「ツレがうつになりまして。」を読んで、改めて病気の意味を考える。

先日、とあるきっかけで「ツレがうつになりまして。」を勧められて、文庫版を読んでみました。

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)
細川 貂々
幻冬舎
売り上げランキング: 531


僕自身はうつ病とは無縁の人生を送ってきました。がんが見つかったことがきっかけで、うつ病になる患者さんも多いと聞きますが、幸いなことに僕自身はずっと前向きに生きてくることができました。
また僕のツレ、つまりうちの奥さんは、臨床心理士として病院で働きながら、大学院で臨床心理学を研究しています。つまりうつ病を含めた精神疾患を心理面から治療・研究する立場です。
だから、うちの奥さんは、専門家としてうつ病の患者さんと日々向き合っているわけですが、僕自身は全く知識がありませんでした。知っていることと言えば、「うつ病の人には『がんばれ』って言っちゃダメ!」という程度。でもこの「ツレがうつになりまして。」を読んで、うつ病のことが少し理解できました。
うつ病とはどういう病気なのか、患者さん自身は何が辛いのか、日常生活や仕事にはどういう影響があるのか、家族にはどういう対応が求められるのか、などなど。
僕がこのマンガを読み始めたのは、こうしたうつ病の知識を得ようと思ったためなのですが、読み進めるにつれて、全編を貫くほのぼのとした空気や、にじみ出る夫婦愛に、すっかりハマり、癒されてしまいました。しかもところどころでクスリと笑えます。
そして最後に「おわりに」を読んで、すっかり共感してしまいました。抜粋します。

今は普通の人と同じような生活が遅れるようになり、日常生活はほぼ元通りになりました。けれども、ツレ自身は病気をする以前とは微妙に違う人間になりました。
以前のツレは頑固で自分の決めたことは絶対に譲らず、神経質で人の言うことなんか聞かないような人間でした。それが病気をしたことで、やわらいだ気がします。
今思うとうつ病になったことは、ツレの人生の中で避けて通れなかったことのように思います。これは仕方のないことだったのです。
ツレは病気になってはじめて自分の弱さに気づくことができたので、うつ病になったことは決して無駄にはなっていないと思います。

この後書きを読んで、僕自身が脳腫瘍を経験して考えた「病気の意味」と通じるところがあるなあ、と思ったのです。
▼治るという前提で脳腫瘍になった〜病気発見からの一年間に起こった幸運と、病気の意味
人生で起こることには全て意味がある、とまでは言いません。でも、大きな病気を乗り越えると、他では得ることのできないかけがえのない何か、人生にとって本当に大切な何かが得られるということは、言えるのかも知れません。
そういえば、退院してから昨日でちょうど一年が経ちました。これからも前向きに一所懸命に生きていきます。

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)
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