2012年01月21日

日経新聞に東京女子医大 村垣善浩教授の脳腫瘍手術に関する取り組みが掲載(僕の主治医)

一昨日(2012年1月19日木曜日)の日本経済新聞の夕刊に、「日経実力病院調査/難敵 脳腫瘍に総力戦」という記事が掲載されていました。
「難敵 脳腫瘍に総力戦」日本経済新聞 2012年1月19日(木)夕刊9面

この記事では、最新技術を駆使した脳腫瘍の新しい治療法が紹介されるとともに、「脳腫瘍治療の実力病院」として、脳腫瘍の治療患者数等の調査データをまとめた病院の一覧表も掲載されています。

この記事の冒頭で、僕の主治医である東京女子医大病院 脳神経外科 村垣善浩教授のコメントとともに、先生のチーム(脳神経外科 神経膠腫チーム)の最新治療が紹介されています。

「5年生存率を高めるには、腫瘍をより多く摘出する必要がある一方、正常な組織や神経を傷つけると術後に言語や運動機能の障害が残る」と村垣先生。それを解決するために先生のチームでは新しい設備や治療法の開発に取り組んでいます。

手術中にMRI検査を行うことで腫瘍の取り残しを最小限に抑える「術中MRI」や、手術中にいま腫瘍のどの部分を切っているかをMRI画像と合わせてモニター上で確認できる「ニューロナビゲーションシステム」(以上は昨年の僕の手術でも使われています)、また手術中に患者を麻酔から覚まして話しかけながら言語野を傷つけないように腫瘍を摘出する「覚醒下手術」がこの記事では紹介されています。

そしてこれらの取り組みにより、「腫瘍の摘出率は体積平均で約9割と全国平均(約7割)を大きく上回る」と記事にもあるように、治療成績が大幅に向上しています。

また記事にはありませんでしたが、このブログに何度か書いているように、僕の病気である悪性の神経膠腫/グリオーマの5年生存率は、全国平均ではグレード3が25%、グレード4が7%なのに対して、女子医大ではグレード3が78%、グレード4が13%と2〜3倍以上もの大きな違いがあります。神経膠腫/グリオーマの患者にとって、この5年生存率の違いは、本当に、本当に大きなものです(僕はグレード3です)。

このように女子医大の脳神経外科は、最新技術を活用した治療成績向上のための取り組みに非常に積極的です。村垣先生は女子医大の脳神経外科のホームページでこう書いています。

従来の手術は外科医の経験と技術によって判断施行されております。我々は手術の成功確率を上げるために、客観的で再現性のある情報に基づいた手術−情報誘導手術−を提唱してきました。

つまり、これまで経験や腕や勘が幅を効かせてきた脳神経外科の世界(名医として有名な某脳外科医を評する「神の手」という表現がいい例ですね)において、最新のテクノロジーやリアルタイムのデータを活用することで、客観性・再現性ある手術を実現し、治療成績を劇的に改善しようという取り組みです。

でもこれは医学界に風穴を開けようとする取り組みでもあるのかもしれません。長年の経験と腕と勘により現在の地位を得た学会の偉い教授陣にとっては、自らの存在価値の否定にもつながりかねないわけですから。見えないところでは相当の反発があるのではないかと勘ぐってしまいます。

実際にそういう反発があるのかどうか僕には分かりませんが、でもデータ上も大幅な治療成績の向上につながっている術中MRIなどの設備が、思いのほか他の病院には普及していないという現状を見ると、そう考えずにはいられません。

でも手術を受ける患者にとっては、エライ人のエゴよりも、最善の治療を受けることの方が大切ですからね。勘に頼って手術して、その時は全部取れたと思ったけど、終わってから検査したら腫瘍の取り残しがありました、ではなく、最新テクノロジーを活用して取り残しをなくして欲しいですから。

だからこそ、最新技術により脳腫瘍の治療成績を高め、一人でも多くの患者の命を助けようと日々奮闘されている村垣善浩先生・丸山隆志先生(このお二人が僕の主治医です)のチームの取り組みが、こうしてメディアを通じて多くの人に知られるのは、先生方に命を助けてもらった一患者として本当にうれしいです。先日の日経コンピュータの記事もそうですね。

僕自身も微力ながらこのブログを通じて、女子医大の取り組みを少しでも世の中に広め、より多くの脳腫瘍患者さんに女子医大を知っていただくお手伝いができればと思っています。それが村垣先生・丸山先生をはじめ、お世話になった方々への恩返しになるのではと思っています。


実際、このブログがきっかけとなって、女子医大を受診したり、他の病院から女子医大に転院したりする脳腫瘍患者さんも出てきています。一人でも多くの患者さんが、最善の治療を受け、再び将来に明るい希望を持てるようになるといいなと思っています。

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投稿者 児玉和雄 : 2013年5月14日 13:41

ブログ拝見しました。今日の朝日新聞で”キネクト”といった技術が掲載されていたのですがソフト開発の責任者で有っただけでなく村垣教授は執刀医でも有ったのですね。
私もわけあって女子医を掛り付け医にしております。また信州で若き日の4年間を過ごしました。貴方のこの様な情報に接する事が出来て・・

お身体お大事にご活躍下さい。

元IT隠居

高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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