血液内科での血液がん治療における注射とその失敗の多さ/腕が一本足りない:白血病・悪性リンパ腫闘病記(84)

前回の闘病記からの続きです。
娘と家内のお見舞い。もう自分でベビーカーに乗れるよ!


■2013年10月12日(土)。入院153日目。抗がん剤治療開始から145日目。
この日は家内の誕生日でしたが、白血球の数が回復しなかったため、残念ながらこの週末は外泊できませんでした。
入院中は毎朝、体重測定がありあましたが、この日の朝の体重は49.60キロでした。今改めて見ると「少ないなあ」と思うと同時に、今日現在(2015/05/15)でも53.6キロですので、「あまり変わらないと言えば変わらないなあ」とも感じます。入院中は一時は44キロにまで減りましたので、その頃よりは5キロほど回復していたことになります。
この日の朝は、家内が娘からのプレゼントと言って持って来てくれた、綱島のパティスリーヴェルプレさんの焼きドーナツを食べました。娘は、僕が好きなチョコ味を選んでくれました。
入院中に娘がプレゼントしてくれたヴェルプレさんの焼きドーナツ
この頃は抗がん剤の副作用で口の中が痛く、ものを食べるのにも苦労していたんですが、この日にはかなりよくなっていて、娘がくれたドーナツは牛乳で流し込みながらおいしくいただきました。
昼間、前日わざわざお見舞いに来てくれたイギリスの大学教授のお二人に、みんなでロビーで撮った記念写真をメールで送りました。
ただこの頃は、抗がん剤(オンコビン)の副作用で手の指先や足の裏のしびれが強く、特に手の指先についてはものを触ってもほとんど感覚がなかったため、メールの入力には非常に苦労しました。ちなみにこの手の指先のしびれは、その後退院後まもなく回復しました。ただ、足裏のしびれは、今でも残っています。
またこの頃はやはり抗がん剤の副作用で便秘や下痢を繰り返していたんですが、なぜかこの日は夜中にお腹が空いて、社会人2年目の頃に赴任していたアムステルダムの中華料理屋でよく食べたチャーハンを思い出し、無性に食べたくなりました。お店に頼むと載せてくれる「ピリ辛」(豆板醤?)とチャーハンの組み合わせが、無性に恋しくなりました。
■2013年10月13日(日)。入院153日目。抗がん剤治療開始から145日目。
この日は家内と娘がお見舞いに来てくれました。娘は帰り際に、自分でベビーカーに乗って、ベルトをはめるところを見せてくれました(冒頭写真)。子どもは子どもでいろいろとがんばっているんだなあと思いました。
■2013年10月14日(月)。入院154日目。抗がん剤治療開始から146日目。
この日の朝は、熱が上がってしまい、感染症を詳しく調べる血液培養検査のための左右両腕からの2回の採血がありました。
左腕は看護師のWさんにより一発で採血できたのですが、右腕は苦労しました。注射しても針が血管を捉えられません。まずWさんが失敗、2番手のIさんも失敗、そしてベテラン男性看護師のTさんが登場したものの、あえなく失敗。しかしTさんが2度目のチャレンジでようやく成功させてくれました。
さらに、点滴のラインを取るための注射もありました。こちらは看護師のKさんが左腕で失敗し、そのまま右腕でチャレンジして、ようやく成功。
結局、この朝だけで、両腕に合計6〜7回ほど注射針を刺されたことになります。
でも、この頃にはすでに注射とそのやり直しにも慣れてしまっていました。
入院中は少なくとも2日に1回は採血の注射がありますし、それ以外にも、抗がん剤や抗生剤、輸血などの点滴や、薬(白血球を増やすG-CSFのノイトロジン/ただしこれは皮下注射)などの注射もあります。血液のがんを薬で内科的に治すためです。
血液内科での血液腫瘍の治療では、治療自体(抗がん剤点滴、分子標的薬点滴)も、病状や治療の効果、副作用の強さなどの診断も、そして副作用への対策も、その多くは注射(点滴や採血含め)によるものとなります。
そして注射をするたび、どんどん血管は固くなっていき、次回以降に注射に失敗してやり直す確率が上がっていきます。確かに注射自体はそれなりに痛いです。でも、もう5ヶ月も入院していて、注射にもそのやり直しにも慣れてしまっていました。
だから逆に、僕の両手に注射針を何度も刺し直して恐縮する看護師さんに申し訳ないと思い、よく冗談で、

そろそろ僕も腕がもう一本必要ですね

と言って笑いました。
この注射の多さは、外科との大きな違いの一つです。少なくとも脳神経外科での2ヶ月の入院では、手術時を除き、注射は数えるほどしかしなかったように記憶しています。
さらにこの日は、朝の採血の血液検査の結果、赤血球とヘモグロビンが少なかったため、夕方、輸血の点滴をしました。でも、朝採った点滴のラインを使ったため、再度の注射はありませんでした。
今考えると、自分が注射の痛みに慣れてしまったのは、この頃すでに発症から2ヶ月以上経っていた帯状疱疹後神経痛との比較もあるのかもしれません。
注射の痛みは、あくまで一時的な痛みで、針を抜けばすぐに消えます。でも帯状疱疹後神経痛は、注射以上の激しい痛みが、波状的に一日に何度も何度も襲ってきて、それが何ヶ月も何年も続きます。
それと比べれば注射の痛みなど本当に取るに足りません。僕はもともと、東京女子医科大学病院での入院時も、虎の門病院での入院時も、看護師さんや先生から「高山さんは痛みに強いですね」「我慢強いですね」とよく言われていました。そして帯状疱疹後神経痛により、それ以外の痛みに対しての許容度(閾値)がさらに上がったように思います。それがいいことかどうかは分かりませんが。
そして帯状疱疹後神経痛や足のしびれ、痛みなどのがん治療の後遺症を、現在、鍼灸治療などの東洋医学で治そうと試しています。こうした後遺症に対しては、西洋医学では有効な治療法が全くありません。「全く」です。
しかし東洋医学にはそれらを改善できる可能性があり、すでに明確な効果を実感し始めています。この「東洋医学によるがん治療の後遺症や苦痛の改善」に関しては、改めてこのブログでもご報告したいと思っています。

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「血液内科での血液がん治療における注射とその失敗の多さ/腕が一本足りない:白血病・悪性リンパ腫闘病記(84)」への2件のフィードバック

  1. 鍼灸治療や東洋医学による、「癌治療の後遺症や苦痛の改善」について
    詳しく知りたいです。楽しみにしています。

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