2010年09月21日

ベンチャー企業の海外製プロダクトが、防衛省・自衛隊で採用されるまでの道のり。

先日書いた「海上自衛隊のソマリア沖海賊船対処活動におけるNXPowerLiteの活用事例を公開しました。」という記事の中で、

今回、オーシャンブリッジというベンチャー企業が日本に持って来た、海外のベンチャー企業のソフトウェアが、日本の防衛省・海上自衛隊で正式採用されたわけですが、ここまで来るには紆余曲折がありました。

ということを書きました。防衛省・自衛隊では、商品がいいからと言って採用されるとは限らない、いろいろなしがらみがあって簡単には物事が進まない、という話です。

今日はこのお話について、自分なりにまとめておきたいと思います。

つまり、一ベンチャー企業(オーシャンブリッジ)が海外から持って来たソフトウェア(NXPowerLite)が、海上自衛隊という国家機関で正式採用されるまでの道のりについてのお話です。

前述の通り、防衛省関係で営業活動をしていると、「商品がいいからと言って、採用されるとは限らない」ということをよく言われます。防衛省の方からも、防衛省とすでに取引をしているITベンダーの方からも、よく言われます。

防衛省・自治体の幹部クラスの方、つまり、民間企業で言うところのエンドユーザーのキーマンの方に気に入っていただいても、物事はすんなりとは進みません。

オーシャンブリッジとしては、防衛省・自衛隊との最初の接点は、クローズドな研究会であるオープンシステム研究会でした(海上自衛隊様での導入事例でも書いた通り)。ここで米海軍やNATO軍での導入事例を紹介したところ、海上自衛隊の幹部の方々に大変興味を持っていただきました。その後すぐに訪問し、上司の方にもお会いし、非常に好感触だったのですが、その後何度訪問しても、いつどういう形で導入していただけるのかが、なかなか見えてきません。

それはなぜなのか。僕自身は以下のような難しさを感じていました。

(1) 防衛省・自衛隊内の意思決定プロセスの分かりにくさ
(2) 防衛省・自衛隊内の部隊(セクション)毎の役割分担の分かりにくさ
(3) 既得権益を守ろうとする既存大手ベンダーさんからの反発
(4) 防衛省への納入実績のないベンチャーのための信用の不足

こうした難しさを感じながらも、僕自身は以下のようなことを心がけて、営業活動を続けていきました。

(1) プロダクトがどう課題解決につながるのかを、お客様の組織や立場を踏まえて、「相手の言葉」で伝える。

(2) お客様がそれぞれの立場で実現したいことを「手助け」するというスタンスを貫く。

(3) お客様が必要としている、お客様が喜ぶ「ネタ」(海外事例、セミナー資料、調査レポート等)を継続的に提供する。直接的に自社の売上につながらなくても、提供できる情報は提供する。

(4) ネタ提供をきっかけに、継続的にアポを取って足を運ぶ。必要としている情報を提供していけば「時間を割いてでも会うべき人」という立場になっていく。接触効果を期待するとともに、会話の中から役割分担や意思決定プロセスを探り、次のステップを模索する。

(5) 会話の中で名前の挙がった、意思決定プロセスに関連しそうな部隊は、臆せずに積極的に紹介してもらう。そして訪問する。「○○さんの替わりに私が説明してきますよ」というスタンス。

(6) 会話の中で名前の挙がった既存ベンダーさんも全て訪問する。基本的に新参者は嫌がられるが、中には、お客様からの紹介ということで、味方になってくれるところも出てくる。

・・・と偉そうに列挙してみましたが、これらの多くは、法人営業では当たり前のことですよね。こうした当たり前のことを地道にやり通したら、最終的に道が開けた、というわけです。

こうした地道な活動を続ける中で、

・防衛省・自衛隊内の組織や意思決定プロセスが見えてきて、
・お客様との信頼関係が深まっていって、
・お客様内でオーシャンブリッジと製品の名前が口コミで広まっていって、
・お客様内でのオーシャンブリッジ製品の導入意欲が高まっていって、
・既存大手ベンダーさんの中からオーシャンブリッジと組んだ方がよさそうだというところが出てきて、

最終的に受注につながりました。既存大手ベンダーさん経由での受注でした。

法人営業は、お客様との信頼関係構築が第一。そのためには、地道な活動を積み重ねていくしかありません。これはパートナー営業でも同じこと。

いや、お客様との信頼関係の構築というのは、法人営業やパートナー営業に限らず、商売そのもの基本ですよね。

オーシャンブリッジが提供するプロダクトや、マーケティングで活用する手法は変わっても、この商売の基本は常に忘れずに、これからも事業に邁進していきたいと思います。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や治療に関するご相談はお受けしておりません。

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