大きな不安をブレイクダウンして対処可能な課題に/担当医から治療に関する2回目の説明

今日の夕方、担当医の湯浅先生から、治療に関する家族を含めた説明の2回目がありました。家内も同席の上、会議室のようなところでお話を聞きました。1時間強でしたでしょうか。
臍帯血移植治療に関する説明書


前回の1回目の内容は、入院後の検査結果や病気のタイプの説明と、それに基づく今後の治療方針やスケジュールの説明でした。
今回は、さらに突っ込んで、移植治療中に起こりうる重篤な合併症のリスクの説明とそれらに対する対処方法などが中心でした。
まずは現状の僕の体の状態から説明してくれました。これまでの検査で心臓、肺、肝臓、腎臓、頭等には問題がなかったということで、これは安心。一方、白血病による造血不全は進行していて、現時点での白血球は1800あるものの、好中球がその10%の180しかなく、非常に低い状態になっています。そのため各種抗生剤(レボフロキサシン、ブイフェンド、ダイフェン)を飲んで感染症を防いでいる状態です。
続いて、移植後のリスクの話。なお移植前の前処置の抗がん剤治療については1回目に説明していただいています。
そのため今日は移植後のリスクのお話を聞きました。

・PIR(生着前免疫反応/臍帯血移植後、生着前に起こる高熱)の概要。
・HHV-6脳炎のリスクと、発症時の臨床研究も含めた対応方法。
・肝中心静脈閉塞症(VOD)のリスク(発症すると治療法がなく致死率90%)。
・特発性肺炎症候群(IPS)のリスク(肺のGVHDである重症肺炎。やはり発症すると治療法がなく致死率90%)。

特に最後の2つは、「移植治療自体が原因となる移植関連死が一般的に2〜3割」と言われていることの具体的な原因の例を教えていただいたことになります。
ご自身で書かれた説明書に基づいて以上のような説明をした上で、湯浅先生は僕と家内それぞれに、「何か分からないことはありますか?」と問いかけてくれました。
僕たちからは、移植後もがん細胞が残っていて再発が疑われる場合の対応(免疫抑制剤の減量や分子標的薬の治験など)や、退院時期の見通しなどを質問しました。
僕の場合、免疫抑制剤の量を制限してある程度GVHD(拒絶反応)を起こすことで、GVL効果(移植した臍帯血が、前処置の抗がん剤治療後も残っているがん細胞を攻撃する効果)を期待することになります。そのため、通常の臍帯血移植よりも少し長めの入院になりそうです。
予後(治癒の見込みについても質問しましたが、「移植は本当にさまざまな要素が関係するので、一つ一つやっていかないと分からない」、とのことでした。例えば移植細胞のHLA型が6座フルマッチでもうまくいかないこともあるとのこと。
また今回、僕の場合はDNA型によるHLA型で6座中4座がマッチしている臍帯血を選びました。2座マッチしていないことによるGVL効果を期待してのことです。でもDNAについても現代の医学では全てが解明されているわけではなく、分かっていないレベルで予後に影響する要因があるのかもしれません。
こうした説明や質疑応答を通じて、最終的には下記のようにまとまりました。

・体の状態はいい(臓器の検査結果がよい、発熱が少ない)
・よい臍帯血が見つかった(HLA型、臍帯血量、細胞数、採取時期の観点から)
・だから、あとはいろいろと不確定要素やリスクはありますが、一つ一つ協力しながらやっていきましょう。

いろいろと不安はありますが、今日まで2回の湯浅先生からの説明や、昨日の移植コーディネーターの成田さんからの説明などで、漠然と大きかった不安(前にチャートに描きましたが)が、少しずつブレイクダウンされ、一つ一つ当たっていけば対処可能な課題のように思えてきました。
治療開始まであと二週間ほどです。リハビリ(今日も3回目がありました)も含めしっかり準備して、心身ともに万全の態勢で治療に臨みたいと思います。

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