2014年01月24日

白血病・悪性リンパ腫闘病記(3):生検の結果を待つ2週間/寝室での涙

前回の記事からの続きです)

国立がんセンター中央病院に検査入院して生検を受けてから、その検査結果が出るまでの2週間(2013年4月24日〜5月7日)は、不安な思いを抱えて過ごしました。

自分は一体何の病気なのか、不安に思いつつ、可能性として先生が言っていた骨肉腫や悪性リンパ腫などについてネットで調べたりしていました。また、いずれにせよ治療のためには入院することになるだろうと思い、何となく入院の準備も始めていました。

入院時に着替えや身の回り品を持っていくバッグがないということで、キャリーバッグをネットで物色したり、入院する前に髪を切ろうと、美容院に行ったりしました。

美容院には4月26日に行きました。もう17年も通っている地元の美容室、NEWMAXです。長年の付き合いで、もはや友人でもあるオーナー美容師の本山さんからは、このとき、2年前の脳腫瘍の放射線治療で抜けた髪の毛、特に後頭部の髪の毛について、「最初、生えてきた頃は細くて柔らかい毛だったけど、大分普通の毛に戻ってきましたね」と言われました。

それに対しては、「でもまた抗がん剤で抜けちゃうかも知れません。実はまた別の病気が見つかって・・・」と伝えました。

入院の準備という点では、実はこの時期に書いた下記のブログ記事のネタも、入院中に病室で使うことを前提に買ったものでした。

▼iPhoneやiPadで自宅のブルーレイレコーダーを外出先から視聴できるSlingboxが便利!(2013/4/28)

▼iPad mini用キーボードのファイナルアンサー?!ロジクール ウルトラスリム キーボード ミニの完成度としっくり感がすばらしい!(2013/5/4)

そして4月30日に、国立がん研究センター中央病院のO先生にメールで連絡をしました。というのも、検査入院中に「生検の結果は、どうしても2週間経たないと分からないんでしょうか?」とお聞きしたところ、「1週間後に連絡をもらえれば、病理検査の途中経過はお伝えできるかもしれません」と言われていたためです。この4月30日は、まさに生検から1週間後でした。

メールを見たO先生は、すぐに僕に電話をくださいました。「病理検査の途中経過ですが、悪性リンパ腫であることまでは分かりました。悪性リンパ腫のタイプを特定するために、引き続き検査しています。詳しくは来週の診察でお話します」とのこと。

この時点で、僕の病気は「悪性リンパ腫」であることが確定しました。

悪性リンパ腫であることが分かってから、ネットで治療方法や予後などについて調べてみました。その結果、悪性リンパ腫は本当に種類が多く、タイプによって治療も予後も大きく異なることが分かりました。そのため、病理検査の結果が出て、悪性リンパ腫のどのタイプかが分かるまでは、詳しく調べるのをやめることにしました。結果が出る前に余計な心配をしてもしょうがないので。

その一方、悪性リンパ腫だと確定したことについては、幼なじみのT君(大学病院の放射線腫瘍医)や、東京女子医科大学 脳神経外科の主治医の村垣先生には、すぐにメールで連絡をしていました。

T君はすぐにメールで返事をくれました。彼の勤務先の病院の、血液分野の元教授の先生に、骨軟部の悪性リンパ腫に強い病院はどこか、病院選びのポイントはなにかについて聞いて、僕に詳しく教えてくれました。

例えば「悪性リンパ腫は寛解、再燃を繰り返すことがあるため、初期治療以降も粘り強く治療を行ってくれる病院を選ぶべき」など、素人には分からない、専門家ならではの貴重な情報を教えてくれました。

それだけでなく、T君は医師の視点から、また幼稚園からの幼なじみの視点から、「治療については、恐らく手術は不要」など、いろいろと僕を安心させてくれる言葉をくれました。本当につらい時期に心の支えになりました。

村垣先生は、僕が連絡をした日にちょうどタイミングよくがんセンターに行くとのことで、脊髄腫瘍科の先生に、悪性リンパ腫に強い病院と病院選びのポイントなどについて聞いてくださって、すぐにご連絡をくださいました。

「悪性リンパ腫は、無菌室での治療など入院期間が長くなりがち」「初期治療だけではなく、治療が長引いても粘り強く診てくれる病院がいい」など、こちらもネットでは分からない貴重な情報を教えてくださいました。でも、病院選びについても、やはり最終的にはどういうリンパ腫なのかに依存するとのことで、病理検査の結果が出たら再度ご相談することになりました。

この時期、左のお尻から足にかけての痛みや痺れは、少しずつ強くなっていました。その結果、がんセンターで処方してもらった痛み止めの医療用麻薬、オキノームを飲む機会が増えていました。そのうちに痛み止めが足りなくなり、家内にがんセンターまで薬をもらいに行ってもらいました。

特にしびれについては、左のお尻から太ももにかけてのしびれが強く、トイレで便座に座るのも大変だったり、またウォシュレットのシャワーをしてもお尻の左側だけ水がかかっている感覚がなかったり、という状況になっていました。今考えると、この時期にも腫瘍が大きくなっていたのかも知れません。

そんな中、5月3日の夜のこと。家事を終えて寝室に入ってきた家内が、ベッドに入ってしばらくすると、声を抑えてしくしく泣き出しました。考えてみるとこの前日も泣いていたような気がします。

どうしたのか聞いてみると、「僕が痛みに耐えているのがかわいそうで・・・」とのこと。僕はこう言いました。

「僕は痛み止めの薬があるから大丈夫。今回も死なないから大丈夫。

今回の病気は、これからの人生を家族三人で楽しく幸せに暮らしていくために、またこれからも会社がうまくいくために必要な苦労だと思う。

前回のグリオーマ(脳腫瘍)は、これまでの40年間、僕の人生や仕事がうまくいっていたことに対する対価、コストではないかと思う。

今回の病気も、神様が、僕が乗り越えられると思って与えてくれたもの。前回と同じく、治る前提で病気になったはず。その証拠に、考えられる最速で検査などが進んでいる。これから、これまで以上に幸せな人生を送るために、もう一つ病気を乗り越えることが必要だということ。

また今回の病気により、確率的には○○(家内)、○○(娘)ががんになる可能性はなくなった。今は二人に一人ががんになると言われるが、僕が二回、つまり二人分がんになったので、確率的に三人に1.5人ががんになるのであれば、僕一人ですでにそれを超えている。○○と○○は大丈夫。がんにはならない。

だからやはり今回の病気は、これから三人でもっともっと幸せな人生を歩むために乗り越えるべきハードルだということ。この病気を乗り越えれば、これまで以上に幸せな人生が開けてくるはず。そう考えると楽しみ!」

この4日後、5月7日(火)に、生検の結果と、予想外だった予後、生存率などについて、がんセンターの先生から知らされることになります。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や治療に関するご相談はメールでもSNSでも一切お受けしておりません。仮に質問などをお送りいただいてもご返事できかねます。私もあくまで一患者であり医療関係者ではありませんのでその点ご理解ください。

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