バルセロナのメッシから直筆サイン入りユニフォームが(脳腫瘍 経緯15)

2011年7月4日に脳腫瘍(グリオーマ グレード3)摘出手術が終わり、縫合部の抜糸(抜鈎)が終わって2日後の7/13には、遠くスペインはバルセロナから友人がお見舞いに来てくれました。

Zyncro Tech社のファウンダー兼会長のDidac Lee(ディダック・リー)と、同社CEOのLuis Font(ルイス・フォント)です。

僕の会社、オーシャンブリッジは、Zyncro Tech社と2011年5月に業務提携し、ソーシャルコラボレーションツール「Zyncro」の日本市場におけるサービス開始を発表していました。


そして発表の翌月である6月上旬にはバルセロナに出張し、今後の日本市場での展開について彼らと打ち合わせをしています。

そしてその出張の帰路に僕はチューリッヒの空港で倒れ、脳腫瘍(神経膠腫・グリオーマ)が見つかることとなります。

DidacとLuisは、7月14日にオーシャンブリッジ主催で開催するエンタープライズ・ソーシャル・コラボレーション・セミナーのために来日していました。その忙しい来日スケジュールの合間を縫って、オーシャンブリッジメンバーと一緒に病院まで来てくれました。

二人とも、脳腫瘍の摘出手術からまだ10日も経っていない僕が、一人で歩いて待合ロビーまで出てきて、普通に英語で会話ができているため、驚くと同時に安心していたようです。

二人には、手術が成功したこと、でも後遺症として視覚障害が残ってしまっていること、その回復のために自分で独自のリハビリを始めたことなどを話しました。

するとLuisは、「脳は損傷を受けても、神経細胞が新たにシナプス結合をすることで新しい神経回路が作られて、もとの機能を回復することができるんだ(つまり脳の可塑性)。ノリの視覚障害もきっと回復するはずだから、あきらめずにがんばれ」と励ましてくれました。

彼は昔、医学を志したことがあり、そのために脳の可塑性に関する知識を持っていたようです。その経験・知識に基づく励ましの言葉にには、非常に勇気づけられました。

これを聞いて僕は「そうだよね。だから僕は最近、リハビリのために、iPadでサッカーゲームをやってるんだ。サッカーゲームは画面全体を見渡す必要があって、視野を広げる訓練になりそうだからね」と言ったら、Luisはうちの奥さんに向かって「じゃあノリがゲームに夢中になっていても止めちゃダメだよ。遊びじゃなくてトレーニングだからね」と笑って言っていました。

そんな話をしていると、Didacが袋を出してきました。「ノリ、おみやげを持ってきたぞ」という感じで。

「なんだろう?」と袋を開けてみてビックリ。

なんと、メッシ選手の直筆サイン入りユニフォームでした。

何度もバロンドール(世界最優秀選手)に選ばれた、あのFCバルセロナのリオネル・メッシ選手が、僕のためにサインとメッセージを書いてくれたユニフォームです。

メッシの直筆サイン入りユニフォーム
(ユニフォームに黒いペンで書かれたメッシのサインとメッセージ)

バルセロナから来日中のZyncroの @DidacLee と @lluisfont がお見舞いに来てくれた。しかもメッシのサイン入りユニフォームを持って。"To my friend, Nori"。本当に感激しました。涙が出ます。
(↑写真をクリックしてサインをFlickr上で拡大)

メッシ選手は、自分の背番号であるエースナンバー10のユニフォームに、英語とカタルーニャ語を交えて以下のようなメッセージを書いてくれていました。

To My Friend Nori
de vos amigo (from your friend)
Leo Messi

世界最高の選手が、僕のためにサインをしてくれたのです。ついさっきまで、iPadのサッカーゲームの中で見て操作していた選手です。ずっとテレビで見ていた選手です。

これには本当に驚きました。喜びを完全に通り越して本当にビックリしました。

ZyncroのDidacは、スペインで有名なシリアルアントレプレナー(連続起業家)であると同時に、メッシの所属するFCバルセロナの役員も務めていました。

そのため、2011年6月に出張でZyncroに行った時には、FCバルセロナの本拠地であるカンプ・ノウ(スタジアム)も彼の案内で見学させてもらいました。

僕は中田英寿選手がイタリア・セリエAのローマでプレイしていた頃からヨーロッパサッカーが好きになり、彼のチームの試合はスカパーで必ずチェックしていました。

その後中村俊輔選手がスコットランドからスペインのエスパニョールに移籍すると、その流れでリーガエスパニョーラを見るようになり、中でも見ていて美しいパスサッカーを展開するFCバルセロナ、そしてリオネル・メッシ選手が好きになりました。2011年5月のUEFAチャンピオンズリーグ決勝の試合(マンチェスター・ユナイテッド戦)も、もちろんテレビでチェックしていました。

iPhoneやiPad、Wii等でサッカーゲーム(ウイニングイレブンシリーズ、FIFAシリーズ等)をするときは、必ず自チームとしてFCバルセロナを選んでプレイしていました。

2011年6月のバルセロナ出張時に、僕はDidacに、そんな話をたくさんしていました。

それを聞いていたため彼は、日本出張に合わせて、入院中の僕のためにわざわざメッシからサインをもらってきてくれたのです。

入院した僕が何を喜ぶかを考えてくれたDidacの心遣いは、本当にうれしかったです。

そして、メッシが書いてくれたメッセージの内容にも心を打たれました。

メッシはメッセージの冒頭に、「To My Friend Nori」、と僕の名前を入れてくれています。そして、締めくくりは「from your friend Leo Messi」となっています。

Didacに頼まれたとは言え、忙しい現役選手、しかもあのメッシですから、さっとサインするだけで済ますこともできたはずです。

でもメッシは、わざわざ僕の名前を記し、さらには僕たちは友達だと書いてくれたのです。それがファンにとってどれだけうれしいことか。

初めてこのメッセージを見たときは思わず涙ぐんでしまいました。

このメッセージに、僕はメッシの優しさを感じずにはいられません。

 

僕はこのメッシの直筆サイン入りユニフォームを、脳腫瘍での入院中、ずっとベッドの上に吊るして眺めていました。
メッシの直筆サイン入りユニフォームと、娘からのプレゼント。入院中の僕にとってのツートップでした。

ユニフォームの首のところに付いている飾りは、七夕のときに娘が保育園で作って病院に持ってきてくれた、僕へのプレゼントです。

入院中は、メッシと娘が、僕を支えるツートップとなりました。
・・・あ、今季(執筆時)のバルサのフォーメーションはスリートップでした。メッシと娘に奥さんを加えて、スリートップとします(笑)

今でも折りに触れて、クローゼットにカバーをかけて吊るしてあるこのユニフォームを眺めます。

その度に、絶望と希望を味わったあの脳腫瘍治療の記憶とともに、メッシの優しさを思い出すのです。

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「バルセロナのメッシから直筆サイン入りユニフォームが(脳腫瘍 経緯15)」への1件のフィードバック

  1. はじめまして。
    現在、日本でFCバルセロナのサポーターズ・クラブを創っている小池正通と申します。Didac Lee氏にサポートしてもらっています。
    術後のお具合はいかがですか?
    サッカーがお好きなようですね。
    いつか、Lee氏を一緒にバルサを応援できるといいですね。

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