MRIで死ぬかと思った話

先週行った虎の門病院でのこと。
MRI説明書


肝臓内科と消化器外科からのオーダーで、首から下のMRIを受けてきました。
僕は10年前、2010年の脳腫瘍(グリオーマ)に始まり、2013年の悪性リンパ腫や、そして今回の2020年の食道静脈瘤大腸がんと、それぞれの病気で何度もMRIを受けてきています。
ざっと計算してみても、MRIの経験は、軽く50回は超えているはずです。
一番回数が多い脳のMRIでは、あの道路工事現場のような轟音の中でも、うとうと眠ってしまうという境地にまで達することができました。解脱もそう遠くはなさそうです。
そんな10年にわたるMRI経験の中でも、全く経験したこともない危険な出来事が起きました。
先週の虎の門病院でのMRI検査。
食道から胸部、腹部にいたるまで撮影するため、検査中に検査技師さんから、息を吸ったり吐いたりの指示が出ます。
(ちなみに脳のMRI検査では呼吸の指示はありません。脳は呼吸しても膨らんだり縮んだりしないので当たり前ですが)
今回も、

「はい息を吸ってー、吐いてー、そこで止めてー、はい呼吸を楽にしてくださーい」

の声に従って吸ったり吐いたりしていたんですが、その何回目かでのこと。

「はい息を吸ってー、吐いてー、そこで止めてー」

で呼吸を止めるところまではよかったんですが、次の、

「はい呼吸を楽にしてくださーい」

までが長いこと長いこと!
いつまで経っても、いつまで待っても、その声が聞こえてこないのです。
だんだん苦しくなってきます。でも声はかかりません。
幼いころ、洗面器に顔をつけて、プールの練習をしていたときのことを思い出しました。
水の中で息を止めて何秒我慢できるか。
あれは子供ながらに辛かった。だから水泳の時間は嫌いなんだよ。
そんな嫌な思い出にも押されて、ついに我慢の限界に達してしまいました。

「ぷすっ」「ぷすっ」

おならではありませんよ。向きが逆です。
喉の気道に隙間が開いて、少しずつ肺に空気が入っていく音です。
「まずいまずい」と思うのですが、いったん穴が開いてしまうと、もう止めることはできません。
ついに気道が決壊して、息を大きく吸い込んでしまったのと、
僕の異変に気づいた技師さんの、

「すみません!息、楽にしていいですよ!」

というあわてた声が聞こえたのが、ほぼ同時だったような記憶が、
酸欠の頭の片隅にあります。
あー死ぬかと思った。
久しぶりに命の危険を感じました。

人生、どこに命の危険が潜んでいるか、分からない。

人生で大切なことを、またひとつ学びました。
・・・検査技師さん、そこ忘れちゃダメでしょ!殺す気かー!怒

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