2012年11月28日

Kindle PaperwhiteとiPad miniによる読書体験の比較

先日のiPad miniに関する記事でも触れましたが、iPad miniに加え、Kindle Paperwhiteも購入しました。というか、予約のキャンセルが間に合わず届いてしまいました(笑)。

Kindle Paperwhite

Kindle Paperwhiteは、発表当初にオンラインで予約しました。その後、悩んだ末にiPad miniを購入。しばらくして、Kindle Paperwhiteの発売当日に店頭で現物に触れ、「やっぱり読書端末としてもiPad miniを使えばいいや」と結論付けました。

そのためKindle Paperwhiteの方は予約をキャンセルしようかなと思っていたところ、その翌朝、Amazonさんから「予定より早く出荷できましたよ!」と誇らしげなメールが届いてしまい(笑)、キャンセルが間に合わず。予定納期より2週間も早まるとは・・・普段なら喜ぶところですが。

ということでしばらくKindle PaperwhiteをiPad miniと併用しているので、「読書体験」の観点から、両者を比較しつつ使用感を書いてみたいと思います。

■結論

Kindle Paperwhiteは、「Kindleストアから購入した電子書籍の読書専用端末」として、すばらしいと思いました。

反面、「Kindleストアから購入したマンガの閲覧」や「紙の書籍を自炊して作成したPDFの閲覧」においては、iPad miniのほうが使いやすいと感じました。

■Kindle Paperwhiteの端末そのものについて

Kindle Paperwhiteは、読書専用端末として非常によくできています。ジェフ・ベゾスの言う「没頭してしまう読書体験」がまさに具現化されています。軽いし、余計なボタンや機能はないし、電子ペーパーの画面は、その名の通り紙のように読みやすいし。

僕自身はiPad miniの液晶画面で本を読んでいても、今のところはそれほど目が疲れるという感じはしません。でも周囲の環境や読書時間の長さによっては、Kindle Paperwhiteの方が、目に対する負担は少ないと感じるかも知れません。

例えば直射日光の下では、明らかにKindle Paperwhiteの電子ペーパーの方が読みやすいです。iPad miniと異なり、画面への周囲の映り込みがありませんので(まあ直射日光の下で本を読む機会なんて、夏休みのビーチくらいかも知れませんが・・・)。

またKindle Paperwhiteは、軽さもメリットです。重量は213g。iPad mini(WiFiモデル)の308gよりも大幅に軽いです。カバンに入れてどこにでも持ち歩けます。そして、夜寝る前にベッドに寝転がって読むこともできます。iPad miniは寝転がって使うのはちょっと厳しいです。その大きさと重さから、両手で持った方が安定するのですが、しばらく読んでいると疲れてきてしまうのです。その点、Kindle Paperwhiteは、寝転がって片手で持って読んでも、それほど苦になりません。適度な明るさの内蔵ライトもいい感じです。

そして、寝転がって読む場合は、紙の本よりも取り扱いが楽です。ページをめくったり、しおりを挟んだり、カバーが外れるのを気にしたりする必要がありませんから。

この「紙の本よりも扱いが楽」というのは、実際は寝て読む時だけの話ではありません。電車の中でも、カフェでも、リビングのソファでも、とにかく最後に読んでいたページをパッと開いて、読んで、途中でやめて、ということを、物理的な紙のページや、カバーや、しおりの所在などを気にせずに、全て電子的にタッチ操作で行えるのは、思った以上にすばらしいです。余計な手間やストレスを廃して、まさに「読書体験に没頭」できます。

■「Kindleストアから購入した電子書籍」の閲覧は快適

上記のような特長から、Kindle Paperwhiteで、Kindleストアから購入した電子書籍を読むのは非常に快適です。いつでもどこでも、前に読み終わったページから、すぐに読書を再開できます。

Kindle PaperwhiteとiPad miniの比較:Kindleストアで購入した電子書籍

画面の大きさも、本を読むにはちょうどよい感じ。電子書籍の場合は、フォントの大きさはもちろん、行間の広さや余白の広さなども調整可能です。ページめくりは画面のワンタッチでOKで、操作性も問題ありません。

iPad miniでも電子書籍は快適に読めますが、Kindle Paperwhiteは、その軽さや画面の見やすさの点で、より優れていると言えるかと思います。

■「Kindleストアから購入したマンガ」の閲覧はiPad miniの方が快適

一方、同じKindleストアから購入したコンテンツでも、マンガについては、Kindle PaperwhiteよりもiPad miniの方が読みやすいと思いました。マンガの場合、小説などの文字中心の電子書籍と異なり、ページ全体を画面に表示すると、文字が小さくて読みにくいケースがあります。例えば僕が購入した「孤独のグルメ」はこんな感じです。

Kindle PaperwhiteとiPad miniの比較:Kindleストアで購入したマンガ

文字が小さいため、ページの一部を拡大表示した上で、画面をスクロールして読みたいのですが、その際の操作性やレスポンスが、Kindle Paperwhiteはいまいちです。電子ペーパーの特性から、画面表示の切り替えに時間がかかるため、拡大縮小やスクロールがスムーズにできません。

この点、iPad miniは、指先でのタッチ操作による拡大・縮小やスクロールが非常にスムーズです。iPad miniで読む新聞紙面もそうですが、文字が小さいマンガのように、ページの一部を拡大してスクロールして読み進めていくタイプのコンテンツは、iPad miniの方が読みやすいと感じました。

ただ、このマンガの読みやすさは、コンテンツに依存しそうです。サンプルをダウンロードしてみた「行け!稲中卓球部」は、吹き出しのフォントサイズが大きいため、拡大しなくてもそのままで十分に読めました。フォントのサイズが小さくなりがちな文字の多いマンガはKindle Paperwhiteでは厳しい、と言えるのかも知れません。

■「紙の書籍を自炊して作成したPDF」の閲覧もiPad miniの方が快適

マンガと同様に、紙の書籍を自炊して作成したPDFファイルの閲覧も、Kindle Paperwhiteでは厳しいかなと感じました。

Kindle PaperwhiteとiPad miniの比較:自炊したPDF

上記の写真は、文庫本を裁断し、スキャナー(ScanSnap)でPDF化したものを、Kindle PaperwhiteとiPad miniで表示したところです。iPad miniの場合、画面サイズが大きいため、文字も大きく、そのままでも十分読めます。でもKindle Paperwhiteの場合は、このままだと文字が小さくて読みにくいです。

以下は上記の写真の一部を拡大したもの。

Kindle PaperwhiteとiPad miniの比較:自炊したPDF

このようにKindle Paperwhiteだと、文字が小さく、ちょっと読めません。iPad miniの方は、そのままで問題なく読めます。

普通にPDFを作成すると、写真のように、周囲に余白ができます。この余白を表示せず、文字部分を画面いっぱいに拡大して表示できれば、文字が大きくなって読みやすくなりますが、Kindle Paperwhiteではそうした表示設定はできません(拡大表示はできますが拡大するエリアなどの微妙な調整はできません)。ちなみに、僕がiPhoneやiPad miniで自炊したPDFを読む際に使っているGoodReaderというビューアアプリでは、この辺の細かい表示設定が可能です。

そのため、Kindle Paperwhiteで自炊PDFを読む場合は、PDF自体を加工して余白を削除するなどの処理をした上で、端末に読み込む必要がありそうです。

■「電子書籍の読書専用端末」としてのKindle Paperwhite

いろいろ書いてきましたが、冒頭で書いた通り、「Kindleストアから購入した電子書籍の読書専用端末」としては、Kindle Paperwhiteはすばらしいです。電子書籍を読む上では、極端な話、きれいに表示されてページめくりができればいいので、ここで書いた操作性や画面切り替えのレスポンスは全く問題ありません。

また端末から直接、Kindleストアにアクセスして本やマンガを購入したり、サンプルをダウンロードできたりするのもすばらしいです。「半額以下セール」の一覧を見ていると、思わず衝動買いしてしまいます。その場で買ってその場でダウンロードして読み始められるのもうれしいです。iOSのKindleアプリでは、現時点ではアプリからの購入はできませんので、この点もKindle Paperwhiteのアドバンテージですね。

あと、価格の安さも大きいですね。7,980円で読書体験がこれだけ快適になるとは、非常にお買い得な感じがします。

ということで、電子書籍の読書専用端末として非常によくできているKindle Paperwhite。実際に使っているうちにその独特の良さが実感されてきました。入手した当初は、iPad miniが手元にあるため、Kindle Paperwhiteは奥さんに譲ろうかと思っていたんですが、ちょっと考え直そうかと思っています(笑)。まあ安いですし、奥さん用にもう一台買っちゃおうかなあ(笑)。

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投稿者 こうちゃん361 : 2012年11月28日 17:06

本当に「その通り」と思っています!

私はiPad miniをこの時期に購入するほどの甲斐性はないので(笑)、以前から使っているiPad2やKindle3に対するPaperWhiteとの比較になります。

そうです。高山さんの至って冷静な比較のように、PaperWhiteは、Kindle FireでもFire HDでもありません。あちらはネットもメールもゲームも楽しむための電子機器であるのに対して、PaperWhiteは電子書籍を読むための専用端末なのです。ですから、画面の切り替わり応答が悪く(でもKindle3よりもはるかに速くなっています)、バックライトがないのでコントラストも劣る電子ペーパーを使用しています。真夏の海岸でなくても、この違いは私の眼には非常に役立っています。今までのギラギラPC画面に慣れてしまうと、最初は物足りなく感じるかも知れませんが、いったん電子ペーパーに慣れてしまうと戻れません(きっぱり)。ただ高山さんがご指摘のようにKindleが考えている電子書籍は、Kindle Store配信のものだけであって、自炊なんて全く考えていないと思います。

実はあまり宣伝されていませんでしたが、Kindle3はKindle2では扱えなかった日本語PDFが扱えたのですよ。私は近い将来のKindle日本語書籍対応を見越してKindle3を購入しました(結局それから2年以上待ちましたが…)。でもその間に自炊した日本語PDFを何度かKindle3で試して、そのコントラストの貧しさでは読むのは無理だと判断しました。電子ペーパーはとても優れた技術ですが、目指している市場が全く違います。私はPDFを読む時はiPadを用いています。現在はモバイルPCを買い替えて(Windows7ではあるものの)画面拡大が楽にできる機種になったので、思いのままに小さいところも読めます。…マンガをほとんど読まないので、分からないのですが一部を拡大して読み進めるのって、読書のリズムを崩しませんか?小さいころから本虫であった私はこの読書のリズムを大切にします。フォントが気に入らなかったり、行間の大きさとの相性が悪かったりすると、自分の読書のリズムが作れないのです。そうすると内容以外の部分に関心が動いてしまい、結局読書が負担に感じるようになります。ペーパーバックは日本の文庫と違って、使われている紙の質や活版のフォントやインクに至るまであまり高品質でないので、内容が面白いのに読みにくいという目に何度も会いました(文体が自分に合わないとかいう以前の問題です)。その点Kindleは優れていますね。

軽さは本当におっしゃる通りです。Miniは買う気がないので持ったこともありませんが、寝転がって持つにはPaperWhiteは良い重さです。これ以上軽いとどうでしょう?案外不安定かも知れませんね。

英語のペーパーバックを読む時に限定されてしまいますが、タッチで引ける辞書内蔵というのも助かります。英語が不得意の私(そして面倒くさがりやで辞書をひくのが億劫な私…他の人には言い訳として辞書を引くと読書のリズムが狂うと言ってはいますが…笑)には、タッチ画面でそのまま訳語が出てくるのはKindle3に比べると大きな魅力です。電子辞書が売れなくなるかも?

それと最後は価格です。今はデフレなので、価値以上のものには対価を支払ってくれません。その意味ではアップル群は少しばかり高いと感じています。「それだけの価値がある」というのでしょうが、うまく消費者の興味を引き続けないと価格差を維持できないでしょうし、かといってアップルも価格競争には踏み込みたくないでしょうから、これからの動きは(ミーハー的に)面白いと感じています。

投稿者 オーシャンブリッジ高山 : 2012年11月29日 20:21

こうちゃん361さん、長年のKindleユーザーならではの深いレビューコメント、ありがとうございます!

「いったん電子ペーパーに慣れてしまうと戻れません」というのは、なるほどと思いました。僕もしばらく使っているうちに電子ペーパーに慣れて同じように感じるようになる気がします。

本当は、一部を拡大して・・・というのは無いほうがいいのですが、文字の細かいマンガだとどうしてもそうする必要があるんですよね。そのままだと小さくて読めないので。そうすると、iPad miniのような快適なレスポンスがないと、やはりリズムは崩れますね。

英語の本を読む時には辞書は確かに便利でしょうね!僕は今のところKindleでは洋書を読む予定はないのですが、紙で読むのに比べて、その場で辞書が引けるのは断然便利ですよね。

最後に価格の件。今のところ、iPad miniについては、他のタブレットよりも高いものの、金額相応の満足感を感じています。細部の作りこみやあの操作感を考えると高くてもありかな、と思っています。が、ご指摘の通り、その価格プレミアムをジョブズ亡き後も維持し続けられるかがアップルにとっては重要ですよね。

投稿者 kaz005 : 2014年7月19日 21:30

やはりそうですか。miniのレティナに買い換えて微妙に重くなったのでKindle買おうか迷っていて出会いました。漫画と自炊が主体だとminiになってしまいますね。もう少し日本のアマゾンの書籍点数が増えればいいのですが。

投稿者 オーシャンブリッジ高山 : 2014年7月22日 09:13

確かに紙の書籍のKindle化はまだまだですよね。ちょっとした楽しみのための小説を読むのであれば、Kindleの限られた選択肢の中から選ぶのでもいいんですが、「この本が読みたい」と思って買う本の方が多いので、必然的に紙の本が増えていき、本棚から溢れています(笑)

高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

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