2014年08月04日

17年生きられる選択/ホラーな輸血:白血病・悪性リンパ腫闘病記(37)

前回の闘病記からの続きです。

◼︎2013年6月26日(水)。入院45日目。抗がん剤治療開始から37日目。

輸血

この頃は、時間があればとにかくiPad miniで海外の論文を調べ、化学療法だけで、つまり骨髄移植をせずに、僕の病気(B細胞性リンパ芽球性リンパ腫・急性リンパ性白血病)が治った(高い3年生存率を示した)というエビデンス(データ)を一つでも多く見つけようとしていました。Evernoteを見ると、この前後数日だけで、30以上の論文がPDF等で保存されています。

この日の朝も、回診に来てくれた担当医のMY先生に、そうした論文をぶつけてお話をしました。先生はベッド脇の椅子に座って、じっくり話に付き合ってくださいました。

海外の論文では、もっと高い生存率を示すデータがあるのは知っているが、自分たちとしてはB-LBL(B細胞性リンパ芽球性リンパ腫)は生存率5割〜6割と見ていて、それを前提に患者さんと話をしています。

やはり海外の論文と実際の国内での治療成績には差があるようです。そして今後の治療方針についても話しました。

Hyper-CVAD/MAは、6コースでも完遂するのが難しい治療です。途中で感染症になり、続けられない患者さんも多いからです。

そして仮に6コースが終わったとして、またはその前に寛解を得た(画像検査上、がん細胞がなくなった)として、その後の治療方針をどうするかが難しいのです。

今回難しいのは、治療効果をどう見るかです。骨に発生したLBLのため、PET検査で画像上腫瘍が無くなっているからと言っても、骨には腫瘍細胞がついて残っている可能性があります。それをどう評価するかが難しいです。

また、移植の判断も難しいです。造血幹細胞移植をするなら、寛解を得て一番いい状態でするべきです。じゃあCR1(第1寛解期)でやるべきか、CR2(第2寛解期)以降か。

この移植については、チーム内で相談しています。やるなら同種移植(骨髄移植)でも、臍帯血移植でも、効果は同じと考えています。

骨髄バンクの登録等は2〜3ヶ月かかりますから、いずれ移植をする可能性があるのであれば、もう登録すべきかもしれません。臍帯血バンクは数週間で登録等できますが、そちらもどうするか。

いずれにせよ、今回の抗がん剤治療2コース目の治療効果を見て、チームで判断したいと考えています。

このように、この段階では、将来の骨髄移植・臍帯血移植の可能性が十分にあるという前提で先生とも話していました。自分としては、厳しい移植まではいかずに、何とか化学療法だけで治癒を目指せればと願っていて、そのためのエビデンスを海外の論文に求めていました。でも先生方は、治癒のためには移植も視野に入れるべきとのお考えでした。

一通りお話を聞いて、自分としても移植の可能性は受け入れざるを得ないか・・・と考えつつ、

少なくともあと17年は生きられる選択をしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

と先生にはお話ししました。この17年後には、娘が二十歳になりますので。

この日、採血の結果、血球数が下がっていたため、輸血をすることになりました。5日前に終わった、抗がん剤治療のMA療法の副作用です。特に赤血球、ヘモグロビン、血小板が下がっているとのこと。この日、赤血球とヘモグロビンの輸血、翌日に血小板の輸血をすることになりました。

輸血は初めてでしたが、真っ赤な血液がポタッ、ポタッと落ちる様子は、ちょっとホラーでした。

輸血が終わってから、首からCV(中心静脈)カテーテルを抜いてもらいました。やはり異物がなくなるとスッキリします。抗がん剤もしばらくお休みのため、点滴棒もベッド脇からなくなりました。「今日からはよく眠れそう!」と思いました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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