43,775

★★★★★
スイスの作家の作品。読み進めるごとに、パズルのピースがどんどん細かくなり、結末に向けてそれらのピースが一つ一つはまっていく快感がある。上下二巻の大作だが、文章は読みやすく、没頭できる。
■このミス海外8位/文春海外6位

養鶏場の殺人/火口箱
養鶏場の殺人/火口箱

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東京創元社 (2014-03-11)
売り上げランキング: 530

★★☆☆☆
ちょっと期待と違った。普段本を読まない人向けに書かれたという中編2作品だが、自分には非常に読みにくく感じた。文化的背景の違いのせいか、翻訳のせいか・・・。
■■■■■■■■■
ということで、これまでに読んだのは以上です。
それぞれの作品の5つ星評価やコメントにも表れていますが、今年は自分としては海外作品の方が満足度が高かったです。
全2巻や3巻の大作も多かったですが、翻訳の質の向上もあってか、翻訳物とは思えないリーダビリティの作品が多かったように思います。そのためストーリーに没頭でき、一気読みした作品も少なくありませんでした。
しかもKindleだと、ページ数の多い大作であっても、物理的な本の重さや厚さを気にすることなく読めるのが本当にいいですね。ソファで読むときも、布団で読むときも、カフェで読むときも、本当に読書に没頭できます。
あえてKindleの難点を挙げるとすれば、奥さんと貸し借りできないことですね。アメリカのKindle Storeでは家族内での書籍データの共有ができるようですので、早く国内でも実現してくれることを期待します。
また国内作品は、特に社会派ミステリーの場合、同じ日本人として背景が理解できるだけに、後味が悪く感じる作品が多いような気がしています。読み進めるとどんどん暗い気持ちになり、読み終わるとどよーんとした読後感のみが残るというか。
その点、海外作品は、ある程度作品の背景と自分との間に距離を置けるため、余計なことを考えずにストーリーに没頭できる気がします。昔の翻訳物は、その「距離」のために読みにくさを感じ、没頭しにくいこともありましたが、最近の作品は翻訳もこなれてきたせいか、そうしたことも減ったように思います。
さて、その後も引き続きランキング上位の作品を読んでいます。やはり海外作品ですね。今読んでいるのはこちら。
■このミス海外14位/文春海外17位

容疑者
容疑者

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東京創元社 (2014-10-14)
売り上げランキング: 40,165

この次は以下の作品を順次読んでいこうと思っています。
■このミス海外11位/文春海外9位

ジャック・リッチーのあの手この手
早川書房 (2014-04-01)
売り上げランキング: 41,455

■このミス海外19位/文春海外9位

地上最後の刑事
地上最後の刑事

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早川書房 (2014-02-21)
売り上げランキング: 11,847

■このミス海外18位/文春海外15位

誰よりも狙われた男
誰よりも狙われた男

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早川書房 (2014-02-21)
売り上げランキング: 7,167

それにしても、本当に読書ってすばらしいですね。世界が広がり、人生の見方が変わります。これからもKindleでいろいろな作品を読んでいきたいと思います。
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「Kindleでミステリー小説ランキング上位作品を読んでみた(このミステリーがすごい!/週刊文春ミステリーベスト10」への2件のフィードバック

  1. 私は本を読まないのですが、週刊文春と新潮は毎号眺めていまして、
    「その女アレックス」は以前から少し気になっていて・・・
    ですがネットでネタバレを見て、同性としてあまりに痛い話なので、
    ちょっと読む気がしません。
    高山さんは読書家なんですね。

  2. 南姫さん、
    そうですね、子供の頃から本は好きで、今でもよく読みますね。特に今は時間が有り余っているので(笑)
    アレックスは、確かに女性にはお勧めできませんね。描写がエグいこともあり、やはり読書好きのうちの奥さんにもあえて勧めていません。
    女性なら秘密はお勧めですね。女性作家によるロマンスミステリーといった感じです。

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