医療マンガ「K2」に登場したグリオーマ(神経膠腫)のオープンMRI手術、腫瘍の摘出が進む

先日このブログでご紹介したように、雑誌イブニング掲載の医療漫画「K2」で、現在、グリオーマ(神経膠腫)のオープンMRI手術が進行中です。グリオーマのオープンMRI手術とは、まさに僕が一年前に東京女子医科大学病院で受けた手術です。
前回の記事はこちら。
▼医療マンガ「K2」にグリオーマ(神経膠腫)のオープンMRI手術が登場
今週発売されたイブニングの最新号に、続きの第2話が掲載されているとのことで、買ってきました。
前回は「これよりオープンMRI下でグリオーマ摘出術を行う!!」という医師の宣言でお話が終わっていました。それを受け、今回は手術が開始されたところから話が始まっています。
そして最新の手術設備の紹介です。
イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

「術中ナビゲーションシステム」
カーナビGPSの原理を利用して、患部のマップを作成し、手術器具の先端の現在位置を明示するシステム。これにより腫瘍の取り残しや取り過ぎを防止できる。

まさにハイテクです。このシステムを使いながら、手術は進んでいきます。そしてある程度、腫瘍の摘出が進んだところで、手術は一時中断されます。
イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

よし!オペを一度中断!! MRI撮影準備!!

ここでオープンMRI(術中MRI)の出番です。患者を手術台ごと移動し、オープンMRIの中に頭から突っ込んで、開頭したままMRI撮影をします。手術中にMRI撮影ができることが、腫瘍摘出率の向上につながり、それが生存率の向上につながっています。
それはなぜか。従来は手術前に撮影したMRI画像をもとに手術を進めていました。でも、手術で頭蓋骨を開けると、脳が沈み込んで、術前の画像から位置がずれてしまいます。
イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

そのため今まではガンと正常部分の境界ギリギリまで踏み込めず・・・腫瘍を取り切れない結果を生んでいました。

グリオーマはタチの悪い腫瘍です。100%近くを摘出しなければ再発・・・あるいは増悪する可能性が高くなります。

イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

しかし・・・術中に何度もMRIを撮り直すことによって・・・腫瘍を限界ギリギリまで摘出することができるのです!

これが術中MRIの真髄です。脳の正常組織をできるだけ傷つけずに、腫瘍をギリギリまで摘出し、取り残しも減らすことができる、ということです。
さて、手術室では、術中MRIの画像が表示されました。
イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

おぉ・・・まだこんなに取り残しが・・・

ナビシステムの画像を修正!! データをアップデートしろ!!

よし!もう一度アタックだ!

このように手術中に何度もMRIを撮影し直し、残っている腫瘍を摘出することにより、腫瘍の取り残しを最小限に抑えられます。従来のように、手術中は腫瘍を取りきれたと思ったけれども、術後にMRIを撮ってみたら少し残っていた、ということがなくなります。
そしてさらに手術は進んでいきます。
イブニング掲載の漫画「K2」にグリオーマのオープンMRI手術が登場2

皆の思いとともにオペは佳境へーー。

というところで今回は終了。続きは8月11日(土)発売号に掲載されるとのこと。楽しみです。
このオープンMRIを開発されたのが、僕の主治医である東京女子医大の村垣先生・丸山先生のチームです。産官学連携プロジェクトで開発されました。そのお陰で、今、元気に生きている僕がいます。先生方には本当に心から感謝しています。
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