2014年07月18日

サイモントン療法によるがんのイメージ療法/MA療法の怖い副作用:白血病・悪性リンパ腫闘病記(34)

前回の闘病記からの続きです。

◼︎2013年6月18日(火)。入院37日目。抗がん剤治療開始から29日目。

この日から、抗がん剤治療「Hyper-CVAD/MA療法」の2コース目である「MA 療法」(MTX+Ara-C療法)が始まりました。

抗がん剤メソトレキセートの点滴

この治療では、メソトレキセート(MTX)とキロサイド(Ara-C)という抗がん剤を大量に点滴します。

朝、薬剤師さんが抗がん剤点滴のスケジュール表を持って来て、 副作用などの注意点を説明してくれました。

⚫︎メソトレキセートの主な副作用は、
・腎臓への負担
・多少の吐き気

⚫︎キロサイドの主な副作用は、
・結膜炎(目薬で予防)
・口内炎(歯磨き、うがい、手洗いで予防)

とのこと。ふむふむ、そんなものか、という感じで聞いていたのですが、改めてそれぞれネットでも調べてみると、以下のようにありました。

▼メトトレキサート(メソトレキセート)の特徴と副作用

細胞内でDNAとRNAの合成を助ける酵素の働きを妨げて、がん細胞の増殖を抑える葉酸代謝拮抗剤です。さまざまながんに使われる代表的な抗がん剤で、大量化学療法でも使用されます。
主な副作用:
一般に骨髄抑制や口内炎、吐き気・嘔吐などが表れます。免疫力低下による発熱など風邪に似た症状が現れ、感染症にかかることもあります。腸炎や肺線維症、それに呼吸困難や血圧の低下などにも注意が必要です。

▼シタラビン(キロサイド)の特徴と副作用

DNAに取り込まれてDNAの合成を阻害するとともに、DNAを複製する酵素の働きを阻害します。
現在シタラビンの大量投与法は、急性白血病では欠かせない治療法となっています。この治療法は強力で、効果も高いのですが、反面、副作用も強いので、充分な治療管理体制と支持療法が必要です。
主な副作用:
シタラビンの主な副作用としては、嘔吐、食欲不振などの消化器症状が最も多く、そのほか腹痛や下痢、口内炎、発疹、倦怠感、肝障害、発熱などが現れることがあります。

他の抗がん剤との併用時には、消化器症状に加えて、白血球減少などの血液障害も比較的高い頻度で起こります。また、重大な副作用としてはは、骨髄抑制、消化管潰瘍・出血などの消化管障害、間質性肺炎、急性心膜炎などが起こる可能性があります。

シタラビン大量療法の場合は、当然これらの副作用は通常用法よりも強く出、非常に厳しい治療になります。前述の症状のほかにも大量療法では、結膜炎などの眼症状や、発熱、筋肉痛、骨痛などを引き起こす「シタラビン症候群」と呼ばれる症状が出ることもあります。

思ったよりも副作用が多く、しかも「非常に厳しい治療になります」などと怖いことが書いてありました。でも一年経った今、思い返してみると、Hyper-CVAD療法の方がMA療法より辛かったように記憶しています。それはきっと、虎の門病院の化学療法に関する経験値が高く、副作用への対処が的確だったことが要因だと思います。

さてMA療法一日目のこの日は、まず髄注をしました。髄注は今回の入院では2回目です。

今回も、それほど痛くなく、10分ほどで終了しました。最初の麻酔の注射だけはやはりチクっとしたり膨張する感じがしたりしてちょっと痛いのですが、それが過ぎれば、あとは注射で髄液を抜いたり抗がん剤を注入したりするのは、自分でも分からないうちに終わってしまったという感じでした。また、前回感じた足の痺れは、今回はありませんでした。

でも、髄注が痛みも少なく、短時間で終わるのは、明らかに担当医のMY先生の手技が非常に上手で手際がいいためです。看護師さんも毎回「MY先生は早い!」と驚いていました。MY先生が担当になってくれて、本当に僕は恵まれていました。

午後、点滴がスタートしました。まずは吐き気止め(グラニセトロン)を30分かけて点滴。

それが終わり次第、メソトレキセートの点滴が始まりました。これは24時間かけて点滴します。黄色の点滴です。まずは様子を見ながら2時間かけて落とし、問題がなければその後22時間かけて落とします。

ちなみに点滴をすることを「落とす」と言います。「看護師さん、点滴落ちてないから、針がちゃんと入ってるか見てくれます?」「この点滴は何分かけて落とすんですか?」などのように使います(笑)。

メソトレキセートの点滴中は、その毒性、つまり副作用を軽減させるため、採血してメソトレキセートの血中濃度を見つつ、ロイコボリンを定期的に投与します。

点滴が始まってからは、何となく眠くなったので、横になって、サイモントン療法的なイメージ療法をしていました。具体的には、黄色いメソトレキセートが、がん細胞に作用して増殖を阻害し、がん細胞が死んでいくイメージを、頭の中で描き続けていました。

がんをイメージ療法で治すというサイモントン療法については、10年以上前に妹が乳がんで闘病していた時に、サイモントン博士の著書を何冊も読み、勉強しました。生前のサイモントン博士が来日した際には講演会にも足を運び、直接質問をしたり本にサインをもらったりもしていました。

その時に勉強したことが、10年以上後に、まさか自分ががんになって役立つことになるとは思いませんでした。

2011年の悪性脳腫瘍(グリオーマ)での入院時に、改めて、かつて買った本を読み直し、さらに下記の本を買って読み、イメージ療法を実践していました。

「イメージ療法」というと曖昧で分かりにくいですが、非常に大雑把に言ってしまうと、「病は気から」を体系化して実践的にしたもの、でしょうか。

このサイモントン療法によるイメージ療法を、今回の白血病・悪性リンパ腫での入院中にも、特に抗がん剤や分子標的薬の点滴中や点滴後に実施しました。

さて、メソトレキセート点滴初日の副作用としては、多少胃がムカムカする程度でした。それでも夕飯はほぼ食べられて、それだけでは足りずにチョコも食べました。

看護師のMさんによると、メソトレキセートは点滴の翌日から胃がムカムカするという人が多いとのこと。人によっては点滴を始めて5分で吐いてしまうこともあるようです。ただこの辺は、気持ちの問題もあるかもしれないとのこと。メソトレキセートは点滴の色が少しきつい黄色なので、それを見て気持ちが悪くなってしまう人もいるようです。

でも抗がん剤の点滴の色には、他にもオレンジとか、なんと青もあるようです。そういえば、前回の1コース目に使ったドキソルビシンは、どぎついオレンジ色でした。

MA療法初日は、こうして副作用もそれほど感じることなく、平穏に過ぎていきました。夜には、前日に続いて、iTunesでレンタルした映画を観る余裕もありました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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