インフルエンザとの戦いで減った白血球・好中球をノイトロジン注射で増やす作戦

一昨日、虎の門病院に定期診察に行ってきました。白血病・悪性リンパ腫の定期診察です。前回の診察からは2ヶ月ぶりでした。
首相官邸
(この日の首相官邸)


実は先週、インフルエンザで寝込んでいました。娘が小学校からもらって来たウイルスを僕ももらってしまい、一週間寝込んでいました。
僕は今年もインフルエンザの予防接種を受けておらず、抗がん剤の副作用の骨髄抑制が続いていて免疫力も低いため、ウイルスに抗えなかったようです。。。
今回の診察では、そのインフルエンザの報告に加え、先月の女子医大での脳腫瘍の定期診察の際に指摘された白血球の減少が改善しているかどうかが気になっていました。
病院に着いて、いつものように採血の受付に。そこでいつも窓口にいる女性に「この字で『のりあき』って読めた方いますか?」と話しかけられたので、ついでに「実は昨年本を書いたんですよ」とアピールしたところ、「検索してみます!」とのこと。営業成功です(笑)
さて採血は31分待ちだったので、一旦病院を出て隣のJTビルのタリーズに退避。
虎の門病院隣のタリーズにて
その後無事に採血が終わって今度はGY先生の診察室前へ。診察券を投入してから今度はスタバに退避。
虎の門病院裏のスタバにて
血液検査の結果が出る1時間後をめどに診察室前に戻ったのですが、この日は診察が立て込んでいたためか、診察室前でまたしばらく待つことになりました。
さてGY先生の診察です。インフルエンザの報告をした後、血液検査の結果の説明です。
白血球の数は3200(前回2500、先月の女子医大では1840)に増えていたのですが、白血球中の好中球の割合が大きく下がっていました。結果として好中球の数が大きく減っています。
好中球は、体外から侵入してきたウイルスや細菌から体を守る免疫機能を担っている、白血球の成分の中で一番多い(はずの)細胞です。その割合がなんと16.8%に下がっていました。基準値が 45.6〜73.2%ですからかなり低いです。ここ最近の好中球数の推移は以下の様になります。
●好中球数の推移(白血球数x好中球割合%=好中球数)
・前々回(11/15):2600×33.3%=865.8
・前回(12/13):2500×24.0%=600.0
・今回(2/7):3200×16.8%=537.6
好中球の数が500ちょっとというのはかなり少ない数値で、免疫力が下がっていて、感染症のリスクが非常に高くなります。
GY先生によると、今回の好中球の減少は、インフルエンザの影響が大きいでしょうとのことでした。インフルエンザのウイルスをやっつけるために好中球が大量に消費されたということのようです。
そのため今回は、久しぶりにノイトロジンの皮下注射を、内科処置室で打ってもらうことにしました。7ヶ月間の入院中に何度もなんども使った薬です。著書「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」にも書きました(P.81)
ノイトロジンは、いわゆるG-CSFといわれる薬で、強制的に好中球を増やす効果があります。今回、このノイトロジンの注射で、インフルエンザウイルスを駆逐するために消費された好中球をとりあえず強制的に増やします。その後は骨髄機能が回復してくることで自然に増えてくるのを期待するという作戦です。
GY先生によると、今回の好中球減少は、入院中の化学療法のときのように、抗がん剤の副作用の骨髄抑制(骨髄の造血機能の障害)により起きているわけではなく、インフルエンザウイルスとの戦いで好中球が消費されて減っているだけなので、いずれ自然に増えてくるでしょう、とのことでした。つまり、好中球を作る力自体がダメージを受けているわけではなく、作られた好中球が思った以上に消費されてしまったために一時的に減った、ということですね。
このノイトロジンの効果を白血球数、好中球数の推移で診るために、次回の診察は早めに二週間後としました。この日の血液検査では、白血球、好中球以外にも、赤血球(3.25)やヘモグロビン(10.9)も減少しており、立ちくらみなどの貧血の症状もあります。炎症反応を示すCRPの数値もまだ0.6と高いままです。そのあたりも二週間後の診察で確認したいと思います。やはりインフルエンザも含めてまだまだ体調に問題が出たりしますので、このように定期的に主治医の先生に診ていただけるのは本当に安心できます。
診察の最後に僕からGY先生に一つ質問をしました。何度かこのブログに書いているように、骨髄抑制で白血球・好中球が少なく、免疫力が低いときには、インフルエンザの予防接種を受けても抗体が作られないため、予防効果が期待できないとのことでした。しかし実際にインフルエンザにかかってしまった後には、抗体ができるのか?という質問です。つまり、この冬にまた感染してしまう可能性はあるのか?ということです。
GY先生の回答としては、恐らく免疫はできているから同じインフルエンザA型のウイルスに感染することはないのでは、とのことでした。予防接種と実際に罹患したのとではウイルスの影響の強さが違うので、実際に罹患して高熱を出して駆逐した後では、抗体ができているでしょうということでした。少し安心しました。
診察後、内科処置室にノイトロジンの皮下注射を打ってもらいに行きました。担当してくれた看護師さんに、「注射、痛くないですね。上手ですね。入院中には新人看護師さんの練習台になったんですけど、慣れてない新人さんは痛いんですよね」というようなお話をしました。
そして「その入院中の話を本に書いたんですよ」と言ったら「もしかして13階(無菌病棟)に入院されていましたか?その本のこと、聞いたことがあります!」とのこと。
少し驚きました。「本のこと、調べてみますね!」と言っていただいて、処置室を後にしました。再び営業成功です(笑)。
ということで、いろいろあった通院日でした。
でも、インフルエンザで39度超の熱を出して一週間寝込んだ直後の通院だったため、さすがに疲れました・・・。体力の低下を実感し、帰ってきたらぐったりしてしまいました・・・。
二週間後の診察では、白血球も、好中球も、赤血球も回復していればと思います。

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