恩師とビールを飲みつつ、アニマルスピリットについて語り合う。

three_s.jpg今日は朝から米国と電話会議、その後社内で役員のミーティング、さらに午後は、弊社主催のセミナーでプレゼン。
セミナー終了後、オフィスには戻らず、そのまま久し振りに母校に。
僕の大学時代の恩師、小野俊夫先生は、数年前に早稲田大学の教授を退官され、名誉教授になられました。
それに伴い、小野ゼミOBの発案で、月に一回、第二金曜日に、大学近くの居酒屋に集まり、ビール好きの先生を囲んで飲みましょう、という会が始まりました。
その名も


「二金会」。
分かりやすいですね。
僕はこの会が始まった当初はよく顔を出していたのですが、最近、ちょっとご無沙汰していました。
で、先日、突然「今月は行ってみよう」と思い立ち、本日夕方、早稲田に向かいました。
早めに早稲田についたので、学生時代には毎週二回通っていた三品に向かう。
が・・・学校が休み期間のため休業中。あー、カツ玉ミックス(トンカツ+牛丼+カレー+生たまご)が食べたかった・・・。
やむなく、メルシーでラーメンを食べる。全然、あの頃と味が変わってないなー。値段も390円だし。
その後。確か先生は7時頃から店で飲んでいるはず、ということで、7時前には早稲田駅近くの某居酒屋に到着。
入り口で店の人に聞くと先生も他のメンバーもまだ誰も来ていないとのこと。
で、ビールを飲みつつ座敷で待つことに。
しかし・・・。
待てど暮らせど、先生は現れず。
「もしかして、今月だけは、先生のご都合で、中止になったのでは・・・」
不安がよぎる。
30分経過。7時半を過ぎる。
そして諦めかけた頃・・・
ようやく、先生が登場!
いやー、ほんと、ホッとしました。
お会いできないかとほとんど諦めたころだったので。
あー、よかった。
先生のお話によると、最近はOBも忙しいようで、開始を7時半に遅らせたとのこと。
ということで、主役の先生の登場により、改めて、ビールのペースも上がります。
先生にお会いするのは多分2年振りくらいだと思うんですが、いやー、相変わらず、お若い。
今年76歳になるとのことですが、とてもそんなお歳には見えません。
僕が卒業した11年前と全然変わらない感じ。
そして、ビールを飲むペースも変わりません。
しかも、相変わらず、飲んでも飲んでも、変わりません。
さすがビール好きの小野先生。
今でも、ビールに限っては、一杯目より二杯目、二杯目より三杯目の方が、限界効用が増しているようです。これ、学生時代に先生にならった、経済学の定説を覆す「限界効用逓増の法則」。
今回、改めて思ったのですが、常に新しい物事を探求していく先生の姿勢が素晴らしいです。
経済学科でゼミを担当していたということは、もちろん、経済学の先生なんですが、退官される前後からカオス理論の研究を始めて論文をまとめられたり、また最近は、倫理学や地学などに興味を持ち、勉強しているとのこと。
それも、僕と同じように新しモノ好きでもある先生のこと。
何と、家にDVDレコーダーを5台も買いそろえ、放送大学の講義を録画して見ているとのこと。興味のある講義が同じ時間に結構重なるとのことで、5台必要なんですって。
すごいです。
身体もですが、やはり気持ちがお若いですね。
その他、デジカメも、世の中に初めて登場したカシオのものから始め、いくつも買い換えているらしいです。今回もしっかり持って来られていて、一緒に写真を撮りました。
ということで、ビールを飲みながらの特別講義。
改めて、最近のビジネス関係のニュースを、先生の経済学的な視点で捉えつつ、いろいろと話をしました。
僕も、自分のビジネス経験をもとに、いろいろとお話をします。
先生は、シュンペーターの経済発展理論が専門の一つ。僕らもゼミで勉強しました。
シュンペーターの主張を要約すると、資本主義経済の発展には、アントレプレナー、つまり企業家(起業家)によるイノベーション、つまり技術革新が重要である、ということになります。企業家による従来の枠組みの創造的破壊によって、経済は発展する、と。(学生時代から起業を志していたので、先生のゼミを選んだわけですね)
ここまではよく知られたことですし、僕らもゼミでいろいろと勉強したんですが、今回、先生から新たなことを教えて頂きました。
あのケインズも、シュンペーターと同じような主張を持っています。曰く、経済を発展させるには、企業家の「アニマルスピリット」が必要だ、と。かの「一般理論」の中で述べています。
アニマルスピリット。日本語では、「血気」と訳されるそうです。
物事を変えていこうとする企業家の爆発的な行動力、リーダーシップ、というような意味ですね。これ、シュンペーターの創造的破壊とほぼ同じ視点です。
で、面白かったのは、一般理論の中で、このアニマルスピリットについて述べられている章(12章?)だけ、どうも他の章とは微妙に文体が違うらしいんです。どうも、この章だけ、リラックスした文体になっているとのこと。原著を読まないと分からないことですね。
なぜケインズがこの部分だけ違う文体で書いたのか。その真意は今となっては分かりませんが、一番伝えたいことを、自分の言葉で、述べたかったのかも知れません。(まさか別の人が書いたってことはないでしょうし)
で、今のビジネス界を、経営者のアニマルスピリットという観点で眺めると、面白い、という話に。日産のゴーンさんはどうか。ソニーの出井さんはどうだったか。安藤さんはどうか。今度のストリンガー氏はどうか。実は小野ゼミのOB、大先輩に、ソニーの常務の方もいらっしゃるということもあり、そんな話をしていました。
で、翻って、創業してからこれまで、自分のアニマルスピリットはどうだったか、ということを考えてみて、自分なりに気付きがありました。いかに自分のアニマルスピリットを高めていくか、それをスタッフに伝播していくか。いろいろと考えさせられる話でした。
そんなこんなで、気付いたら、もう12時を回ってます。
名残惜しいところですが、会はお開きに。
今回は少人数でしたが、また同期を誘って、先生と経済談義をしよう、自分のビジネスへのヒントをもらおう、そんなことを思った金曜日の夜、でした。
◆今日のBGM◆
Perfect Angel by Minnie Ripperton
最近は、このCDがプレーヤーに入りっぱなし、です。
P.S. 人気blogランキング。今日はこんな感じみたいです。

★闘病記ブログランキングに参加しています。下の病名ボタンをクリックしてくださると、ランキングが上昇し、より多くのがん患者さんに僕の闘病記が届きます。よろしければクリックしてくださるとうれしく思います。4回のがんをがんを乗り越えた経験が、一人でも多くの患者さんに届きますように…

にほんブログ村 病気ブログ 白血病へ  にほんブログ村 病気ブログ 悪性リンパ腫へ  にほんブログ村 病気ブログ 脳腫瘍へ 

「恩師とビールを飲みつつ、アニマルスピリットについて語り合う。」への4件のフィードバック

  1. はじめまして。
    2000年に社学を卒業した者です。
    ゼミは、やっぱり小野ゼミでした。
    社学小野ゼミ最後の幹事長だったのですが卒業後全然顔も出さない不肖の弟子です。
    二金会!びっくりしました。・・・ナツカシイ
    今はどこで開催されているのでしょうか。
    来年早々にも一度お邪魔させていただきたく
    思いました。是非教えてください。

  2. 高山様  小野先生の教え子です。以前に先生のゼミの生徒25名の卒業懇親会を赤坂の料理屋で支援したことがあります。大学は違いますが先生のメールアドレス又はご住所をご存知でしたら先生のご了解を頂いてお教え願いたいのですが。以前は埼玉と東京の県境のひばりヶ丘にお住まいでした。私は公庫を退職し家庭菜園に取り組んでいます。伊那市長谷村に縁が深い者で39年に亘り通っています。縁者も高遠町山田や手良、辰野におり先月出かけてきました。

  3. 高山様 先日は失礼しました。お蔭様で小野先生から1日にお電話を頂きました。これも高山様が縁の回復の機会を与えて下さったものと感謝しております。突然の依頼にも関わらず丁寧なご返事を頂き、さすがに人の上に立つ方はさも在りなんと感じております。有難うございました。

  4. 吉田様、
    こちらこそご丁寧にその後の状況報告をしていただきまして、ありがとうございました。無事に小野先生と連絡が取れたとのことで、安心いたしました。小野先生のご健在が確認でき、私としてもありがたいご連絡となりました。今後ともよろしくお願いいたします。

コメントは受け付けていません。