株式会社オーシャンブリッジ ファウンダー
高山 知朗 (たかやま のりあき)
2018年04月04日
先週金曜日(3月30日)に白血病の定期検査・診察のために虎の門病院に行ってきました。前回の診察からは4週間ぶりです。今回の診察もおよそ問題はありませんでした。
病院に着き、採血→スタバに退避→診察、の流れはいつも通り。
山本先生の診察では、まずは体調面の近況報告。
●腸の調子はほぼ普通。
●疲れると夕方に熱が出る。37度台。時には頭痛も。
●顔の皮膚が非常に乾燥する。特に額や目の周り。皮がむけている。
●帯状疱疹後神経痛の痛みは相変わらず。
これに対する山本先生からのお話は以下のようなものでした。まずは血液検査の結果から。
血液検査の結果を見ると、肝臓の数値が少し上がっています。造血幹細胞移植後は、GOTとGPTの数値に留意すべきとされていますが、GOTは前々回から見ると34→52→63と上昇(基準値は13〜33)、GPTは36→76→82(基準値は8〜42)とこちらも上昇しています。前回も増加しましたが、今回はさらに増加しています。
肝臓の数値としては、ALPも649→882→1060と上昇(基準値は117〜350)、γGTPも37→78→122と上昇(基準値は9〜109)しています。でもこれらの値の上昇は、造血幹細胞移植後はあまり気にしなくてよいでしょう。
GOTやGPTが上昇した理由は、恐らくGVHD(移植片対宿主病)でしょう。移植したさい帯血(から作り出された血液)が肝臓を攻撃していると考えられます。
これらの値を下げるには、二つの考え方があります。一つは、免疫抑制剤を再開することです。さい帯血の肝臓に対する免疫反応を抑えれば、数値は改善するでしょう。でも同時に、免疫により白血病細胞を抑え込む力は弱まります。再発リスクのことを考えると、免疫抑制剤はやめたほうがいいでしょう。
もう一つは、以前も服用していた肝臓の薬、ウルソを再開することです。でも、GOTもGPTも、2回連続で上昇したとは言え、まだそこまで高いわけではないので、しばらく様子を見ましょう。
一方、血球の値は問題ありません。白血球は微増の4.4で基準値内、赤血球は4.01と増加して基準値内、ヘモグロビンは微増の12.0(基準値は13.0〜17.0)。
ただ、血小板が前々回から69→69→81と増えました(基準値は141〜327)。これまでなかなか増えてこなかったのでよい傾向です。
以上のように、血液検査は全体としてはよい結果だと思います。
そして僕の近況報告に対するお話。
発熱や頭痛については、やはり免疫力が低下しているため、ちょっとした風邪をひいてそれが重症化する前に治る、というのを繰り返しているものと思います。
皮膚の乾燥については、移植をすると皮膚が乾燥しやすくなるためだと思われます。またこれから日差しも強くなるので、外出時は日焼け止めを使ってGVHDを予防してください。
実は皮膚については、GVHDの可能性も考えていました。特に昨年のさい帯血移植の後に、GVHDで顔の皮膚が赤くなり、その後全身に広がっていったこともあり、湯淺先生には「顔の皮膚のGVHDは重症化するかもしれませんね」と言われていたためです。
でも山本先生に診ていただいたところ、今回はGVHDというほどではなさそうです。最近、日差しの強い屋外に日焼け止めを塗り忘れて出てしまったことがあり、その影響もありそうです。外出時は日焼け止めを忘れずに、ということになりました。
最後に、帯状疱疹後神経痛の薬の相談をしました。
現在、痛み止めの医療用麻薬として、持続性(12時間)のオキシコンチン(ジェネリック名:オキシコドン徐放錠)5mgを朝晩1錠ずつ(計10mg/日)、また痛みが強いときのレスキュー用(頓服)のオキノーム2.5mgを1日に3〜4包(計7.5〜10mg/日)飲んでいます。
オキシコンチンもオキノームも、ともに成分は同じ(オキシコドン)で、少しずつ効くか(徐放性の錠剤、12時間毎)、すぐに効くか(速放性の粉薬)の違いです。
山本先生は、「もし1日にオキノームを4包飲むのであれば、朝晩のオキシコンチンをそれぞれ5mgから10mgに増やして(計10mg→20mg/日)、オキノームを全てやめてしまってもよいかもしれません」とのこと。確かに成分のオキシコドンの一日当たりの総量は20mgで変わりません。
それにより、24時間、持続的に痛みが抑えられ、レスキューのオキノームを飲まなくても済むようになるのであれば、かなり楽になるかもしれません。
でも、必ずしも毎日オキノームを4包飲んでいるわけではありません。2包のときもあれば、痛みが強くて4包飲む時ときもあるという感じです。オキノームを2包しか飲まない日で考えると、オキシコドンの一日あたり総量は15mg→20mgに増えることになります。痛みを抑える効果は十分に期待できるかもしれません。
でも、オキシコドンの服用量が増えると、便秘の副作用が心配になります。2013年の急性リンパ性白血病・リンパが急性リンパ腫での入院時にオキシコンチン、オキノームの副作用もあって便秘になり、大変な思いをしました。麻薬が腸の動きを弱めるためです。ただこのときは、抗がん剤のオンコビンも使っていて、この副作用でも便秘になるため、両方の副作用が重なってひどい便秘になってしまいました。
このときの辛い思いが残っているため、オキシコンチンの量を増やして便秘になるリスクが上がることには心理的に抵抗があります。でも実際は2013年の便秘はオンコビンの影響が大きく、オキシコンチン、オキノームの影響はそれほどでもなかったのかもしれません。これは現時点ではなんとも言えません。
そういった背景もあり、今回については、オキシコンチン、オキノームの飲み方はこれまで通りとしました。また次回以降の診察で、先生と相談していきたいと思います。
次回の診察はまた4週間後としました。暖かく、気持ちのよい季節になってきたので、次の診察までの日々も穏やかに過ごしたいと思います。
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【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)
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脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。
高山知朗(のりあき):
1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。
2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。
2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。
2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。
2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。
2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。
現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。
メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)
※病気や治療に関するご相談はメールでもSNSでも一切お受けしておりません。仮に質問などをお送りいただいてもご返事できかねます。私もあくまで一患者であり医療関係者ではありませんのでその点ご理解ください。
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