がん哲学外来 お茶の水メディカル・カフェに参加、樋野興夫先生に著書を贈呈

http://ochanomizu.cc/mcafe/
この間の土曜日、患者仲間の田口さんにお誘いいただいて、「がん哲学外来 お茶の水メディカル・カフェ」に参加してきました。


がん哲学外来とは何か。そしてメディカルカフェとは何か。一般社団法人 がん哲学外来のホームページにて公開されている「がん哲学外来 メディカル・カフェの手引き」(PDF)から引用します。

『がん哲学外来』とは、生きることの根源的な 意味を考えようとする患者と、がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする人との対話の場である。「暇げな風貌」と「偉大なるお節介」でもって、がん患者・家族の話を傾聴し、彼らが少しでも笑顔を取り戻して、がんであっても自分の人生を生ききることができるようにする支援の一翼を担う。

メディカル・カフェは、がん哲学外来と同様、お茶を飲みながら、ゆったりとした雰囲気で、患者さんや、ご家族や医療者が同一の平面で対話する場です。がん哲学外来のグループ版といったところでしょうか。

がん相談などでは、相談に出かけた方は、何かアドバイスをもらって帰るという感じですが、メディカル・カフェの同一平面という感覚は、相談者が教えられる立場とは異なります。<中略>カフェで同じ悩みを持つ人達と話し合ってみませんか。

このがん哲学外来とメディカル・カフェは、樋野興夫先生(順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授)が始められた取り組みです。
今回僕が参加させていただいたのは、その樋野先生も参加された9月24日(土)開催の第52回お茶の水メディカル・カフェ。会場は60人前後の参加者のみなさんでいっぱいでした。
たまたまこの日はNHK「団塊スタイル」の取材が入っていて、司会の国井雅比古さん(元NHKアナウンサー)とカメラマンさんが会場内で取材をされながらの進行となりました。
司会の榊原寛先生の楽しいトークで会は始まりました。その中で、いきなり僕にマイクを回してくださったので、著書「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」の紹介をさせていただきました。
そして樋野先生のがん哲学外来に関するお話があった後、各テーブルで参加者同士でのお話になりました。僕も同じテーブルの5名のみなさんと自分の体験や本に書いたことなどをお話ししました。その間、ボランティアスタッフの方がコーヒーやお菓子などをお出ししてくれます。
ひとしきりテーブルでの話が終わると、順番に各テーブルの代表者が、自分たちのグループが話したことを会場のみなさんに話して共有します。ここでも榊原先生の軽妙で思いやりにあふれたトークが場を和ませてくれます。
最後に樋野先生が総括されて、会は終了となりました。
僕は患者会のようなものに参加したのは初めてでした。あまり自分の体験を人に話したいと思うようなことはなかったためです。そうした欲求はブログで満たされているからかもしれません。
さらに正直に言うと、患者会というのは、患者同士が自分がどんなに大変だったのかを共有して、お互いに慰め合う場のようなものだと勝手に想像していました。
でもがん哲学外来メディカル・カフェに参加して、そうした予想は良い方向に裏切られました。
そもそも、参加者のみなさんがすごく元気で、とてもがん患者には見えません。
そしてお話しされる内容も、みんなポジティブなものばかり。もちろんみなさんがん患者やその家族ですから、闘病の経験や、そのときの精神的、肉体的辛さが話題になることもあります。
でもみなさん、そこでは終わらないのがすごい。そうした状況をいかに乗り越えて今があるのか、そしてこれからどんなことにチャレンジしようとしているのか、という前向きな話になるのです。
僕のグループでは、「一番大変なのはもちろん患者本人。でも家族にも家族にしか分からない辛さがある」というお話がご家族から出ました。でもそうした話をいま笑ってできるという状況を、みなさん楽しんでおられました。
僕自身、非常によいエネルギーをみなさんからいただきました。本当によい刺激になりました。
僕が樋野先生のことを知ったのは、自分の本の企画を幻冬舎さんにお話しした最初の打ち合わせの場でした。幻冬舎さんが、樋野先生のがん哲学外来に関する著書「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」を、「がんに関しては最近こういう本を出版しています」と僕にくださったのです。
その後、自分の本が出版に至り、樋野先生の主催されるがん哲学外来メディカル・カフェで本を紹介させていただくことができて、不思議なご縁を感じています。
メディカルカフェの前後には、樋野先生とお話しする機会に恵まれました。本をお渡ししてお話ししていると、なんとこの前日に樋野先生は、僕が脳腫瘍でお世話になった東京女子医科大学病院で講演されたと言うではありませんか。
しかもそこで女子医大の先生から、僕のお話が出たとか出ないとか。改めて不思議なご縁を感じ、世界はつながっていることを実感しました。
本の出版を通じたこうしたご縁を、これからも大切にしていきたいと思います。
樋野先生、榊原先生、ありがとうございました!そしてお誘いくださった田口夫妻、ありがとうございました!

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\

治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ


(幻冬舎/税込1,188円/全国の書店にて発売中)

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