2014年05月15日

牛丼・たこ焼きパワー/注射を7回刺し直し:白血病・悪性リンパ腫闘病記(20)

前回の闘病記からの続きです。

◼︎2013年5月28日(火)。入院16日目。抗がん剤治療開始から8日目。

前日の腹痛と蕁麻疹(じんましん)を受け、朝から薬剤師さんが来てくれて、飲み薬に坑アレルギー薬のアレロックが追加になりました。腹痛はもう治まっていましたので、蕁麻疹対策の薬でした。

この日の午後には、友人のKさんとTさんがお見舞いに来てくれました。差し入れとして吉野家の牛丼を持ってきてくれました。これは本当に嬉しかったです。

入院中に差し入れしてもらって食べた吉野家の牛丼

この頃は、抗がん剤の副作用で食欲が減退するのと平行して、あまりおいしいとは言えない病院食が苦手になりつつあり、食事が進まなくなってきて、体重も減少していた頃でした。

だからこの差し入れは本当にありがたく、本当に助かりました。久しぶりに「おいしいなあ」と感じる食事で、久しぶりの満腹感と満足感を感じました。

今思い返すと、こうした食事に関するストレス、つまり好きなものも食べられず、口に合わない病院食を体重維持のため無理やり口に詰め込むという、毎回の食事自体がストレスになっていた状況も、前日の腹痛、蕁麻疹の原因の一つだったのかもしれません。

やはり食事はおいしく食べないと力になりません。逆に、おいしく食べるとすぐに力になります。その証拠に・・・

◼︎2013年5月29日(水)。入院17日目。抗がん剤治療開始から9日目。

・・・この日の朝、体重を測ったら、なんとそれまでの減少傾向から一転、増加していました。

「これは牛丼パワーだ。やはり食べたいものをお腹いっぱい食べることが大事だ。」

と実感しました。

この頃、2日に1回の朝の採血で、看護師さんが失敗することが増えてきていました。この日もまず新人看護師のIさんが来て腕に注射を刺すのですが、皮膚の下で針が血管を捉えられません。Iさんはすみませんと言いながら針を抜き、先輩を呼びに。続いて来た先輩看護師のKさんも、何度か失敗して針を刺し直したものの、最終的には成功。何度も刺してすみません、と謝っていました。

僕は2011年の脳腫瘍治療での入院中の採血、注射、点滴、そしてその後の数ヶ月の通院での抗がん剤点滴や、毎月の通院での採血などにより、徐々に腕の血管が硬くなり、看護師さんが注射針を刺しても血管が逃げてしまい失敗することが増えていました。

注射を刺した皮膚の下で、針を動かして血管を探り、それで血管に刺さればまだいいんですが、それでダメだと、1回針を抜いて、腕の別の場所を探して刺し直しになります。一回刺した皮膚の下で血管を探って針を動かされる感覚は、何とも言えないものがあります(笑)。

しかも白血病や悪性リンパ腫などの血液系の疾患の場合、入院中は2日に1回は採血があります。それ以外にも熱を出した時などには随時採血をします。一回に両腕から採血する必要があることもあります(感染が疑われる場合の血液培養検査)。もちろん点滴もあります(抗がん剤の点滴中は、抗がん剤も他の点滴も、腕からではなく、首から静脈に入れた中心静脈カテーテルから入れますが)。

こうして左右の腕のあらゆる場所に注射を繰り返すたび、それらの箇所の血管は硬くなり、血管が取れる、つまり採血、注射ができる場所は少なくなっていきます。ベテラン看護師さんでも採血に苦労することになります。

ある朝の採血の時には、数人の看護師さんが入れ替わりで、失敗と最終的な成功を含めて、合計7回、腕の様々な箇所に注射針を刺されたことがありました。すでに脳腫瘍の時の経験から注射には慣れてはいましたが、さすがに7回は予想外でした(笑)。

さて、この日は、友人の経営者、CS社のAさんがお見舞いに来てくれました。前日、僕がFacebookに牛丼の写真をアップして盛り上がっていたのを見て、「何が食べたい?」と聞いてくれたので、考えた末、「たこ焼きが食べたいです!」と伝えたら、持ってきてくれました。

入院中に差し入れしてもらって食べた築地銀だこのたこ焼き

これも本当にうれしかったです。別に普段からたこ焼き大好き!というわけではないんですが、入院中は、こういう食べ物がなぜか無性に食べたくなるんですよね。ファーストフード的なものというか、味がしっかりしているものというか。

Aさんは他にも、とげぬき地蔵のお守りや、血をきれいにするというパワーストーン(血液のがんのため)なども持ってきてくれました。いろいろと気を使っていただき、ありがたいなと思いました。

Aさんには、その後も、公私ともにいろいろとお世話になることになります。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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