株式会社オーシャンブリッジ ファウンダー
高山 知朗 (たかやま のりあき)
2020年11月17日
先週行った虎の門病院でのこと。
肝臓内科と消化器外科からのオーダーで、首から下のMRIを受けてきました。
僕は10年前、2010年の脳腫瘍(グリオーマ)に始まり、2013年の悪性リンパ腫や、そして今回の2020年の食道静脈瘤や大腸がんと、それぞれの病気で何度もMRIを受けてきています。
ざっと計算してみても、MRIの経験は、軽く50回は超えているはずです。
一番回数が多い脳のMRIでは、あの道路工事現場のような轟音の中でも、うとうと眠ってしまうという境地にまで達することができました。解脱もそう遠くはなさそうです。
そんな10年にわたるMRI経験の中でも、全く経験したこともない危険な出来事が起きました。
先週の虎の門病院でのMRI検査。
食道から胸部、腹部にいたるまで撮影するため、検査中に検査技師さんから、息を吸ったり吐いたりの指示が出ます。
(ちなみに脳のMRI検査では呼吸の指示はありません。脳は呼吸しても膨らんだり縮んだりしないので当たり前ですが)
今回も、
「はい息を吸ってー、吐いてー、そこで止めてー、はい呼吸を楽にしてくださーい」
の声に従って吸ったり吐いたりしていたんですが、その何回目かでのこと。
「はい息を吸ってー、吐いてー、そこで止めてー」
で呼吸を止めるところまではよかったんですが、次の、
「はい呼吸を楽にしてくださーい」
までが長いこと長いこと!
いつまで経っても、いつまで待っても、その声が聞こえてこないのです。
だんだん苦しくなってきます。でも声はかかりません。
幼いころ、洗面器に顔をつけて、プールの練習をしていたときのことを思い出しました。
水の中で息を止めて何秒我慢できるか。
あれは子供ながらに辛かった。だから水泳の時間は嫌いなんだよ。
そんな嫌な思い出にも押されて、ついに我慢の限界に達してしまいました。
「ぷすっ」「ぷすっ」
おならではありませんよ。向きが逆です。
喉の気道に隙間が開いて、少しずつ肺に空気が入っていく音です。
「まずいまずい」と思うのですが、いったん穴が開いてしまうと、もう止めることはできません。
ついに気道が決壊して、息を大きく吸い込んでしまったのと、
僕の異変に気づいた技師さんの、
「すみません!息、楽にしていいですよ!」
というあわてた声が聞こえたのが、ほぼ同時だったような記憶が、
酸欠の頭の片隅にあります。
あー死ぬかと思った。
久しぶりに命の危険を感じました。
人生、どこに命の危険が潜んでいるか、分からない。
人生で大切なことを、またひとつ学びました。
・・・検査技師さん、そこ忘れちゃダメでしょ!殺す気かー!怒
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【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ(幻冬舎 税込1,188円)
脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。
高山知朗(のりあき):
1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。
2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。
2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。
2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。
2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。
2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。
現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。
メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)
※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。
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