株式会社オーシャンブリッジ ファウンダー
高山 知朗 (たかやま のりあき)
2019年12月04日
先週、虎の門病院に行ってきました。
いつもの急性骨髄性白血病の定期検査と診察です。前回は2週間前でした。
今回の診察のメインのトピックは、
「麻薬をやめられたかどうか?」
です。2度目のがん、悪性リンパ腫・急性リンパ性白血病の化学療法中に発症した帯状疱疹後神経痛の痛みを抑えるために飲み続けてきた医療用麻薬をやめられたかどうか、です。
前回の診察については以下のような記事を書きました。
▼医療用麻薬をやめるチャレンジを開始(帯状疱疹後神経痛・オキシコドンとオキノーム)|オーシャンブリッジ高山のブログ
その前回の診察では、以下のような話をしていました。
具体的には、この日をもって、6年間毎日飲み続けてきた麻薬、オキシコドンとオキノーム(共にオキシコドンが成分)をやめます。 そして、トラマールという薬を始めます。
それまで毎日飲んでいた医療用麻薬のオキシコドン 、オキノーム(ともに強オピオイド)をやめ、鎮痛薬のトラマール(弱オピオイド、麻薬指定なし)に切り替えることになったのです。
そして、
これで1週間がんばります。麻薬断ちです。 なんとかまずは1週間乗り切って、その1週間後にまた診察です。
と書きました。この2週間「麻薬断ち」にトライした結果を見るための診察が、この日の診察でした。
しかし、この「麻薬断ち」において、気になることが一点ありました。
前回の診察では、以下のような話をしていました。
湯淺先生の話によると、麻薬からの切り替えは、落ち着くまでに3〜6ヶ月かかるとのこと。
そしてその結果、オキシコドンをやめることができた患者さんが「散見される」とのこと。やめられなかった患者さんのほうが多そうですが・・・。
このような話でしたので、本当に切り替えられるんだろうか・・・と一抹の不安を抱えながらのスタートでした
しかし!
予想に反して、完全に切り替えることができました!
前回の診察以降、医療用麻薬は一切飲んでいません!
医療用麻薬の代わりに、朝食後、昼食後、夕食後、そして就寝時の4回、トラマール(25mg)を定時で1錠ずつ飲み、それ以外に痛みが強いときの頓服用に一日4錠まで、という飲み方です。これがこの薬の1日の上限です。
でも、頓服ではあまり飲まずに、定時の4回でほぼ大丈夫で、痛みをコントロールできています。ただ、体調が悪いときは、痛みも強くなるので、そうしたときだけ、頓服で1錠飲んでいます。
ということで、この日、診察室に入ってすぐに、湯淺先生に、
「麻薬、やめられました!」
と報告したら、
「ホントですか!?」
と本気で驚いていました(笑)
やはり先生も、「すんなりとはいかない、何ヶ月もかかる」と思っていたんでしょうね。
ただ一点だけ、問題があります。
ほぼ毎日、朝方(3〜5時頃)に痛みで目が覚めてしまうのです。そうすると、頓服で1錠飲んで、痛みが落ち着いたらまた眠れる、という感じです。
この点は湯淺先生に相談し、試しに、就寝前に1錠飲んでいるのを、2錠、場合によっては4錠まで、増やしてみることにしました。
この薬は半減期が6時間ほどなので、朝方、効果が薄れて、目が覚めてしまうことは理解できます。23時頃に飲んで、6時間後の5時頃に目が覚めているので。
就寝時に飲む量を増やしても、実際はその量全てが6時間後に半減してしまうので、半減するまでの間の鎮痛効果を高めることにはなっても、半減期を延ばすことにはならないと考えられるのですが、とりあえず試すだけ試してみよう、という感じです。
今はこの試行錯誤中です。ここ数日は、就寝時に2錠飲んでいるんですが、今朝も5時頃に目が覚めてしまいました。。。今晩から、3錠に増やしてみようと思います。
帯状疱疹後神経痛のコントロールのためには、現在、このトラマールに加えて、リリカを飲んでいます。75mgを、朝2カプセル、夜4カプセルです。
リリカももう6年飲み続けているのですが、効いている実感があまりないので、この機会にやめられるかと思ったのですが、湯淺先生によると、これはまだ飲み続けておいた方がいいとのこと。
ということで、当面はトラマールとリリカで帯状疱疹後神経痛の激痛をコントロールしていきます。
いずれにせよ、医療用麻薬をやめられたことで、今後は毎月通っていた定期診察を2〜3ヶ月おきに変えられそうです。
また、海外に行く際の厚生労働省麻薬取締部への麻薬携帯輸出入許可書の申請も必要なくなります。
いずれにしても、夜間の痛みのコントロールについては、湯淺先生にも相談しつつ、引き続き試行錯誤していきたいと思います。
でも、麻薬から卒業できたことで、病人から普通の人に至るステップを、また一つ上った気がしています。
ということで、医療用麻薬の想い出はいっぱいありますが、いつの日か、少女だったと想う時がくるんでしょうか(違
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【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ(幻冬舎 税込1,188円)
脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。
高山知朗(のりあき):
1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。
2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。
2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。
2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。
2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。
2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。
現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。
メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)
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※過去の記事も上記リンクからご覧いただけます。
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