2011年09月26日

女子医大の脳神経外科で、悪性脳腫瘍との診断を受ける(経緯3)

6月21日(火)に初めて東京女子医科大学に行きました。脳神経外科の外来診察です。

予約時間は14時だったのですが、さすがに脳腫瘍では日本一の女子医大だけあり、かなり待つことになりました。予約してもらっていたYM先生の診察があまりにも立て込んでいるため、YM先生の診察に先立って若い先生の診察が予診的に入りました。その先生にはこれまでの経緯や現在の状況などを聞かれました。その後また診察室の前のベンチでしばらく待ち、ようやくYM先生の診察室に呼ばれました。

YM先生は事前に、僕が別の病院で検査した脳のMRI画像を見ています。僕と奥さんが診察室に入り、挨拶を交わした後、すぐにYM先生は「神経膠腫、グリオーマですね」と言いました。脳腫瘍です。そして「神経膠腫についてはインターネットとかで調べられましたか?」と言いながら、神経膠腫に関する説明用紙のコピーをくれました。

「グレード、つまり悪性度は、画像で見る限り、おそらく3〜4だと思います。でも、実際には手術をして組織を取って病理検査をしてみないと分かりません」と言いました。

脳腫瘍でもグレードが2までであれば、予後もよく、良性と言えます。でもグレード3や4は悪性です。この時点で、悪性の脳腫瘍という診断を正式に受けたことになります。

その後、今後の治療方針などについて説明を受けました。7月4日に手術をして、その後、放射線治療と化学療法(抗がん剤治療)をするので、入院期間は3ヶ月ほどになるとのこと。そんなに長く入院することになるのかと驚きました。結果的には2ヶ月と少しで退院できたのですが、術後の回復状況や、放射線・抗がん剤の副作用によってはもっと治療が長引いた可能性もあります。先生としては、そうした可能性を考慮して長めに伝えたのでしょう。

この日初めてお会いしたYM先生は、非常に優しく話しやすい先生でした。事前にインターネットでYM先生に関する記事やインタビューなどを読んでいたのですが、先生は、女子医大の脳腫瘍治療成績を抜本的に押し上げた「術中MRI」の開発における中心的な人物です。非常に優秀で高い理想を持った医師であり、また研究者であるとのイメージを持っていました。でも実際にお会いしてみると、そうしたインテリジェンスよりも柔らかさ、話しやすさが前面に出ています。質問に対しても率直に答えてくださいますし、曖昧なことは言いません。この先生ならこれから安心してお任せできるという印象を持ちました。

そして直近の予定の説明を受けました。2日後に再度来院して自己血の採血。これは、手術中に何かあって大量に出血したときの輸血のために、自分の血液を事前に採血して用意しておくものです。その翌日には岐阜にある提携先の病院での各種PET検査。

なぜわざわざ岐阜の病院まで検査に行くのか、女子医では検査できないのかを、YM先生に聞いてみると、「女子医大は検査の予約もかなり立て込んでいて、全ての検査の予約を入れようとすると、全部終わるのはかなり先になってしまう。岐阜の病院なら、一日で必要な検査を全て一度に行うことができる。岐阜まで患者さんに行っていただくのは心苦しいんですが・・・」とのこと。自分としては早く治療してもらうことを優先したいので、この説明で納得しました。

実際はこの岐阜の病院での検査の予約がこのタイミングで取れたのもラッキーだったようです。通常であればもう少し先になってしまったようで、そうなると、僕の手術も先延ばしになっていたはずです。

入院日については、ベッドが空き次第ということで、入院前日に「明日入院してください」と電話で連絡がくるとのことでした。

こうして女子医大での初めての診察が終わったのは夕方遅くでした。YM先生が安心してお任せできるいい先生だったことはよかったのですが、脳腫瘍のグレードが3または4だと言われたのは、さすがにショックでした。

家に帰ってから、また女子医大のホームページの脳腫瘍・神経膠腫治療に関するページを見ました。特に下記の箇所です。

2005年の手術症例数は99例と国内第1位(週刊朝日臨時増刊2007.3.5号)であり、2000年から2006年6月までの治療成績として、初発神経膠腫(グリオーマ)149例の5年生存率はグレード2が90%、グレード3が78%、グレード4が13%でありました。直接比較することはできませんが、参考資料として日本脳腫瘍統計における5年生存率はグレード2が69%、3が25%、4が7%です(Neurologia Medico-Chirurgica(Tokyo) 40(supplement):1-106, 2000)。

上記のように、女子医大の場合、グレード3の5年生存率は78%ですが、グレード4は13%です。この差は非常に大きい。

この日以降、手術が終わって病理検査の結果が出るまで、僕の脳腫瘍のグレードが3であることを祈りながら生活することになります。

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投稿者 kuroda : 2012年12月19日 00:17

こんばんは。夜分遅くにコメント申し訳ありません。

僕は埼玉に住んでいる25歳の会社員です。

突然のコメントで、よくわからないと思われるかもしれませんが、高山さんに話してアドバイスでもいただければと思い書かせてもらいます。

昨日の夜に妹がこの一週間頭が痛い、もう痛くて眠れないと言うので救急に連れていきました。

CTを一応撮りましょうと言うことになって、とってみました。するとやはりなにか影のような物があり、市内の中央病院で精密検査をすぐにすることになりました。

結果は悪性の脳腫瘍でした。

妹はまだ19歳で、そんなことなどないだろうと、あってもただの膿瘍か良性の物だろうと思っていました。

癌の進行が早いらしく、1週間の検査した後にすぐ摘出の手術をすると言う話になりましたが、それが早いのかどうなのかすら僕にはわかりません。信頼できるお医者さんなのかもわかりません。
今は色々ネットなどで調べる事しかできなく、
人のツテもコネもありません。藁にでもすがりたい気持ちです。

このブログを読んでいて、経験者の高山さんに助言を頂きたいと思いコメントさせていただきました。

本当に本当に、今はどうしていいかもわからない、というかなにをしてあげればいいのか?程度にしか動けません。
厚かましいお願いではありますが、何かアドバイスを頂ければと思います。
お忙しい所大変申し訳ございません、返信頂ければ幸いです。

投稿者 オーシャンブリッジ高山 : 2012年12月19日 14:15

kurodaさん、コメントありがとうございました。
またお送りしたメールにもすぐに返信くださりありがとうございました。
他の読者の方のためにも、メールに書いた内容を一部こちらにも転載しておきますね。
ーーー
東京女子医大で治療を受けることを強くお勧めします。
悪性脳腫瘍の場合、ブログに書いたように、どこの病院で手術を受けるかによって予後(生存率)が大きく異なります。

まず、今の病院に「女子医大で診察を受け治療を受けたい」と申し出て、紹介状を女子医大宛に書いてもらってください。
その上で女子医大の予約センター(下記)に電話し、「脳神経外科の村垣先生もしくは丸山先生」を指名して、初診の予約を取ってください。

■東京女子医科大学病院 予約センター
予約専用直通電話03(3353)8138
お取扱時間帯平 日 午前9時〜午後4時
土曜日 午前9時〜正午(第3土曜日は休診)
http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/jyushin/yoyaku.html

もし両先生の予約が立て込んでいたとしても、「今の病院からはすぐに手術が必要と言われているので、早く診ていただきたい」と伝えれば、早く予約を入れてくれると思います(そういう患者本位の先生たちです)。
---

妹さんが最善の治療を受けられることをお祈りしています。

投稿者 ワンダー : 2014年5月18日 19:57

頭を打った後首がだんだん重くなる病気てなんですか?

投稿者 オーシャンブリッジ高山 : 2014年5月19日 08:28

ワンダーさん、すみません、私は医者ではありませんので、病院に行って相談されることをお勧めします。

高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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