2014年04月16日

海外の論文の治療成績はなぜ当てにならないのか?担当医との会話:白血病・悪性リンパ腫闘病記(11)

前回の闘病記からの続きです。

2013年5月17日(金)。入院5日目。

この日は朝からなぜか熱が39.4度。

担当医のMY先生によると、数日前の髄注で熱が出ることもあるし、また腫瘍自体も熱を持っているとのこと。ちょうど始まったステロイド剤(デキサート)の点滴で下がることもあるとのことでしたが、その通り、お昼頃には37.0度に下がりました。

一方、今回の病気発見のきっかけともなった左足の痛みや痺れは、前日より軽減していました。ベッドの上で座っていても、以前のように頻繁に座り方を変えたり、痛い左足をベッドから下ろしたりしなくても大丈夫です。ベッドの上でずっとあぐらをかいていても痛くならず、寝ているのも楽になりました。

この話をMY先生にしたら、「ステロイドの効果で腫瘍が縮小し、神経の圧迫が弱まったのかもしれない」、とのこと。

この日、MY先生とは、下記サイトで見た、MD Anderson Cancer CenterのThomas医師のHyper-CVAD/MA療法によるリンパ芽球性リンパ腫の治療成績が、それまでに聞いていた「5年生存率 40%」よりもかなり高いことについて聞いてみました。

▼リンパ芽球性リンパ腫:[がん情報サービス]

2004年にThomas医師らは、ALLに施行されていた強力な化学療法である「Hyper-CVAD/MTX+Ara-C療法(シクロホスファミドの分割投与、ドキソルビシンの持続投与、ビンクリスチン、デキサメサゾン/メソトレキセート、シタラビン大量)」に、6〜8回の脊髄腔内(せきずいくうない)抗がん剤投与を行い、さらに2年間の維持療法を行うことで、完全寛解率91%、3年間の無病生存率66%、全生存率70%という良好な治療成績が得られたことを報告しました。

MY先生によると、以下のような話でした。

初めて開発された治療法の治療成績は、状態のいい患者を選ぶこともあり、高くなりがちです。その後、その治療法が世界に広がり、患者数も増えてくると、治療成績も少し落ちて来ます。

これを聞いて、「そういうものなんだ・・・」と少しがっかりしてしまいました。

しかし、

リンパ芽球性リンパ腫も、患者さんごとにいろいろな経過をたどります。一人ひとりの患者さんを見ながら治療していかないといけないと考えています。

虎の門病院は白血病、悪性リンパ腫の患者数も多いですし、特に臍帯血移植では世界でも最多です。化学療法(抗がん剤治療)をやりながら、もし移植に踏み切る場合でも、その時期などを含め適切に判断できると思います。日本では大学病院を含めても治療実績は多い方なので、他の病院の方がいい治療を受けられる、ということはないかと思いますよ。

普段は控えめなMY先生の、この内に秘めた自信を感じさせる言葉、そして患者に対する姿勢を聞いて、心強く思いました。

ただ、

Hyper-CVAD/MAは強い治療なので、先に言ってしまいますが、最後まで治療を完遂できない患者さんも多いです。当初予定していた6クールが終わる前に、抗がん剤の負担による腎臓の機能低下や、免疫力低下に伴う肺炎などの感染症で、他の治療に移行せざるを得ないケースも多いのです。

という話を聞いて、週明けの火曜日にスタートする予定の抗がん剤治療は、思った以上に大変な治療になりそうだなと身が引き締まる思いがしました。

でも最後に、

いろいろとご家族のことなども含め心配はあると思いますが、まずは目の前の抗がん剤治療を、痛みも抑えつつ、しっかりやっていきましょう。

と言ってくださいました。これを聞いて、勇気付けられるとともに、「まずは無事に治療を完遂することが目の前の目標だな」、と思いを新たにしました。

そしてこの日が、その後も何度も繰り返された、先生方との治療方法に関する議論の始まりでした。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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