【書評】はじめての課長の教科書

酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2008-02-13

3年ほど前の本なのですが、先日たまたま同じ著者の「これからの思考の教科書」と「あたらしい戦略の教科書」を読んだのがきっかけで、読んでみました。
読んでみてビックリ。これは良書ですね。


これまでのマネジメントの本とは明らかに一線を画しています。
ありがちなきれいごとではなく、日本企業で管理職として働いていく上での「現実」を、これまで明文化されることのなかった分かりやすい「原理原則」で説明しています。
「課長」に限らず、部下を持つ全ての人、これから部下を持つ立場になる人、みなさんにオススメですね。
もちろん、僕にとっても大変参考になる本でした。「うーん、そうだよなあ」「なるほどなあ」と思う点が多々ありました。そんな箇所を抜粋します。

課長はよりマネジメント寄りで、経営者はよりリーダーシップ寄り
部下が「自分は会社に大切にされている」という実感を持って仕事に取り組めるかどうかという点が最も重要
お金よりも大切なのは、部下を一人の人間として気にかけ、能力だけでなく、もっと人間性に興味を示してやるということ
課長は昔ながらの家族的な方法で部下をまとめることを期待されています。
「風通しの良い企業」においては、「情報の洪水の中から、自分の必要な情報だけを抜き出す」という情報のフィルタリングが個人個人に課されている
中間管理職は、部下にルーティン・ワークを徹底的に教え込み、ルーティン・ワークから外れる例外を、すばやく発見できる仕組みを作り上げることが仕事の第一歩です。
本質的には「ルーティン・ワークから外れるような例外的な業務に対応できる柔軟性」が役職の権威を正当化する
部下をほめるスキルを身につけるために必要なのは、部下が出した成果を、その部下の能力や実績と照らし合わせて評価するという、当たり前の態度です。決して「自分ならもっとうまくやる」などと言ってはなりません。そんなこと皆がわかっているからこそ、課長は課長になれたのですから。
オフサイト・ミーティングの良さは、それぞれが肩書きの異なる社員である前に、魅力的な人間であるという、当たり前のことを思い出させてくれること
キーマンの本当の意味は「オフィシャルには決定権の及ばない数多くの議題に対し、影響力を発揮することの炊けている人」ということ
Cクラス社員にもこなせる仕事を、課長が見つけ出してきて与える
部下がキャリアアップを理由に去っていくのは、本音を言うことでギクシャクする形で退職するのを嫌っている可能性が高いのです。部下が会社を辞めていくとき、それはまさに課長が部下からクビを宣告されたようなものなのです。
典型的なBクラス社員(Aクラス社員ほどには優秀でない普通の人材)は、いつでも「やったほうが良い仕事」ばかりを探してきてはなんだか忙しくしているものです。そして「やらなければならない仕事」はすでにAクラス社員に奪われてしまっています。本当は新しいスキルの勉強もしなければならないはずなのに、「忙しい自分」に酔っていることも多く、そんな忙しさに追われつつ昇進を逃すのです。

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