株式会社オーシャンブリッジ ファウンダー
高山 知朗 (たかやま のりあき)
2019年06月14日
昨日、妻に教えられて気がついたのですが、昨日はオーシャンブリッジの18回目の創立記念日でした。
それはつまり、僕の脳腫瘍が見つかってからちょうど8年ということになります。
ヨーロッパ出張中にチューリッヒの空港で倒れ、帰国後すぐに行った脳神経外科の病院で検査を受け、脳腫瘍を宣告された日が、8年前のこの日でした。それはオーシャンブリッジの10周年の設立記念日でした。
それから8年経った今も、オーシャンブリッジは成長を続けています。IT業界のベンチャー企業が18年も続くというのは実際は珍しいケースかと思います。
一方、生存率の低い悪性脳腫瘍、悪性リンパ腫、急性骨髄性白血病を経験して生き延びているというのも、結構珍しいのではと思います。
改めてそれぞれのがんの5年生存率を、発症当時の値で挙げてみますと、
悪性脳腫瘍のグリオーマ(神経膠腫)グレード3 は、25%。
悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ腫=急性リンパ性白血病)は、40%。
急性骨髄性白血病(二次性発がん、 染色体異常の複雑核形)は、30%。
となり、3つの生存率を掛け合わせると、
25% x 40% x 30% = 3%。
つまり僕は生存率3%の狭き門を通って生き抜いてきたことになります。
我ながらよくやりました。
改めて、なぜ会社が18年も続いているのか、なぜ僕が生存率の狭き門をくぐれたのか、改めて考えてみました。
会社経営については、
「見たくない現実から目をそらさずに、きちんとその時々の経営課題を見極めて、やるべきこと、つまり適切な解決策を考えて、手を抜かずに粛々と実行していくこと」
これに尽きると思います。
がん治療についてもほぼ同じようなものですね。「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」にも書きましたが、がんを乗り越えるためには、
「がんそのものはもとより、その生存率をきちんと受け入れ、
生き残る方に入るために最適な病院を選び、
医師ときちんと話し合って最適な治療を選択し、
あとはどんなに辛く苦しくても、歯を食いしばって、
人生の目標達成のために治療を乗り越えていくこと。」
ということが大切かと思います。
ここで重要になるのが、「人生の目標設定」です。がんの宣告を受けると必ず人生観が変わります。人生の優先順位が変わります。
僕の人生の目標は、がんが見つかったことで、
「死ぬまで会社を経営し続ける」
から、
「娘の二十歳の誕生日を、娘と妻と三人で、おいしいお酒で乾杯してお祝いする」
に変わりました。
「これを達成しないうちは絶対に死ぬわけにはいかない」
というこの人生の目標の存在が、苦しい治療を乗り越えていくための原動力となり、基盤となり、希望となります。
この日、奥さんが地元のケーキ屋さん(ヴェルプレさん)で、お祝いのケーキを買ってきてくれて、家族三人で食べました。
こうして一日一日を過ごしていくことで、一歩一歩、着実に人生の目標達成に近づいていることを感じています。
会社も自分もいろいろありましたが、生き抜いております。
みなさんありがとうございます。
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【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ(幻冬舎 税込1,188円)
脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。
高山知朗(のりあき):
1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。
2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。
2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。
2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。
2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。
2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。
現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。
メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)
※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。
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