絶望するがん患者に周囲はどう声をかけるべきか?/慶応大学加藤教授の公開講座「患者学」にて講演

先週、12月22日(木)に慶應義塾大学にて開催された「公開講座『患者学』」にて講演させていただきました。
慶応大学加藤教授の公開講座「患者学」にて


慶應義塾大学 看護医療学部教授の加藤眞三先生が主催されている講座です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
▼公開講座「患者学」で講演します(慶應義塾大学 加藤眞三教授主催)/情報発信の意義|オーシャンブリッジ高山のブログ
会場は慶應義塾大学病院のある、同大学の信濃町キャンパスでした。以前、同病院で乳がんの手術を受けた姉をお見舞いに行ったときのことを思い出しました。
慶応大学加藤教授の公開講座「患者学」にて
当日の講座は加藤先生による公開講座「患者学」の趣旨説明からスタート。
慶応大学加藤教授の公開講座「患者学」にて
その後、僕から、著書と同じ「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」というタイトルでお話しさせていただきました。
慶応大学加藤教授の公開講座「患者学」にて
当日の昼間、がんばってMacのKeynoteでスライドを作成。大人数の前でのプレゼンテーションは恐らく3年ぶりです。社長をやっているころは、たくさんの人の前でプレゼンをする機会は頻繁にあったのですが、白血病・悪性リンパ腫での入院以降は、そうした機会はありませんでした。対談という形では、先日の俣野成敏さんとのトークライブがあったのですが、そのときは事前の準備も必要ないフリートークでした。
でも今回は事前にスライドを用意した上での、単独でのプレゼンテーションです。久しぶりのプレゼン、そして病気については初めてのプレゼンということで、気合が入りすぎてスライドを作り過ぎ、そしてしゃべり過ぎてしまいました。加藤先生、時間オーバーして申し訳ありませんでした。。。
その後、ワールドカフェ形式でのグループディスカッションへ。僕も一参加者として仲間に入れていただきました。
ディスカッションの中では、僕が講演で話した「入院中、肉体的にも精神的にも落ち込んで、ビルの屋上から飛び降りたら楽になれるのではと考えた」というエピソードに基いて、

「不安を抱える患者に対してどう声をかけるべきか」

「自分が病気で絶望を感じたときにどう立ち直ったか」

というようなテーマで自由に意見が交わされました。
僕自身は、本にも書いた(P.212)、

患者に「がんばれ」というのは不適切。すでに肉体的にも精神的にもがんばっているはずだから。

患者に「大丈夫」というのも不適切。根拠のない励ましには「大丈夫って言われても、生存率は◯%なんだよな・・・」と考えてしまうから。

患者には、普通に接すればよい。病気のこととは関係なく、昔話や共通の友だちの話などをすればよい。

というようなお話をしました。
参加者のみなさんは、医療関係者や、患者とそのご家族、そして学生さんなど、さまざまなお立場でしたが、みなさんの意見を総合すると、

「苦しいときほど人と人とのつながりが大切」

「周囲(家族、医師、看護師、友人等)とのつながりを作るためには、患者自らが情報収集して、自分の思いや考え方を伝えていくことも重要」

というところに収斂されたように感じました。
当日は、僕のブログを見てくださっている方も駆けつけてくれました。今回の加藤先生とのご縁を作ってくださった友人の山口さんも参加してくれました(この記事の僕の写真は山口さんが撮影してくださったものです)。
自分の病気、ブログ、そして本の出版を通じ、こうしたご縁が広がっています。僕が2回のがん闘病で経験したことが、より多くの患者さんとそのご家族、そして医療関係者のみなさんにも届いて、よりよい治療、よりよい予後につながっていって欲しいと願っています。

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ

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