2019年05月24日

読売新聞ヨミドクターの白血病闘病記は造血幹細胞移植患者の指針/書き手と読み手の気持ち

一つ前の記事で、「虎の門13会」のことを書きました。

虎の門病院 Toranomon hospital

13会ではいろいろな人との出会いがありましたが、中でも、特に驚いたのが、読売新聞の池辺英俊さんとの出会いでした。

読売新聞ヨミドクター白血病闘病記の池辺さん

池辺さんは僕の3回目のがんと同じ急性骨髄性白血病を患い、僕と同じ虎の門病院(池辺さんは分院)でさい帯血移植を受けました。

そしてその経験を、読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」で闘病記として書かれていました。

▼白血病と闘う〜政治部デスクの移植体験記 : 闘病記 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

(1)「生存率」の衝撃 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

移植の恐怖との闘い

僕は2回目のがんである2013年の悪性リンパ腫(急性リンパ性白血病)のとき、造血幹細胞移植を受けるべきかどうか悩み、海外の論文を読み漁り、先生たちとも何度も話し合いました。

▼治療方針に関して主治医と繰り返した議論の中身: Hyper-CVAD/MA+リツキサン療法と造血幹細胞移植|オーシャンブリッジ高山のブログ

その結果、移植はせず、化学療法のみで治す道を選びました。それは、化学療法だけでも高い生存率を示すアメリカの論文を信じたためでもありますが、同時に、移植関連死のリスクや移植治療の苦痛を恐れたからでもあります。とにかく辛く苦しい移植は避けたかった、というのが本心でした。

でも結局、2017年に3回目のがんで急性骨髄性白血病になってしまい、「今回は造血幹細胞移植しか治す道はありません」と医師に言われて、選択の余地なくさい帯血移植治療に入っていってしまいました。

そうした経緯から、移植に対しては大きな恐怖を感じていました。実際、移植前の説明では、副作用や合併症、GVHDなど、化学療法のときとは比べものにならない、あまりにも多くの苦痛やリスクを説明され、精神的に圧倒されてしまいました。

自分を落ち着かせるために、下記の図を書いて、「そうした苦痛は一度に押し寄せてくるわけではないんだ。一つ一つ対処していけばいいんだ」と不安を和らげようとしました。

移植治療の苦痛

▼自分がさい帯血移植の何に怯えているのかをスライドで整理してみた|オーシャンブリッジ高山のブログ

入院中、何度も読み返した池辺さんの闘病記

このような状態だったので、実際に移植を受けた池辺さんの闘病記は非常に参考になりました。入院中、何度も読み返しました。

治療がどのように進んでいくのか。
移植の何日後にどんな副作用や合併症が起きるのか。
そして、どんな苦痛が待っているのか。

自分の状況に照らして、いつも参考にさせていただいていました。

さすが新聞記者さん自らの闘病記だけあって、客観的に書かれた治療に関する情報は信頼できます。

でもそうした客観的な事実だけではなく、患者としての率直な心情も書かれていました。そんな池辺さんの等身大の闘病記は、移植治療中には本当に参考になったのです。

池辺さんとの対面

そして先日の13会。初対面の方に声をかけられました。いただいた名刺には、「読売新聞 ヨミドクター」とあります。

僕はまさか闘病記を書いた方とは気づかず、「ヨミドクターといえば、白血病闘病記は何度も読みました」とお伝えしたところ、「それはきっと僕ですね」とのお答え。

「えっ?!」

大変驚きました。

今になって考えてみると、闘病記に書いてあった通り、池辺さんも虎の門病院(分院)で移植を受けた白血病患者さんです。確かに13会に参加されていてもおかしくありません。しかしそのときは全く予想していませんでした。

驚いた僕は、とにかく入院中に池辺さんの闘病記に助けられたことをお伝えし、感謝の気持ちをお伝えしました。

池辺さんは、しばらく前に僕の本を読んでくださっていました。それにも驚きました。「高山さんの本には感銘を受けました」とまで言ってくださいました。

13会で、こんなすばらしい出会いがあると思っていませんでした。

闘病記の書き手から読み手へ

久しぶりに、ブログの書き手ではなく、読み手としての気持ちを実感しました。

そして、僕のブログや本の読者さんも、このときの僕と同じような気持ちになるのかな、と思いました。

そうなのであれば、さらに多くの患者さんに同じ気持ちを持っていただけるよう、このブログや本での情報発信を通じて、もっと世の中の役に立っていこう、と気持ちを新たにしました。

池辺さん、改めまして、本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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