2014年10月21日

抗がん剤の副作用で便秘→下痢→脱水症状/あるべき自分とあるがままの自分:白血病・悪性リンパ腫闘病記(60)

前回の闘病記からの続きです。


◼︎2013年7月22日(月)。入院71日目。抗がん剤治療開始から63日目。

この前日から、便秘気味になっていました。腸の動きが弱くなっている感じで、食欲も減退し、吐き気も多少ありました。腸の痛みや全身の倦怠感もありました。

前回のHyper-CVAD療法の1コース目のときに、ひどい便秘に苦しみましたが、今回もやはり同じ状況になりつつありました。このHyper-CVAD療法の一環で前週の金曜日に注射した抗がん剤のオンコビンの副作用です。

オンコビンの副作用で便秘になることは分かっていたため、数日前から担当医の先生や看護師さんにお腹や便の状況をお話しながら、下剤の量を調整していました。それでも便秘になってしまいました。

◼︎2013年7月23日(火)。入院72日目。抗がん剤治療開始から64日目。

この日は前日よりは体調はよく、腸の痛みは軽くなっていたものの、胃の気持ち悪さや全身の倦怠感があり、一日中寝て過ごしていました。

体調が悪化すると、精神的にも落ち込んでいきます。前回のHyper-CVAD療法の1コース目に副作用で苦しんでいた時に感じた自分の弱さを再び感じ、それについていろいろ考えていました。

この日、家内がお見舞いに来てくれ、そんな僕の話を聞いていってくれました。

今回の入院で、副作用の辛さや、先の見えない長い治療の辛さ、辛い治療を受けても治るとは限らないという現実の辛さで、どん底に行き、自分の弱さに気づいた。辛さを終わらせるためにビルの屋上から飛び降りようかと衝動的に思った

自分は今まで強い人間だと勝手に思い込んでいたけれど、本来の自分は弱い人間だったことに気づいた。でもその本来の弱い自分を受け入れることが大切ではないかと思う。

だから、格好つけずに、自分にもっとわがままに生きてもいいのかもしれない。K君に言われたように。

嫌なものは嫌だとはっきり言う。
周りに気を使い過ぎない。
もっと自分の気持ちに素直に。
もっと自分勝手に。

こんな話を家内としました。家内は都度、学生時代からの僕との20年来の付き合いや、臨床心理士としての経験から、適切に助言をしてくれました。

そんな家内との会話を通じて、

自分は今、家内に支えられていて、生きている。

と実感しました。


◼︎2013年7月24日(水)。入院73日目。抗がん剤治療開始から65日目。

この前日あたりから、お通じはあるものの、下痢気味になっていました。下剤のラキソベロンを増やしたことによるものと思われます。この頃は、「前回の便秘よりも、下痢の方がまだいい」と思っていました。

この日も腸よりも胃の気持ち悪さがあり、胃薬のアルサルミンを飲みました。

担当医のMY先生の指示で胃腸のレントゲンを撮りましたが、やはり胃腸の流れが滞っているようだとのこと。先生は、「水分をできるだけ摂ってくださいね。副作用は、ここ数日が正念場です」と言っていました。

この日も家内が来てくれました。八天堂のクリームパンを買ってきてくれました。胃腸の調子が悪い時でも、甘くて柔らかくて食べやすかったです。おいしいものを食べたら調子が戻ってきた感じがしました。

家内とは、前日の話の続きをしました。

自分は、今まで「自分のことが好きですか?」という質問に対し「もちろん」と答えていたが、実は今まで自分が好きだと思っていたのは、「見せかけの作られた自分」あるいは「あるべき姿(長男、リーダー、社長・・・)を演じている自分」だったのではないかと思う。

自分が勝手に作った「あるべき姿」に無理やり自分を合わせ、そんな自分を好きになっていただけ。

本当の自分は、強くなく、弱い人間。それを受け入れれば、もう強がる必要はない。もっと弱い自分を出してもいいはず。

「あるべき自分」と「あるがままの自分」。


また、しばらく前に気づいた、下記の間違った思い込みについても、考えを改めました。

人生はプラスマイナスゼロ。常に幸せでい続けるということはあり得ない。幸せがあれば不幸もある。何かを得るには相応のコストを払わねばならず、それは幸福も一緒。

自分は仕事でもプライベートでも幸せで、恵まれている。だからいずれどこかで不幸な体験もすることになる。そうしないとバランスが取れない。

▼がんに感謝、がんにさようなら:白血病・悪性リンパ腫闘病記(56)

この勝手な思い込みに対し、以下のようなことに気付きました。

世界に幸せは無尽蔵に存在する。だから幸せになるためにわざわざ不幸を経験する必要はない。


◼︎2013年7月25日(木)。入院74日目。抗がん剤治療開始から66日目。

この日も下痢は続いていました。さらに、腸がちくちくと痛みます。これは下剤のせいだとのことで、薬剤師さんや看護師さんと話して、下剤(ラキソベロン)の量を減らすことにしました。

この日、胃腸のMRIを撮りました。ここしばらくあまり食べられていなかったため、足元がおぼつかなく、付き添いの付きでいMRI室に行きました。

この日も家内が来てくれました。家内は痛むお腹をさすってくれ、手の爪を切ってくれました。本当にありがたいと思いました。

夜、廊下で男性看護師のTさんと立ち話をしました。「便秘が下痢になって辛い」という話をしたところ、Tさんは、「高山さんの場合、下剤のラキソベロンはやめてもいいんじゃないか。下痢になるのは行き過ぎ。脱水症状を疑った方がいい。高山さんは下剤ではなく、便を柔らかくするマグラックスだけでコントロールできるのではないかと思う」とアドバイスをくれました。

これで思い切って下剤をやめてみることにしました。先生や薬剤師さんだけではなく、患者の日常の姿を見ている看護師さんのアドバイスは本当に貴重だと思いました。


◼︎2013年7月26日(金)。入院75日目。抗がん剤治療開始から67日目。

この日、トイレに行って病室に帰ってきたら、すごいふらつきを感じました。ベッドのフレームにつかまってようやく座りました。この日に予定していたシャワーは無理だと感じました。

毎朝恒例の体重測定では、前日よりも体重が減っていました。45キロになっていました。入院前の59キロから14キロ減っていました。前日、看護師のTさんに言われた通り、下痢による脱水症状になっていたようです。口からものを無理に食べても、腸で吸収されずに全部出てしまいます。

担当医のMY先生は、「明日朝も体重が減っていたら、点滴で栄養を入れましょう。悪循環から出ましょう。できるだけ水分は取ってください。外泊は、体力の回復次第ですね」と言いました。

本当は、翌日からの土日に、外泊で自宅に戻るはずでした。でも下痢による脱水症状で力が入らず、食欲もなく、それどころではありませんでした。外泊で家に帰るのを楽しみにしていたため、涙が出ました。

歯磨きに行くにも、足元がふらつくため、付き添いが必要でした。トイレでは便座から立ち上がる時にふらついて後ろに倒れそうになりました。

あまりに痩せてしまったため、ベッドに寝ていると肩甲骨や肋骨がマットレスに当たり、痛みを感じるようになってしまいました。まさに文字通り骨と皮だけという状態です。看護師さんにお願いして、マットレスの上に、ベッドパッドを二枚重ねて敷いてもらいました。それで大分痛みは和らぎました。

外泊の延期は悲しかったですが、寝る時の痛みがなくなったことは助かりました。いろいろありますが、

今日よりも明日、明日よりも明後日。少しずつよくなっていく。一歩一歩、17年後の娘の20歳の誕生日につながっていく。

と考えていました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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