2015年09月01日

オピオイド系医療用麻薬オキシコドンの神経障害性疼痛・慢性痛への保険適応/映画や小説に見る米国社会への広がり

昨日のペインクリニックでの帯状疱疹後神経痛の定期診察の記事で、オキノーム(オピオイド系医療用麻薬)について書きました。

オキノームは現時点では慢性痛には保険適応ではありませんが、いずれ適応になっていくはずです

オキノームが、現時点で保険適応となっているがん性疼痛だけではなく、神経障害性疼痛を含めた慢性痛にも保険適応になりそうだというのは、他の神経痛患者さんには朗報になるのではと思います。

以前も書きましたが、日本は諸外国に比べて医療用麻薬の使用量が少ないという話があります。「我慢」を美徳とする文化の影響が少なからずありそうです。

実際は僕も、虎の門病院でも東京女子医科大学病院でも、先生や看護師さんに「高山さんは痛みに強い」「我慢強い高山さんが痛いと言うのなら相当痛いんでしょうね」とよく言われていました。

でも同時に「痛いときは我慢しないで言ってくださいね」「痛い時は痛み止めの薬をどんどん使っていいんですよ」とも言われていました。

確かに調べてみると、痛みを我慢しても患者にとっていいことはないようです。

▼痛み:[がん情報サービス]

痛み自体が体力の消耗を起こします。痛みに対して早くから治療を開始すると、体は元気を取り戻し、元の生活を楽に過ごすことができるようになることが多いのです。「がんの痛みは治療できる痛み」であり、治療すべき症状です。
1)痛みを我慢しない
痛みを我慢すると、体の他の部分に負担がかかったり、精神的にも悪影響があるといわれています。痛みがある場合には我慢せず、主治医に相談しましょう。

さらに、痛みがある場合には、麻薬を飲んでも中毒にはならないとも言われています。

▼「医療用麻薬」の誤解|緩和ケア.net

医療用麻薬は、痛みがある状態で使用すると、中毒にならないことがわかっています。副作用に対しても、さまざまな薬や対処法が開発され、十分に対応できるようになっています。

僕自身、最初は悪性リンパ腫の腫瘍によるがん性疼痛のために、そして今では主に帯状疱疹後神経痛のために、2年半近くオキノームを飲んでいます。発病当初は同じオキシコドンを成分とするオキシコンチンも飲んでいました。

でも、中毒になったり(依存症)、効果が薄れたりすること(薬剤耐性)は、今のところ自覚できる範囲ではありません。痛みを抑える以外の目的で飲みたいと感じたことはありませんし、痛みが落ち着いてさえいれば、何日も飲まなくても平気です。また痛い時はほとんどの場合、飲めば効果があります。

一方、医療用麻薬の普及にはいろいろな問題も指摘されています。最近ではまさにオキシコドンに関し、下記のニュースが話題になりました。

▼トヨタの米国人女性役員、麻薬輸入容疑で逮捕 容疑否認:朝日新聞デジタル

ハンプ容疑者は今月11日、米国から麻薬成分のジヒドロヒドロキシコデイノン(通称オキシコドン)を含む錠剤57錠を輸入した疑いがある。
オキシコドンはモルヒネと同様に鎮痛作用があり、がん治療など医療目的で処方されることもある。一方で、米国では乱用が社会問題になっている。

このニュースに関連し、下記のような記事もあります。

▼《1901》 米国でのオキシコドンの使用実態 - 町医者だから言いたい! - アピタル(医療・健康)

2012年の1人当たりの1年間のオキシコドン平均消費量(mg)は、世界71カ国のうち、日本は32位でした。
世界平均は13.5mgですが、日本の平均は3.6mgで非常に少ない消費量でアメリカの消費量が飛び抜けて多い。

やはり日本は医療用麻薬であるオキシコドンの使用量は非常に少ないようです。一方、消費量の多い米国では、社会問題になっているとのこと。

つまり米国ではオキシドコンがあまりにも手軽に入手できるため、多くの人が痛みを緩和するために医療用麻薬として使用している一方、医療目的ではなくヘロインなどのように乱用されているのが実態だそうです。
過去にはマイケル・ジャクソンが乱用していたとも報道されていましたが、米国では過剰摂取や乱用、依存症が深刻な社会問題になっているようです。

確かに最近、アメリカの映画や小説で、「オキシコンチン」の名称をよく目にするように思います。映画ではミッキー・ロークの「レスラー」、小説ではスティーヴン・キングの「11/22/63」、ベン・H・ウィンタースの「地上最後の刑事」、ロジャー ホッブズの「ゴーストマン 時限紙幣」、ロバート・クレイスの「容疑者」など。これだけを見ても、米国社会へのオキシコンチンの普及が感じられます。もちろんがん性疼痛の管理のために使われているケースもありますが、乱用や裏取引の対象として描かれているケースもあります。

アメリカのような社会問題を引き起こさないことはもちろん大切ではあります。でも、医療用麻薬の処方により痛みから救われる患者さんも少なくないはずです。必要な患者さんには医療用麻薬が利用できるような社会を希望します。

僕自身も、今後もオキノームを上手く使いながら、何とか帯状疱疹後神経痛をしのいでいければと思っています。

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高山の著書

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治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

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