51歳のがんサバイバーですが英検一級に一発合格しました。6ヶ月間の勉強法など。

この度、英検一級に合格しました。一次試験(筆記とリスニング)も、二次試験(面接)も、ともに一発合格でした。比較的よい成績で合格できました。

高校以来、30数年ぶりの英検への再チャレンジを決めたのが今年の5月。それから6ヶ月での英検一級合格でした。

セカンドキャリアに向けたリスキリング?

英検一級は合格率が10%程度と言われる難関資格で、合格をきっかけに英語力を活かしてキャリアアップを図る方も多いようです。

僕は5年前に病気(合計4回のがん)のために会社(株式会社オーシャンブリッジ)を売却して、今はアーリーリタイア生活を送っていますが、今回、人生100年時代のセカンドキャリアに向けたリスキリング(学び直し)の一環で英検一級にチャレンジし…という話ではありません(笑)。

改めて外資系企業に再就職するつもりも、2回目の起業で英語教育ビジネスに参入するつもりも、フリーランスの通訳や英語講師になるつもりもありません。

今回の英検一級チャレンジは、純粋に趣味の延長であり、完全に自己満足の世界です。

少し真面目に言いますと、これまで趣味で続けてきた英語学習、そしてリタイアするまで毎日仕事で磨いてきた英語力を、高校以来30数年ぶりの英検で測ってみようかな、と考えたというわけです。

僕のこれまでの英語経験

学生時代

僕は高校生のころ、受験勉強の延長で英検準一級に合格しました。英語は中学生のころから好きな科目であり得意科目でした。大学受験では強力な武器となりました。

大学時代は、NHKラジオの「やさしいビジネス英語」(杉田敏先生)をカセットテープに録音して毎日聞き、シャドーイングしていました。ある年は4月1日の開講から3月31日まで1年間1日も休まず聞きました。コンパがある日は録音したテープを次の日に聞いていました。

大学卒業後は外資系コンサルティング会社への就職を希望していたため、大学時代にTOEICを受け始めました。初めて受けたときは確か700点台前半。

外資系コンサルティング会社時代

その後、第一希望のアクセンチュア(当時はアンダーセンコンサルティング)に入社が決まり、1994年に入社。会社でもTOEICを受けました。最後に受けたのが確か入社2年目で、そのときが865点でした。

オランダ赴任時代

入社2年目にオランダに赴任することになりました。1年2ヶ月の赴任中、オランダ人と英語で仕事しました。最初のころはなかな言いたいことが口から出て来ず、会議では、会議資料の隅に言いたいことを英語に翻訳してメモして、発言の順番が来たらそれ読むというレベルでした。

それでも日本から英会話の本やテープを持ち込んで毎日練習し、覚えた表現を次の日にオランダ人相手に使ってみたりしました。またテレビでは、オランダ語は全く分からないので、オランダの番組ではなくアメリカの放送局のチャンネルでトーク番組をよく見ていました。このころはまだあまり理解できませんでした。

国内ベンチャー時代

その後、帰国してネット系ベンチャー(デジタル・マジック・ラボ)に転職。そこでたまたま担当したのが、アメリカで開発されたソフトウェアを日本語化して販売するという新規事業の立ち上げ。全くのゼロから1人で立ち上げ、3年で数億円のビジネスに育てました。

毎日、アメリカの開発元とメールや電話でやり取りをし、ソフトウェアのローカライズ(日本語化)、マニュアルの翻訳、英文契約書のレビューなど、英語での実務経験を積みました。契約交渉等のために何度かアメリカ出張もしました。

オーシャンブリッジ起業時代

そして、2001年、30歳のときに、自分が立ち上げた事業を買収して独立する形(MBO)でオーシャンブリッジを創業。

その後、海外のパートナーシップをヨーロッパにも広げます。毎日、欧米の取引先と英語でやり取りし、年に数回は海外出張、また海外取引先を日本に呼んでの商談なども含め。毎日英語を使って仕事をしていました。

そしてオーシャンブリッジの社長時代の40歳のときに脳腫瘍が見つかり、数度のがん闘病を経て引退を決意。2017年にオーシャンブリッジをM&Aで売却し、アーリーリタイアしました。その後もずっと趣味の英語学習は続けています。

約30年のビジネスでの英語経験を英検に反映

以上のように、社会に出てからの約30年、英語を実際に仕事で使っていました。その間に、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの全ての側面において英語力はアップしている実感がありました。

でも英検もTOEICも、学生時代のままでアップデートしていませんでした。

そのため今回、改めて英検にチャレンジして今の英語力を測ってみるのも悪くないかな、と考えました。

英検一級挑戦の直接のきっかけ

・・・というそれなりの背景はあるのですが、英検一級チャレンジの直接のきっかけは、実は娘の中学進学でした。

今年の春、娘が中学に進学したのを機に、「英検受けてみたら?」という話になって、もともと英語好きの僕は娘の代わりに中学生の英検の勉強法について調べ始めました。

すると、最近は語学学習系のアプリがたくさん出ていて、スマホで英検対策が進められるということを知ってしまいました。

そうした英語学習アプリをいろいろ試していくうちに、娘に使わせるのではなく、自分で使って勉強してみたくなってしまいました。そして、どうせやるなら難しいと評判の英検一級を受けてみよう、となったわけです。それが今年の5月のゴールデンウィークのこと。ちょうど僕の51歳の誕生日の前後でした。

半年間の英検一級対策の勉強法

5月に思い立ってからまずは3ヶ月ほど、アプリ(mikan、でた単)を使って英検一級の頻出単語を暗記。定番の紙の単語帳(旺文社の英検1級でる順パス単)は買ったものの全く使いませんでした。

アプリでは覚えていない単語を何度も出題してくれるため、非常に効率よく、ゲーム感覚で隙間時間を使って楽しく覚えられます。

アプリで頻出単語を8〜9割ほど覚えてから、過去問にチャレンジ。7月中〜下旬のこと。

過去問の採点結果を受けて、語彙問題、長文読解、リスニング、英作文の各分野の中で自分の弱点を把握し、8月の夏休み明けから分野ごとに参考書や問題集で強化しました。

僕は過去問では長文問題で時間が不足がちだったので、リーディング、特に長文の速読力を問題集(旺文社)等で強化しました。ここに一番時間をかけました。

あとは英作文。これは1問あたりの配点も大きいのでしっかり対策して得点に結びつける必要があります。でも参考書(ジャパンタイムズ出版の完全制覇)での独学では対策に限界があるため、添削サービス(バリューイングリッシュ)なども使いながら何度も書いて練習しました。

また万全を期すため、リスニングや語彙も問題集(ジャパンタイムズ出版の完全制覇シリーズ)を買って一通り問題演習をしました。

英検一級一次試験

そして2ヶ月ほどの対策を経て、10月9日に一次試験(リーディング、リスニング、ライティング)を受けました。

当日はリーディングで時間配分をミスして最後の長文問題はほぼ読まずに解答し、リスニングでは途中で集中力が途切れて聞き逃すなど、不満の残る一次試験ではありましたが、結果は合格。合格基準スコア2028に対し2129ということで、結果としては比較的高得点での合格となりました。英検バンドはG1+4(合格基準点だとG4+0)

英検一級二次試験対策

10月9日に一次試験が終わってから、合格発表を待たずに二次試験対策に取り掛かりました。二次試験は面接での時事問題をテーマにした2分間のスピーチ(テーマはその場で5択)と、それに基づく質疑応答です。ネイティブスピーカーと日本人の二人の試験官を相手にした面接で、スピーキング力が4項目(ショートスピーチ、やり取り、語彙・文法、発音)で評価されます。

対策としては、参考書(ジャパンタイムズ出版の完全制覇、Jリサーチ出版の英検1級面接大特訓)で頻出分野ごとのスピーチのサンプルを読んだりシャドーイングしたりすることに加え、オンラインでの模擬面接トレーニング(バリューイングリッシュ)も何回か活用しました。

そうした1ヶ月ちょっとの面接対策の後、11月23日に二次試験を受けました。

当日はネイティブの面接官と英語でのおしゃべりを楽しむつもりで望みました。作戦通り、準備していた最初の自己紹介で面接官の関心を惹きつけ、ショートスピーチ、質疑応答、最後の別れの挨拶まで、面接官を自分のペースに巻き込んでしゃべりまくってきました。

そして先日12月1日に結果発表があり、無事に合格となりました。この日は早朝にワールドカップで日本代表がスペインを破った日です。僕にとってはうれしいことが2つも重なった忘れられない日となりました。

二次試験は、合格基準602点に対して僕は641点でしたので、こちらも一次試験同様、比較的よいスコアでの合格となりました。ただ、ショートスピーチ、語彙・文法、発音の項目はもっと点が取れるはずだと思っていたので、少しだけ悔しい思いもあります。

一方で、インタラクション(やりとり)が満点の10点だったのは、非常にうれしかったです。英語による面接官との双方向のコミュニケーションが噛み合っていたという評価ですからね。個人的には二次試験で一番大事な項目だと思っています。

これからの英語との向き合い方

こうして僕は英検一級に合格しました。

前述のように一次試験も二次試験も、点数的には不本意な部分もあり、再受験してさらに高得点を狙うことも頭をよぎったんですが、合否ではなく点数を上げるためだけに勉強するのは不毛だなと思い直し、再受験はしないことにしました。

また、一次試験に受かった直後は、英検の次はTOEIC満点でも目指そうかなと思って、実際に公式問題集なども用意したんですが、二次試験に合格し、ちょっと落ち着いた今は、しばらくは試験のための勉強はいいかなと思っています。

今後は「道具を磨くこと」より「道具を使うこと」に時間を使いたいと考えています。英語という道具を使って楽しいことをしたいですね。

例えば、溜まっているペーパーバックを読む(アンソニー・ホロヴィッツ等)。溜まっているTIMEを読む。途中になっている海外ドラマを見る(フレンズ、ストレンジャーシングス、SUITS等)、見ようと思っていた映画を見るなど。

子供のころに抱いた永遠の目標

実は、僕が人生で初めて英語に目覚めたのは、小学校低学年のころでした。

当時、父がよく日曜洋画劇場を見ていたのですが、吹き替えで外国人が日本語を喋っていることに違和感を感じていました(ダーティ・ハリーのクリント・イーストウッドなど)。声と口の動きも合っていませんしね。

だから、「いつか映画を英語のまま理解できるようになりたい」と子供心に思ったのです。

俳優が実際に話している英語を聞いてそのまま理解したい。

それが今でも僕の英語学習への意欲の根源にあります。

そしてそれはいまだに達成できていない永遠の目標です。

今でも、海外ドラマの定番フレンズなどをNetflixで見ていても、ちょっとした早口の言い回しが聞き取れなかったり、ジョークが理解できなかったりします。

もちろん100%理解するには、英語のリスニング力だけではなく、アメリカの文化的な背景なども理解する必要があります。外国人に「カラスの勝手でしょ〜」と言っても、ドリフや志村けん、8時だよ全員集合を知らないと理解できないのと同じことです。

それでも少しでも理解度を100%に近づけていきたい、と思って、今でも海外ドラマや映画を英語字幕で見ています(ときには英語字幕と日本語字幕を同時に表示して)。

「アメリカの映画やドラマを字幕や吹き替えなしで理解する」

これは僕の永遠の目標です。
今後も追求していきたいと思っています。

そして気が向いたら、TOEICにも再チャレンジするかもしれません。そのうち気が向いたら。。。

また、今回この記事で、僕のやった英検一級対策の勉強法についてざっくりとは書きましたが、もう少し詳しい勉強法を別の記事で書くかもしれません。いずれ気が向いたら。。。

これからも目標達成を目指して、楽しく英語を学んでいきたいと思っています。

ということで、この記事は、「誰でもたった6ヶ月の対策で英検一級に合格できる勉強法」ではなく、「誰でも30年超の英語学習の蓄積があれば、たった6ヶ月の対策で英検一級に合格できる勉強法」に関する記事でした(笑)。

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