女子医大病院に入院。大部屋を選んだ理由など(経緯6)

6月27日(月)に東京女子医科大学病院に入院しました。
当日は渋谷まで東横線で行き、渋谷駅からタクシーで病院に行きました。奥さんと娘が一緒に来てくれました。
入院の受付時間である午前10時の10分前には病院に着きました。まず窓口に行って入院の手続きを済ませ、その後、入院病棟の病室に入る前に、眼科に行きました。この日10時から眼科の診察の予約が入っていたためです。僕の場合、視覚を司る後頭葉に腫瘍があり、自覚症状としても視覚障害(目を酷使すると視野の左側がゆがむ症状)が起きていたため、手術の前に念のため目も詳しく検査しておく必要があったようです。


この眼科の診察が非常に待たされました。入院案内のパンフレット等を読んで待っていたのですが、結局2時間も待合ロビーで待たされた挙句、入院病棟から連絡があり、先に病棟に行って病室に入ることになりました。
病棟の看護師さんからすると、本来は先に病室に案内し、病室のベッドの上で眼科の診察の順番を待ってもらえばいいということだったようです。しきりに「段取りが悪くて、お待たせしてしまい、すみません」と言っていました。それで逆に、「この病院の看護師さんは患者思いだな」と感じた次第です。
案内された病室は6人部屋でした。
病室については、お見舞いに来てくださった方からも、「個室じゃないんですね」と言われたのですが、あえて個室や2人部屋は避けました。もちろん、長期の入院になるため、一日あたり数千円〜数万円の追加料金がもったいないということもあったのですが、それ以上に、T君のアドバイスが大きかったです。この女子医大を紹介してくれた、幼なじみで、某大学病院で放射線科医をしているT君です。彼からはこんなアドバイスをもらいました。

・個室に一人でこもっていると、誰でも気が滅入ってくる。
・2人部屋は、もう一人の患者さんと気が合えばいいが、合わなかった時が最悪。
・大部屋の方が、同じような境遇の患者さんもいるし、脳外科の患者さんたちは内科等に比べると意外と元気があるので、いろいろと気が紛れていい。

実際、彼のアドバイスに従ってよかったです。
入院前は、「まずは大部屋に入って、もしうるさいとか気が散るとかいうことがあれば、個室や2人部屋に変えてもらえばいいや」と思っていたのですが、その後退院まで、部屋を変わりたいと思ったことは一度もありませんでした。
この病院がそうなのかこの病棟がそうなのか分からないのですが、大部屋でもベッドの周りに常にカーテンを引いてプライバシーを確保している患者さんが多く、患者間の会話はそれほど多くありませんでした。
それでも何人かの患者さんとは仲良くなり、ちょっとした機会に会話したり、お見舞いをおすそ分けしたり、その方のご家族がお見舞いに見えるとお互いの家族も交えて世間話をしたり、という交流がありました。ベビーカーに乗ってお見舞いに来るうちの娘をかわいがってくださった方も多くいらっしゃいました。
でも普段はカーテンをひいて自分の時間が確保できます。僕にとってはほどよい距離感という感じでした。
そして、同じ病室の他の患者さんと看護師さんが話している内容を横で聞いていると、気が紛れるのと同時に、意外と貴重な情報が得られるという点もよかったです。同じような境遇の患者さんがいるため、○○先生は何曜日は手術日だから忙しいとか、放射線治療の混み具合がどうとか、シャワーの予約は何時頃が空いているとか、1階の売店の閉店時間は何時だとか、そういう情報が、意外と入院生活で役に立ちました。まあ盗み聞きなのですが(笑)。
さて、病棟に着いて、病室に入って、すぐに採血があり、そして昼食が出てきました。初めての病院食です。意外とおいしいと思いました。
最初の病院食
お昼を食べ終わると、眼科から順番が来たと連絡があり、検査に向かいました。視力検査や目の動きの検査、簡単な視野検査などを行いました。網膜剥離の疑いもあったようで、教授による診察もありましたが、最終的には目には問題はなかったようです。
ひと通りの目の検査が終わってから、売店や図書室などをのぞいて、病棟に戻ると、看護師さんたちが待っていました。入院初日で、かつ手術が近いということで、眼科以外にもたくさん検査の予約が入っていて、それぞれの科から催促がきているとのこと。一旦病室で検温や問診をした後、すぐに病棟を出て、順番に検査をして回りました。心電図、肺機能検査、X線、CTの各検査です。
ひと通り終わってからまた病棟に戻りました。ここでようやく少し時間に余裕ができたため、看護師のKさんが病棟内を案内してくれました。このKさんが、僕のメインの担当看護師さんとなり、退院まで大変お世話になることになります。
入院中はそれぞれの患者に看護師さんが常に一名、担当でついてくれます。朝から夕方までは日勤の担当看護師さん、夕方から翌朝までは夜勤の担当看護師さんです。日勤と夜勤が切り替わる朝と夕方、「日勤担当の○○です。よろしくお願いしますね」「夜勤担当は○○です」と挨拶に来てくれます。
僕はメイン担当がKさんのため、日勤でも夜勤でも、Kさんが出勤しているときは、必ずKさんが僕の担当になります。Kさんがお休みのときは、出勤している別の看護師さんが担当になります。僕の場合、2ヶ月強の入院期間中、Kさんを含め15人ほどの看護師さんにお世話になりました。できるだけそれぞれの看護師さんの名前を覚えて、名前で話しかけるようにしていました。長い期間お世話になるわけですので。
Kさんが病棟案内をしてくれた後、若い先生が病室にいらっしゃって、入院の承諾書にサインをし、手術に関する主治医の先生からの説明の日程を調整しました。ここまででようやく一段落。夕食の時間となりました。
あじの塩焼き、鶏とじゃがいもの煮物、きのこ汁など
夕飯を食べ終わって、iPhoneでTwitterやFacebookを見ると、たくさんのメッセージが届いていたため、できるだけ返信しました。ただこの頃になると、目を酷使すると視野の左のほうがゆがむという症状が出る頻度が増えてきており、あまり長くiPhoneを触ったり本を読んだりすることができなくなっていました。
21時、消灯時間になりました。が、さすがにその時間には眠くならず、この日、実際に寝たのは22時半頃でした。

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「女子医大病院に入院。大部屋を選んだ理由など(経緯6)」への4件のフィードバック

  1. 私は、長崎市内に住む22歳の男性です。
    私も幼い頃(5歳の頃)に脳腫瘍を患い、
    その影響もあり、物が二重に見える複視という
    後遺症が残ってしまったのですが、
    日常生活に関しては、特に問題なく過ごしております。
    あなたも是非頑張ってください。

  2. k tさん、コメントありがとうございます。
    そんなに小さな時に脳腫瘍になられたんですね。
    僕の場合、視野の左下のほうが見えないのですが、日々のリハビリで少しずつ回復しています。
    お互いにがんばりましょう!

  3. 病院に入っていたのは4年前なのですが、ブログを読んでいると記憶がよみがえります。病人はすぐに外に向かって「良い子を演じたがる」のですが、それも何とかして不安を解消したいという一心からだったような気がします。
    私の下垂体腫瘍の場合には、先生の予測では「段々と視野が狭くなり、そうしている間に急に頭痛がするだろう」と言われています。まぁ爆弾を抱えているようなもので、半年に一度の視野検査とMRIを続けていますし、先生からも「何かおかしかったらすぐに来て下さい」と言われています。
    ただ今は悪性リンパ腫の方がひどいので、私もあまり考えないようにしています。眼は片方が悪くてももう片方で自然と補うので気付くのが遅れるとは言われています。自覚症状がよほど強くない限りは、見逃してしまいそうです。

  4. こうちゃん361さん、コメントありがとうございます。
    『病人はすぐに外に向かって「良い子を演じたがる」』というのは、分かる気がします。
    視野の変化は、確かに漸進的に進むと、気づきにくいかも知れませんね。
    僕の場合、術後にICUで意識が戻ったときには、「あれ?ちゃんと見えるじゃん!」と思ったのですが、先生が来て簡単にテストをしたら、やはり左下が見えていないということを認識しました。
    お互いゆっくりがんばりましょう!

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