左足の小指の爪を切り忘れた話(視覚障害)

先日、左足の小指の爪を切り忘れました。
その理由を考察してみました。
7年前、脳腫瘍の手術を受けた後、このブログに下記の記事を書きました。
▼脳腫瘍摘出手術後の視覚障害の実際(視野障害・半側空間無視)
この記事にあるように、僕は手術の後遺症で視野の左下4分の1が見えません(同名四分盲)。
視覚障害の実際


この縦横に四分割された画像全体を視野とすると、左下4分の1の赤い部分が見えません。
具体的な例で説明します。
左の手のひらを何気なく見ると、親指が見えません。
手のひら。親指が見えない(左下4分の1の視野欠損)
このピンク色の部分が見えません。見えないと言うのは、真っ黒に見えているわけでも、もちろんピンクに見えているわけでもなく、単に見えません。普通の人でも、頭の後ろが見えないのと同じです。単に、見えません。視野の外にあるのです。なかなかイメージしにくいかとは思うのですが・・・。
別の例を挙げます。
縦書きの本を読んでいるときに、ページの最後の行を見落としてしまいます。
本を読んでいると最後の行を見逃してしまう
この画像のように、最後から2行目(赤)を読み終わったときに、最後の行(緑)が見えていないため、もうそのページを読み終わったと勘違いします。そしてページをめくると、「あれ?文章のつながりがおかしい?」と気づきます。それで前のページに戻ると、最後の行を読まずに飛ばしていることが分かります。
これは上記の手のひらの例と少し違って、視野全体を漠然と見る(周辺視野)のではなく、何かを注視している(中心視野)ときに、その対象物の左側(左下でなく)が見えなくなってしまうという症状です。
今は最後の一行を飛ばしてしまう程度なのですが、術後しばらくは、複数の行を飛ばしてしまっていました。この改善は、見えない範囲が狭まった(見える範囲が広がった)という要因もありますが、ページの終わりに近づいたときに、自然と(無意識的あるいは意識的に)視点を動かして、まだ行が残っていないか確認している(代償行動)という要因もあるように思います。
また、別の見方として、見えていないのではなく、視覚的には見えてはいるけれども、注意(意識)が向かない、その結果、認識できない、ということもあるかもしれません。ただ結果として、「見えていない」ということに変わりはありません。
その他、視覚障害、視野欠損で困ることとしては、人混みで人にぶつかるなど、いろいろとあるのですが、詳しくは上記の記事、また僕の著書「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をご覧ください。
前置きが長くなりましたが、話を戻して、爪切りの件。
先日、足の指の爪を切りました。数日後、違和感を感じて足の指を見てみたら、左足の小指の爪だけを切り忘れていました。
左足の薬指の爪を切っている(薬指を注視している)ときに、小指が見えておらず、もうこれで全ての指を切り終わったと勘違いして、爪切りを終えてしまったということです。
右足は、親指(左端)から切り始めて右方向に小指まで切っていくので、視野の問題はなく、切り残しはありませんでした。でも左足は、右側にある親指から切り始めて、見えない左方向に切っていきます。そのため、薬指の爪を切っているときに、左端の最後の小指が見えずに、爪切りをやめてしまいました。
こんなことは、7年前の脳腫瘍摘出手術以来、初めてのことです。
ということは、ここ最近になって視覚障害、視野欠損の症状が進んだのか・・・というと、そんな感じもしません。爪切り以外にはおかしなことは起きていないので。
そのため、単に歳をとって注意力が散漫になっているだけだろう、と解釈することにしました。手術のせいにせず、加齢によるものだという現実を、素直に受け入れる勇気が必要ですね(笑)。

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