澤村豊医師(脳外科医)への反論(グリオーマ治療)

【追記 2015/06/08】末尾に追記しました

【追記 2015/04/20】末尾に注記を追加しました

先日下記の記事を書きました。
▼澤村豊医師(脳外科医)のグリオーマ(悪性脳腫瘍)治療に対する主張への疑問|オーシャンブリッジ高山のブログ
この記事は、限定的なテーマの割には、予想以上に多くのアクセスを集めました。


また東京女子医科大学 脳神経外科の村垣善浩教授(私のグリオーマの主治医)もご覧くださって、この問題の医学的な、また学術的な背景などを教えてくださいました。
さらに数日後には澤村豊先生のホームページが修正されていました。たまたまタイミングが合っただけかもしれませんが、もし私のような一患者のブログ記事に反応していただいたのであれば、大変恐縮に思います。ただ、その修正後の内容が、修正前と同様、引き続き疑問を感じるものでしたので、改めてこの記事で疑問点を指摘させていただきたいと思います。前回の私の記事を、医学的、学術的な面から補完する内容にもなっています。
なお、この記事の記載内容は、村垣教授から教えていただいたことを私なりに理解したことをベースに書いています。医学的、学術的な観点から見て誤解や不備等があれば、全て私の理解不足ですので、その点をご理解いただいた上で、間違いをご指摘いただければと思います。
まず澤村豊先生の修正後のホームページを抜粋します。

注意! ネットや雑誌の宣伝に惑わされてはいけないこと

以下のものは科学的に有効性が証明されていないものです。学会などで発表されて最新の治療法のように宣伝されていますが,実際のところは,長期生存割合にはほとんど影響しないのです。
「しっかりした英語の論文でレベルの高い学術誌に掲載された信頼するに足る科学的な実績」はありませんし,患者さんを引きつけるための宣伝が多いです。
このような科学的根拠というものはエビデンスレベル(下記にあります)というもので評価されますから,「日本語で自前の良い成績」が書かれていても何の証明にもなりません。

・ナビゲーション,術中MRI,覚醒下手術
・(以下略)

修正前の内容(前回の記事中に抜粋してあります)と比べると、私が指摘した内容に基いて修正されたように読み取れます。この修正後の内容について一つ一つ疑問点を指摘していきます。
まずは、

「しっかりした英語の論文でレベルの高い学術誌に掲載された信頼するに足る科学的な実績」はありませんし,患者さんを引きつけるための宣伝が多いです。

という記載について。
「術中MRI」については、世界で最も権威のある医学書の一つである「The Lancet Oncology」(Volume 12, No. 11, p1062–1070, October 2011)に掲載されたSystematic Reviewで、

「術中MRI手術は標準手術と比較し、よくてもLevel 2 のエビデンスだが、摘出率向上、合併症予防、生存期間延長により貢献」

という結論が出ています【注1】。なおそのレビュー論文には東京女子医科大学 村垣善浩教授の書かれた術中MRIに関する英語の論文も含まれています。
ちなみに「The Lancet(ランセット)」というのは、「世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つ」です。「The Lancet Oncology」は、そのThe Lancetから独立した3誌の専門誌の一つで、腫瘍学(Oncology)を専門に扱っています。つまり世界で最も権威のあるがん専門医学誌と言ってもいいかと思います。
「術中MRI」の有効性は、そのThe Lancetで認められています。そしてその論文中で、術中MRIに関する女子医大 村垣教授の英語の論文も引用されています。
澤村医師の書いている「しっかりした英語の論文でレベルの高い学術誌に掲載された信頼するに足る科学的な実績」として、これ以上のものは非常に考えにくいのではないでしょうか。
また「覚醒下手術」についても、アメリカのMitchel Berger先生、フランスのHugues Duffau先生が共同で出したSystematic Reviewの論文で、全身麻酔と比較し、合併症が少なく腫瘍摘出率が高いという効果が示されています。さらにMitchel Berger先生の論文では、MRI画像上では正常な機能領域にあって取れそうになかった腫瘍が、覚醒下手術では摘出できて生存率が上がったという可能性が示されています。
さらに、多数の先生方で作成するヨーロッパの診療ガイドラインでは、低悪性度神経膠腫(グリオーマ)で覚醒下手術が推奨、つまり行うべきであるとされています。日本では保険適応となりました。
また澤村先生はこのようにも書いています。

このような科学的根拠というものはエビデンスレベル(下記にあります)というもので評価されますから,「日本語で自前の良い成績」が書かれていても何の証明にもなりません。

前述のように、術中MRIについては、The Lancet Oncologyから「エビデンスレベル2」と評価されています。かつそこには村垣教授の英語の論文が引用されています。
「日本語で自前の良い成績」というのは、恐らく東京女子医科大学 脳神経外科のグリオーマのホームページのことを指していると思われます【注2】
前述のように、術中MRIは、世界的に権威のある医学誌から科学的な有効性が認められています。その術中MRIやナビゲーションなどを開発し、日々の治療で活用している東京女子医科大学のホームページでは、このように詳細な治療成績(生存率)のデータが公開されています。単純には比較できませんが、私が調べた範疇では、下記の記事にある通り、他の病院が公開している生存率とは大きな差が見て取れます。
▼東京女子医科大学 脳神経外科のグリオーマ(神経膠腫)治療成績(生存率)が更新されました|オーシャンブリッジ高山のブログ
澤村先生は、これらの最新の治療方法を否定するのであれば、エビデンスレベル2以上でこれらの治療法を否定するデータを用意し、その論文が世界的に信頼に足る医学誌に採用されることをもって、「長期生存割合にはほとんど影響しない」ことを自ら証明すべきではないでしょうか。それがご自身のおっしゃる「科学的」に否定するということではないかと思います。
少なくとも、ご自身の執刀されたグリオーマ患者さんの治療成績のデータも、女子医大と同様のレベルで開示すべきではないでしょうか。それがないままに、ご自身の偏った見方や誤解に基づいて、他の病院が取り組む最新治療を一方的にかつ全面的に否定するのは、フェアではないと思います。治療成績を開示している他の病院の治療方法を否定するのであれば、まずはご自身の「日本語で自前の(良い)成績」を開示した上で否定すべきだと考えるのは、私だけではないはずです。
そうした「科学的」な根拠やデータもないままに、一方的に最新治療を「科学的に有効性が証明されていない」「学会などで発表されて最新の治療法のように宣伝されていますが,実際のところは,長期生存割合にはほとんど影響しない」「患者さんを引きつけるための宣伝が多いです。」と否定するのは、医師として責任のある態度とは言えないのではないでしょうか。これらの最新治療に関して「科学的な有効性」や「長期生存割合への影響」に関する論文が徐々に発表されているのは前述の通りです。
さらに、澤村先生のページには下記のような記載もあります。

ナビゲーション,術中MRI,覚醒下手術は,時に有用な時があるでしょう,でも常時ではなく,あくまでも時には有用という程度です。いずれも全く非侵襲的(行うことによって害がない)という訳ではありません,それぞれに副作用(合併症)もあり,お金もかかり,手術時間が長くなります。さまざまな問題があるものです。

これも全く根拠のない間違いです。澤村先生は前述のように、最新治療の「効果」に対しては「科学的根拠」や「エビデンス」を求めておきながら、「副作用」については上記のようにご自身の「印象」を書かれています。この「印象」の間違いを、一つ一つ確認していきます。
まずナビゲーションについて。合併症はありません。費用は保険適用後の自己負担額(30%)が数千円程度です(しかも入院費用は上限がありますので、ほとんど患者の自己負担は増えません)。手術時間も、近年の機械ではほとんど伸びません。
続いて術中MRIについて。こちらは合併症というより事故の可能性がありますが、過去1,200例以上の手術実績の中で、実際の事故による合併症はありません。また事故を減らすためのガイドラインがもうすぐ出版されます。費用は無料です。手術時間は、撮影回数X30分伸びますが、それによる麻酔合併症や感染の増加は、一般手術と比較してもありません。
最後に覚醒下手術について。こちらは合併症の可能性がありますが、事故を減らすためにガイドラインが作成されています。費用については保険適用後の自己負担額が1万数千円程度です(しかも入院費用は上限がありますので、ほとんど患者の自己負担は増えません。また有料になったのは2015年4月1日からです)。手術時間は、2時間程度伸びることになります。
このように最新治療に対して「事実」ではなくご自身の「印象」のみを根拠に否定されることも、医師の態度としてはどうなのでしょうか。
実際、私自身、女子医大でナビゲーションと術中MRIを使ったグリオーマ摘出手術を受けましたが、費用については驚くほど安かった、と言うよりも、手術のみならず抗がん剤治療や放射線治療も含めた2ヶ月間の入院費用全体のかなりの部分が健康保険でカバーされてしまい、実質的な自己負担額は10数万円程度でした。グリオーマ治療費の詳細は下記記事もご参照ください。
▼脳腫瘍(グリオーマ)治療費の実際(入院・手術・放射線・抗がん剤)|オーシャンブリッジ高山のブログ
以上、澤村先生のホームページ上の記載内容について、一つ一つ検証してきました。読み返してみると、前回の記事でも書きましたが、改めて、最新の治療を否定すること自体が、澤村豊先生ご自身にとって「患者さんを引きつけるための宣伝」になっているように思えてしまいます。そういう意図でなければよいのですが・・・。
こうした澤村先生のホームページ上での一連の最新治療の否定が、これから治療を受けようとするグリオーマ患者さんに、間違ったあるいは偏った情報を与え、無闇に不安を与える内容になっていることが、同じ患者として一番の問題だと考えています。
私自身は単なる一グリオーマ患者であり、一白血病患者であり、一闘病ブロガーであり、一企業経営者に過ぎません。医者でも学者でもありませんし、もちろん東京女子医科大学の関係者でもありません(患者ではありますが)。
そのような立場で、脳神経外科の分野で実績もあり、評判も高く、著名な澤村豊先生の主張に異を唱えるのは大変おこがましいのですが、でも間違っていることは間違っているときちんと声を挙げ、その間違いを、少なくとも多数の患者さんが見るネット上では正していくことが、他の患者さんのためになると心から信じています。そんな思いでこの記事と前回の記事を書きました。
医師から「悪性の脳腫瘍です」と告知された患者さんは、ただでさえ不安に押しつぶされそうになっています。私自身もそうでした。そうした患者さんが間違った情報に惑わされないように、正しい情報に基づき最適な病院や治療法を選択できるように、そして実際に最善の治療を受けられるように、心から願っています。
【追記 2015/04/20】

【注1】Lancetの論文の対象について

この記事で引用しているLancetの論文について、
「このLancetの論文の対象は膠芽腫(グリオーマ グレード4)のみであり、グリオーマ全体の話ではないのではないか?」
とのご指摘をFacebookでいただきました。それについても東京女子医科大学 脳神経外科 村垣善浩教授に確認したところ、以下の回答をいただきましたので、ここに掲載します(一部高山修正の上転載)。

ご指摘の通り、Lancetの論文の対象は膠芽腫(グリオーマ グレード4)のみです。この結論を単純にグレード4よりも低いグレードのグリオーマ(グレード2や3)に敷衍はできないのも、ご指摘の通りです。

ただ、他のグレードに関しては、参考とすべき論文がないのも事実です。例えばグレード2は予後が長く治療効果の良し悪しを論じるには10年以上かかります。

グリオーマに関するランダム化研究(エビデンスレベル1)を行った論文は、手術に関するものはなく、放射線治療の良し悪しを論じたもの1本、化学療法の良し悪しを論じたもの1本と、これまで歴史上2本ほどしかありません。しかし患者さんの数は膠芽腫の半分くらいはあり、その方々の治療については、直接的な論文の有無に関わらず決めていく必要が、治療の現場ではあります。

摘出術に関する論文は、ランダム化ではない前向き研究では1本あります。開頭術による積極的な摘出を行う方針の施設にかかった患者と、組織確認後(生検後)摘出術を施行せずに経過観察を行う方針の施設にかかった患者とで、前者が統計学的に有意に生存期間が長かったという報告です。

またつい最近、後ろ向き研究ですが、摘出率と予後とが相関する(画像上90%以上摘出した群が90%未満群と比較して生存期間が長い)という報告が、女子医大のチームにより論文となりました。「The Journal of Neurosurgery」という国際的雑誌に掲載されました。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25599276#

Neurosurg Focus. 2015 Jan;38(1):E7. doi: 10.3171/2014.10.FOCUS14651.

Proposed therapeutic strategy for adult low-grade glioma based on
aggressive tumor resection.
Nitta M1, Muragaki Y, Maruyama T, Ikuta S, Komori T, Maebayashi K,
Iseki H, Tamura M, Saito T, Okamoto S, Chernov M, Hayashi M, Okada Y.

この論文は、女子医大のホームページにある治療成績のデータと腫瘍摘出率のデータを結びつける重要な科学的裏付けの一つになるものかと思います。
【注2】女子医大のホームページの治療成績の母数(対象症例)について
東京女子医科大学のホームページで公表されているグリオーマの治療成績について、
「母数(対象症例)が、女子医大の治療方法が奏功しやすい症例に限られている可能性もあるのではないか?だから治療成績が高く出ているのではないか?」
とのご指摘をFacebookでいただきました。それについて東京女子医科大学 脳神経外科 村垣善浩教授に確認したところ、以下の回答をいただきましたので、ここに掲載します(一部高山修正の上転載)。

今回ホームページに掲載した治療成績のデータの対象症例は、女子医大で手術を受けて当該病理診断名(グリオーマ各グレード)を受けた当該期間すべての患者さんです。

すなわち、生検術(開頭したものの腫瘍摘出が困難)を施行した方(一般に治療成績が悪いとされています)、そして術中MRIを施行しなかった・できなかった(緊急を要する方でMRI手術室が取れなかった)方も含めて、すべてを含んでいます。

あまりにもよい治療成績なので、これまで学会でも、「都合の悪い症例を省いているんじゃないか」と、必ず同様の指摘を受けてきました。そのため、本来ならば学問的には生検術の症例をのぞいて開頭術(開頭して腫瘍を摘出できた)の成績を論じることが多いのですが、全体データを出すときには必ず生検の症例を入れています。

【今回の注記に関するやり取りを終えての所感】
澤村先生が指摘されている、術中MRIやナビゲーションに関するグリオーマ各グレードを対象としたエビデンスレベルの高い論文は、確かにまだ少ないのが現状のようです。
でも治療の現場では実際に高い成績を挙げており、その成果が、前述の女子医大の論文のように、少しずつ学術誌に採用されつつあり、学会でも認められつつある、という状況のようです。
よって、私としては、
・論文による裏付けは現時点では完全ではないものの、実際に治療現場で高い治療成績を挙げてホームページで公開し、かつ、その成績を少しずつ国際的学術誌に論文として発表しつつある女子医大。
・それを、「きちんとした学問的裏付けのない、信ぴょう性のないデータを勝手に公開しているだけじゃないか」と否定されている澤村先生。
という構図と捉えています。その意味では、確かに学問的に厳密な裏付け(グリオーマ各グレードの摘出手術に関する網羅的な論文)がないとする澤村先生の主張も理解できます。
あとは読む側(患者さん側)がどちらの主張を好意的に受け入れて信頼するか、というバイアスに依存します。
私自身は、実際に女子医大でグリオーマ摘出手術を受けた患者として、そして実際に術後3年9ヶ月、再発の兆候も全くなく無事に経過している患者として、女子医大の成績を好意的に捉えるバイアスがかかっていることは自覚しています。
そして、実際に新たにグリオーマが見つかり、病院や治療法の選択に悩む患者さんにとっては、「学術的に厳密な裏付け」と、「治療現場での実際の高い治療成績」と、どちらを信じたいと思うかと考えてみると、自分としては後者の患者さんが多いのではと思います。
そうした患者さんの気持ちを考えると、学問的に厳密な裏付けにこだわって、現場での高い治療成績を全面的に否定されている澤村豊医師の主張には、どうしても疑問を感じてしまいます。
【追記 2015/06/08】
澤村豊医師の患者さんから本記事に批判的なコメントをいただくことが少なくありませんので、念のため、誤解のないように追記します。
私は澤村先生の実績やご経験を否定しているわけでは全くありません。澤村先生の治療を受けて命を救われた患者さんが数多くいらっしゃることも理解していますし、その点で、澤村先生はすばらしい脳外科医であり、尊敬に値する先生だと考えています。
ただ一点だけ、澤村先生が東京女子医科大学病院 脳神経外科のグリオーマ治療を実質的に名指しで、しかも偏ったあるいは間違った理解に基づき、ホームページ上で全面的に否定していることのみを問題だと考えています。
それは世の中の多くのグリオーマ患者さんに対してグリオーマ治療について誤った印象を与え、治癒に向けた希望を奪い、その結果、世の中の不利益となるものと信じています。
この一点を除いては、澤村先生は尊敬すべき脳外科医だと考えています。澤村先生の治療を受けられた患者さんが今後も健康に過ごされること、そして澤村先生の手により今後も多くの患者さんの命が救われることを、心より願っています。

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「澤村豊医師(脳外科医)への反論(グリオーマ治療)」への15件のフィードバック

  1. 高山さん、貴方は貴方にしかできないことを強い信念を持って実行されていますね。本当に大変なことですが、心から応援しています。

  2. 以前、一度だけコメントさせていただきました。こんにちは….
    素朴な質問です。
    村垣先生は、どうして一患者である高山さんに生存率の更新やこういった内容をいちいち連絡してくるのでしょうか?
    ゆっくり治療に専念させてあげればよいのになぁ…と思うのです。

  3. 高山さんは次のように指摘しています。
    「少なくとも、ご自身の執刀されたグリオーマ患者さんの治療成績のデータも、女子医大と同様のレベルで開示すべきだと思います。そうでなければ最新治療を否定する上でフェアではありません。まずはご自身の『日本語で自前の(良い)成績』を開示すべきだと考えるのは、私だけではないはずです。」
    この高山さんの指摘に関連して、私見を書きます。
    今読んでいる本の中に、「プロの医師の在り方」を述べている箇所があります。その一部をご紹介します。
    国内外で著名な心臓外科医、南淵明宏氏は『心臓外科医の挑戦状』(中公文庫 2008年3月25日 初版発行)の中で、プロとはどうあるべきかについて、次のように書いています。
    「今日専門家、すなわちプロは、素人が理解できる、素人でも納得できる内容の『仕事』をしなければならないということであるし、それが可能となるよう、素人向けの素人受けするプレゼンができなければプロとは言えない、ということだ。具体的にはまず医療行為のビジュアルで信頼のおける記録であろう。カルテや画像、手術のビデオ、それらはプレゼンの有効なアイテムなのである。」
    上記の記述は、手術に携わる現場の医師の態度について書かれたものです。
    「医療行為のビジュアルで信頼のおける記録」には、「ご自身の執刀されたグリオーマ患者さんの治療成績のデータ」も含まれます。それが示されず、感情だけで批判するは、プロのやることではありません。
    この度の高山さんの記事を拝読し、このような感想を抱きました。

  4. 患者家族さん、コメントありがとうございます。
    村垣先生は何かの折に「いちいち連絡してくる」のではなく、普段からSNS上でやり取りをしています。私から、女子医大に関連するブログ記事を書いたことをお知らせしたり、私の知り合いの患者さんが女子医大に入院された時にご連絡したり、等々。つまり私からご連絡することの方が多いですね。

  5. 高山さん、こんにちは。加藤と申します。
    濾胞性リンパ腫の再発で、BR 療法で6クール終わったところです。終わって一息
    着いたところで顔に帯状疱疹が出て、現在片目が空かない状態です。
    治療の結果を見るためのPET検査もできない状態でいます。
    帯状疱疹はやはり、長引くのでしょうか。
    (いつも高山さんのブログに励まされている同業者です。)

  6. 加藤さん、
    帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移行してしまうと、私のように年単位で苦しむことになってしまいます。神経痛に移行してしまう前に帯状疱疹を治せればいいのですが、化学療法中だと、免疫力が下がっているため、そちらの治療が制限されてしまうんですよね。私はそのために帯状疱疹後神経痛になってしまいました。加藤さんがそうならないことを願っております。

  7. 高山さん、こんにちは。牧野と申します。
    私も同じ疾病で女子医大に入院し、現在も通院しています。
    実は2011年頃からずっと拝見していて、入院の直前に病室に持ち込めるグッズのエントリーを拝見した時はほっとしたのを覚えています笑
    私も高山さんと同じ業界で、たまに行く曙橋のイタリアンをMRIの日のご褒美にして日々を過ごしています。
    これからも応援しています!

  8. Makinoさん、コメントありがとうございます!
    そうでしたか、そんなに長くこのブログを読んでくださっていたのですね!
    いずれ女子医の脳外科のロビーでお会いするかもしれませんね(笑)
    その時はぜひお声がけください!

  9. あまりこのような内容の記事を書かないほうがいいと思います
    私は脳外科医ですが、読んでてあきれます。患者目線で書かれるのはいいと思いますが、中途半端に専門領域に口出しするのは止めたほうがいいです。澤村先生、東京女子医大どちらにも味方するつもりはありませんが、われわれ専門家から見ればこの記事の内容に呆れてしまいます。
    この記事を読んだ患者は女子医のやり方が絶対で澤村先生は悪と思ってしまいます。医療というのはそんなレベルの低いやり方で決定されるのではなく、大規模スタディ(いくら無作為割り付けであっても研究者の意思がかなり入る)を持ってエビデンスを構築し決定されるものです、
    たとえて言うなら国会での大事な話し合いの最中に小学生が割り込んで意見しているみたいなものです。

  10. 匿名さん、コメントありがとうございます。
    逆に、澤村先生のホームページを見た患者さんは、澤村先生の考え方が絶対で、女子医の取り組みは全く根拠なしと捉えてしまうと思いますが、その点、患者の命を助ける脳外科医としていかがお考えですか?

  11. 匿名さん、
    先日の私のコメントにご返事をいただいてから、と思っていましたが、ご返事がなかったので、追加のコメントです。
    この記事に関しては、せっかく私が女子医大 村垣教授のご意見も踏まえて医学的、学術的、臨床的なエビデンスや裏付けを踏まえて記事を書いているのですから、せめて「脳外科医」「専門家」なのであれば、もう少し具体的に、私の事実誤認や記述内容の問題点についてご指摘いただけると、このブログを読んでくださっている患者さんや医療関係者を含めた数万人の読者のみなさんも含めてより議論が深まるのではないかと思います。
    いただきましたコメントに、「読んでてあきれます」「中途半端に専門領域に口出しするのは止めたほうがいいです」「たとえて言うなら国会での大事な話し合いの最中に小学生が割り込んで意見しているみたいなものです」とありますが、根拠も具体性もない匿名さんのコメントは、小学生以下ではないかと思います。
    いただいたコメントの行間から、匿名さんの「患者は余計なことに口を出さずに医者に任せていればいいんだ」的な患者を見下すようなスタンスを感じ、他人事ながら、匿名さんの患者さんのことが心配になりました。
    匿名さんが、患者さんを下に見ることなく、患者さんと同じ目線で気持ちを理解できる医師になられることを、勝手ながら願っております。

  12. 私も、高山さんに同感です。
    高いエビデンスを求めるならば、「前方視的RCT(ランダム化比較試験)」等、主観的あるいは恣意的な評価のバイアスを避ける事への言及があっても良いのではと思われます。
    「医療は、大規模スタディ(いくら無作為割付であったも研究者の意思がかなり入る)を持ってエビデンスを構築し決定している。」
    との事であれば、それこそレベルの低いエビデンスが構築されている事を証明していると思われます。
    さらに、
    「たとえていうなら、国会での大事な話し合いの最中に小学生が割り込んで意見しているみたいなもの。」
    と続くのですが、医学の学会では、このような理論展開が通用するのでしょうか。

  13. 匿名Yさん、コメントありがとうございます。
    そうですよね、この記事に明記している論文やエビデンスレベルに関する議論を全てすっ飛ばして「国会の話し合いに小学生が割り込むな」と切り捨てるのでは、そもそも議論になりませんよね。
    この「匿名」の「脳外科医」さんの発言の裏に、「医者は国会議員、患者は小学生」という権威主義を感じるのは私だけではないはずです。

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