2014年04月21日

初めてのCV(中心静脈カテーテル)挿入/シンクロニシティ:白血病・悪性リンパ腫闘病記(14)

前回の闘病記からの続きです。

2013年5月20日(月)。入院8日目。

この日も朝からデキサート(ステロイド剤)を点滴。

その後、いよいよ翌日から始まる抗がん剤治療(Hyper-CVAD/MA療法)の点滴に備えて、CV(中心静脈)カテーテルが首に挿入されました。

初めてのCV(中心静脈)カテーテル挿入

▼中心静脈カテーテル|化学療法サポート

カテーテルとは体内に挿入する管のことを言います。点滴や静脈注射を行うために、鎖骨や首、太ももの付け根にある血管から挿入し、カテーテルの先端が心臓近くの太い血管(中心静脈といいます)に位置させるカテーテルを中心静脈カテーテルと言います。

お昼ころに担当医のMY先生が看護師さんと一緒に病室にいらっしゃって、ベッドの上に横になるように言われます。左右どちらかを下にした横向きです。片手で持てる簡易的なレントゲンかエコーのような機械で、首から胸のあたりの皮膚の上から静脈の位置を確認し、ペンで皮膚に印をつけます。首から胸を消毒し、首に麻酔の注射を何本か打ちます。これはちくっとしてちょっと痛いです。

麻酔が効いてから、いよいよ首から管を挿入されます。MY先生から「ちょっと押される感じがしますよ」と言われて、管が入ります。確かにググッと押される感じはありますが、痛くはありません。管の挿入後、針と糸で3箇所ほど縫って管を固定します。これはちくっと痛いこともありました。そして看護師さんに上からガーゼを貼ってもらって、処置は終了です。

このCVカテーテル挿入も、骨髄穿刺(マルク)腰椎穿刺と同様、白血病、悪性リンパ腫の治療では痛い処置だと言われているんですが、相変わらずMY先生の手際がいいせいか、大して痛くなかったです。

このCVカテーテルは、抗がん剤治療の各コースが始まるときに挿入してもらい、3〜4週間のコースが終わると抜いてくれます。つまり全8コース(僕の場合は最終的には7コース)の最初に毎回このCVカテーテル挿入の処置がありましたが、毎回の処置自体はあまり苦ではありませんでした。

それよりも、最初のうちは挿入していること自体に違和感を感じていました。特に寝るときなどは気になって、CVカテーテルが入っていない方の首を常に下にして寝るようにしていました。でも段々慣れてきて、入院生活終盤には、全く気にせずCVカテーテルが入っている方の首を下にして眠れるようになっていました。慣れってすごいです(笑)。

またこのときも思いましたが、外科ではなく内科でも、このような処置は非常に多く、そしてそこでは医師の手先の器用さ、手際の良さが求められます。それらがないと、処置に時間がかかり、患者は痛みや苦痛を感じます。また処置後のトラブル(出血、痛み、位置のずれ等)も増えます。その点、手際の良さと処置の速さが看護師さんをも驚かせるMY先生が担当医だったのは、本当に助かりました。

処置の終了後には、レントゲン室に行って首から胸のレントゲン撮影をして、きちんと中心静脈にカテーテルが入っているかを確認します。僕の場合、問題があったことは一度もありませんでした。

この日はその後、オーシャンブリッジのメンバーが仕事の報告や相談を兼ねてお見舞いに来てくれました。

続いて、大学卒業後に最初に勤めた会社(アクセンチュア)の同期で一番仲の良かったYがお見舞いに来てくれました。さすがに二十年来の友ということで、本当に気兼ねなく、楽しく有意義な時間を過ごせました。

彼は、僕の病気の経緯や、今後の治療方針、また僕が海外の論文を読んで最新の治療法を調べている等という話を一通り聞くと、こんなアドバイスをくれました。

いろいろ自分でやり過ぎるな、調べ過ぎるな、考え過ぎるな。
せっかくだからゆっくりしろ。
そして碁をやれ(笑)。

最後の碁は彼の直近の趣味とのことで、仲間が欲しいようでした(笑)。

それはさておき、ちょうどこの前日にお見舞いに来てくれた同じアクセンチュアの同期仲間のSからも、同じようなアドバイスをもらっていました。

高山は自分でいろいろやりすぎる。病気なんだからもっとゆっくりしろ

彼らからのこうしたアドバイスを聞いて、「さすが長年の友、よく僕のことを分かってるなあ」と感心し、うれしくなりました。

そして、アドバイスについては、「確かにそうかもしれないな」、とも思いました。

ちょうどこの前日に考えていた「病気の意味」、「今回の2回目のがんから何を学ぶべきか?」の中でも、「より積極的に周囲に『委ねる』こと(先生に、家族に、会社のスタッフに、友人に)」が重要かもしれないなあ、と感じ始めていました。

自分で調べて自分で考えて自分でやるのではなく、もっと周りに委ねること。

治療方針については、最低限の知識は必要だけれども、治療効果や検査結果に基づく治療の次のステップの判断は、いずれにせよ先生に委ねるしかありません。

オーシャンブリッジの仕事についても、特に自分が中心になって進めていたメンタルヘルス関連の国際産官学連携プロジェクトが気になっていましたが、長い入院生活に入ってしまった以上、これまで以上にスタッフに委ねるしかありません。既存事業同様、思い切って任せることしかできません。

ちょうど、それまで技術担当メンバーとして同プロジェクトに参加しており、僕の入院後はリーダーの役割を引き継いでくれていたエンジニアのマネージャーのY君は、もともと新規事業の立ち上げに興味を持っていました。僕が入院により強制的にプロジェクトから外れたことで、彼のポテンシャルが花開くかもしれない、と期待しました。

自分の中で考えていたことに対し、二日連続で長年の友から同じアドバイスをもらい、シンクロニシティや引き寄せの法則的なことを感じました。

そしてこの翌日から、いよいよ抗がん剤治療がスタートすることになります。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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