2010年12月08日

「シェア」をシェアされたのでシェアします。

この間パクチー忘年会に行った時、すっかりソーシャル系作家となったいしたにまさきさん(@masakiishitani)が近付いてきたので、また嫌がらせをされるのではと身構えたところ、「はい」とこれを渡されました。
@masakiishitani さんからシェアしてもらいましたよ

ベストセラーとなった「フリー」に続く話題作、「シェア」です。なぜその話題作をいしたにさんが僕に渡してくれたのかは、いしたにさんのこちらのブログ記事をどうぞ。

●『シェア』をシェアするイベントに行ったので、おれきょうシェアするよ:[mi]みたいもん!

この本は、テーマの通り、この本自体を人とシェアすること、つまり回し読みが推奨されているんですね。で、この本一冊一冊の帯にユニークなトラッキングコードが振られていまして、それをキーにして、自分が読んだ本が、今どこで誰に読まれているのかがソーシャルネットワーク上で追いかけられる、というわけです。
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ということで、僕がいしたにさんから引き継いだ「シェア」のトラッキング情報はこちら。僕が次の人にこの「シェア」をシェアして、その人がサイト上でコードを登録すると、このページに地図情報とともにその状況が追加されていき、またTwitterやFacebookでも共有されていくというわけです。おもしろい試みですね。

また本の裏表紙にも、図書カードみたいな書き込みエリアがありまして、ここにも、自分の名前と、受け取った日付、次の人に渡した日付を書き込むようになっています。こちらはアナログなトラッキングですね。
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さて、この本の内容です。おおざっぱに言いますと、

大量生産・大量消費社会(ハイパー消費社会)はもう終わり。年に1〜2回しか使わない工具を買うのはもう終わり。まだまだ乗れるのにデザインが少し変わっただけの新車に乗り換えるのはもう終わり。

インターネットにより、CDを買わなくても音楽がダウンロードできるように、本を買わなくても電子書籍がダウンロードできるようになりました。

ソーシャルネットワークにより、無駄なものを買わなくても必要な時に借りられるように、不必要なものを捨てなくても人に貸し出せるようになりました。

これからはそういうコラボレーション消費、シェアリング・エコノミーの時代です。

・・・というような話が、多数のビジネス事例とともに紹介されています。

ただこうした洋書にありがちなように、まあ事例が多くて、また無駄に細かくて、つまりは冗長で、あまり読みやすくはありませんが、そうした部分はフォトリーディング的に適宜読み飛ばしましょう(笑)。

大量消費に対するアンチテーゼという点では、僕自身、最近経験したことがあります。

つい先日、オーシャンブリッジの持木君オススメのマッサージクッションが欲しくなり、うちの奥さんに「これ欲しい」と言ったところ、「前に買ったマッサージ器があるからダメ」と言われました。

うちの奧さんの感覚からすると、使えるものがあるのに、新しいものを買うのはダメ、というのです。そして、家にモノが増えるのが嫌だ、と。出費の問題ではないようです。

あの手この手の説得工作の結果、最終的には、今あるマッサージ器を処分するなら買ってもいい、ということになりました。結局、使えるモノを捨てて新しいモノを買う、という大量消費のロジックに従うことにはなったものの、うちの奧さんがそれに対して感じた反発は、シェアリング・エコノミー的なものでした。

本当は処分するのではなく、それを必要とする別の人にシェアできればよかったのですが、身近にはそうした情報をやり取りするネットワークはありません。家の中のモノを増やさないために、処分することにせざるを得ませんでした。

ソーシャルネットワークでは、助け合いが間接的に行われる(間接的互酬性)。そこではもう「私があなたを助ければ、あなたが私を助けてくれる」という単純な前提は成り立たない。いまどきの助け合いの仕組みは、「私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる」というものだ。

これについても、僕自身の経験で感じたことがあります。

先日、長野の実家からりんごが届いたので、家のご近所のみなさんにお裾分けをしました。するとそのご近所の一軒の植木職人の方が、翌日、我が家の庭の植木を剪定してくれました。植木の剪定なんて自分ではできない(そもそも枝をどう切ってどう形を整えればいいのか分からない)ので、本当に助かりました。

我々は、剪定して頂いたお礼に、今度は長野の日本酒(井の頭)をお礼にお持ちしました。遠慮しながらもそれを受け取ってくれたその方の顔は、うれしそうでした。

これはどちらかと言うと「私があなたを助ければ、あなたが私を助けてくれる」、つまり直接的互酬性です。でもこんなこともありました。

3月に娘が生まれたとき、それを知った大学時代の同期の友人(女性)が、自分の子どもが赤ちゃんの頃に来ていた洋服を段ボール箱に入れて送ってくれました。「赤ちゃんの服って着られる期間が限られていて、買うのももったいないから、よければ使って!」と言って。

それだけではありません。彼女が周囲に連絡をしてくれたため、彼女の後輩や友人、つまり僕ら夫婦は一切面識のない方々からも、段ボールで洋服が送られてきたのです。

そして友人は、「高山家の赤ちゃんが大きくなって着られなくなったら、私たちに返してくれなくてもいいから、また別の赤ちゃんに送ってあげて」と言うのです。これは、「私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる」、つまり助け合いが間接的に行われる間接的互酬性ですよね。直接的な報酬を相手に求めていないのです。

もちろん、うちの娘は送ってもらった洋服をありがたく着ています。「誰が着たのかも分からない服は着られない」なんてことは思いませんでした。コラボレーション消費の4大原則の一つ、「他者との信頼」がそこにはあります。友人の友人、というつながりからくる安心感、信頼です。

こうした経験からも、この本に書かれているコラボレーション消費、シェアリング・エコノミーの素地は、我々の中に着々とできあがりつつあるように感じています。そこにインターネット上でのソーシャルネットワークが加わることで、コラボレーション消費は加速していくのではないでしょうか。

最後にこの箇所を引用します。

GDPの考案者、ロシア系アメリカ人経済学者の故サイモン・クズネッツでさえ、GDPのモデルには重大な欠陥があると知っていた。「国の豊かさは、およそその収入で測れるものではない」と、1934年に彼は言っている。カクテルパーティーに行って、軽い会話を楽しむ代わりに、「年収はどのくらいですか?」と聞かれたらどんな気がするだろう?呆れるほど変な質問だと思うだけでなく、恐らく腹が立つだろう。私たちのほとんどは、稼ぎの多さで自分の価値を判断されたくないはずだ。

この本、次は海老蔵さんにシェアしたいです。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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