株式会社オーシャンブリッジ ファウンダー
高山 知朗 (たかやま のりあき)
2018年04月12日
シルクドソレイユやTEDの舞台にも立ったヨーヨー世界チャンピオンのBLACKさんが先日、綱島のカフェカルディまで遊びに来てくださいました。
BLACKさんとは友人主催の集まりで知り合ったのですが、これまでは本当に立ち話くらいしかしたことがありませんでした。
その短い立ち話がきっかけとなって、今回、綱島まで足を運んでくださったのです。
コーヒーを前に話し始めたら、思いがけず深い話をたくさん語り合ってしまいました。
僕は自分の起業や闘病を通じて気づいたことや学んだことをお話ししました。
BLACKさんは、ヨーヨーで世界チャンピオンになり、シルクドソレイユやTEDの舞台にも立つという輝かしい経歴の中で得たことや、世界の頂点を極めた人ならではの苦悩について、いろいろと語ってくれました。
そして我々二人の考え方には、いくつかの共通点が見つかったのです。
詳しくはBLACKさんのブログをご覧ください。
▼BLACK 公式ブログ - 人生を豊かにするのは、「美学」と「行動」の両輪なのかもしれない - Powered by LINE
改めてこの記事を読みながら、このときの対話の内容を思い返すと、僕とBLACKさんは、人生に対して同じような摂理を感じているのだと思います。
その摂理を、BLACKさんは、ヨーヨーパフォーマーとしての視点から、「美学」、「行動」という言葉で表現しています。
そして僕はその摂理を、経営者、がん患者としての視点から、「目標」、「努力」という言葉で表現しました。
つまり、病気という困難が降りかかってきても、「人生の目標」(娘の二十歳の誕生日を家族三人でおいしいお酒で乾杯してお祝いする)を達成するために、最善の病院を見つけ、医師と話し合って最善の治療法を選択すること。これらの意思決定の基軸には、常に人生の目標があります。
そして実際に目標を達成するためには、最新の治療法に関する海外論文を読み、医師と何度も話し合うなどの努力も時には必要となります。
そのようにして自分で選択した治療から生じる副作用や合併症や後遺症を耐えて、乗り越えていくことにも、努力が必要です。でも、人生の目標があったから、乗り越えることができました。
つまり、美学/目標が、人生の重要な判断の基軸にあること。
そして、ここぞというタイミングを逃さずに行動/努力すること。
人生においてこれらが大切であるという摂理を、BLACKさんと僕は、それぞれ美学あるいは目標、そして行動あるいは努力という言葉で言語化しているのだと思います。
また二つ目の行動/努力に関しては、BLACKさんとのお話の中で、「幸運の女神の前髪を掴む」というお話もしました。これは以前、僕の脳腫瘍の執刀医である東京女子医科大学の丸山隆志先生と生田先生と話していたときに言われたことです。
その当時は、脳腫瘍(グリオーマ)と、急性リンパ性白血病(リンパ芽球性リンパ腫)の二つのがんを乗り越えた頃だったと思います。
診察室での雑談の中で、こう言われました。
「高山さんは、幸運の女神の前髪を逃さずしっかり掴んできたから、今があるのではないでしょうか。例えば、悪性リンパ腫になったとしても、最善の病院や医師を探すのに、脳腫瘍の主治医の教授にまで相談する患者さんはあまりいません。でも高山さんは、実際に村垣善浩教授に相談した結果、最善の病院(虎の門病院)で最善の治療を受けることができ、脳腫瘍に続いて悪性リンパ腫も乗り越えました。まさに幸運の女神の前髪を逃さず掴んだ結果ではないでしょうか」
これを聞いたとき、ああ、確かにそうだったかもしれない、と思いました。
そして、ここぞというタイミングを逃さずに行動することが大切、というBLACKさんのお話は、まさに「幸運の女神の前髪を掴む」と同じことです。
BLACKさんのブログ記事の最後の方では、運命論と努力についても触れられています。
高山さんは、ご自身の最近の考え方として、運命論のようなものを信じ始めている、とおっしゃっていました。大病を乗り越えられたのは、そう運命づけられていたからではないか、という考え方です。
ただし、高山さんのおっしゃる運命論には補足があって、良い運命に乗るには自らの努力も必要だ、という考え方だそうです。
このあたりの話は「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」の4章でも「人生のシナリオ」として書いていますが、まだきちんと自分の中で整理がしきれていない部分があります。
こうした運命論・決定論と、自由意志や努力との関係などについては、今でも日々考えています。また時期がきたら改めてまとめてみたいと思っています。
BLACKさん、これからもまたいろいろとお話しさせてください!
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【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ(幻冬舎 税込1,188円)
脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。
高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。
2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。
2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。
メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)
※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。
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※過去の記事も上記リンクからご覧いただけます。
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