患者仲間が天国へ旅立ちました

このブログの読者さんには悪性脳腫瘍(グリオーマ・神経膠腫)の患者さんも少なくないので、書くべきかどうか迷いましたが、いろいろ考えた末、書くことにしました。
このブログにも何度か登場していただいていた、グリオーマの患者仲間のKさんが亡くなりました。先日、Kさんのお姉様のIさんから連絡がありました。


同じ病気を闘う患者仲間が亡くなるのは、本当にショックです。「自分もいずれ・・・」と考えざるを得ないからです。自分の死のリアリティが増すのです。
しかも自分よりもお若い方の場合、一層かわいそうで、たまらない気持ちになります。10年前に乳がんで妹を亡くした時の辛い気持ちが、再び蘇ってきます。昨年、やはり患者仲間のUさんが亡くなった時のやるせなさが蘇ってきます。
まだやりたいことが沢山あっただろうに。まだ人生で経験していない楽しいことや幸せなことが、たくさんあっただろうに。
Kさんは、このブログがきっかけでご主人が僕に連絡をくださり、東京女子医科大学病院などで何度かお会いしました。当時のことはこのブログにも書いています。
▼「ブログ、続けてくださいね」「再発しないことを祈ってます」

その後、やはりブログを読んでくださっているKさん夫妻と、病院内のレストランでお茶を飲みました。数年前にKさん(奥様)にグリオーマが見つかり、地元の大学病院で手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けたものの、最近になって再発。ネットで調べ、治療成績の高い女子医大をセカンドオピニオンで受診。いくつかの経緯を経て、女子医大での治療を決断され、入院・手術を受けました。現在は通院での抗がん剤治療中です。以前、Kさんのご主人が僕の会社に電話をくださってやり取りが始まったのですが、この日はちょうど僕と通院日が重なるということで、お会いしてきました。僕よりも全然お若いご夫婦です。

Kさんは女子医大で治療を受けたことを非常に喜んでいらっしゃいました。前回の手術とは術後の経過が全然違い、今回の方が回復が早いことに驚きつつ、「東京まで出てきて女子医大で治療を受けて本当によかった」とお二人で喜んでいました。

また、Kさんの主治医は僕と同じYM先生なんですが、「YM先生は立派な先生なのに、いつも患者の立場に立って話を聞いてくれるし、質問したことにも丁寧に答えてくれるし、すごい!」と感激していました。

こうして僕と同じ女子医大でグリオーマの治療を受けていたKさん。初めてお会いした日の別れる直前に、こんなことを言ってくださいました。

「高山さん、身勝手なお願いですけど、ブログ、続けてくださいね」

「高山さんが再発しないことを祈ってます」

思わず僕も「Kさんこそ、もう再発しないことを祈っていますからね!」とお返ししました。
このように、常に自分のことよりも相手のことを第一に考える人でした。
だから、昨年僕が悪性リンパ腫・白血病で虎の門病院に入院した時も、僕のことを心配して、真っ先にご夫婦でお見舞いに来てくださいました。
Kさんとは、つい最近まで、Facebookでやり取りをしていました。
つい先日は、地元産のいちごを送ってくださいました。Facebookでうちの娘がいちごが好きだというのを見て、わざわざ送ってくださったのです。
Kさんはしばらく前に、「残された時間が少ないと、主治医から言われました」と、ご自身でFacebookに投稿されていました。
それを見て、僕は、「これからは、できるだけご主人と幸せな時間を過ごしてください」とコメントしました。
それなのに、そんな貴重な時間を使って、僕にFacebookでコメントをくださったり、いちごを送ってくださったりしました。直近では、文字を入力するのがご自身では難しくなり、Facebookへの投稿時はお姉様のIさんが代わりに入力されていました。
このように、どんな時でも、自分のことより相手のことを先に考える方でした。限られた自分の時間も、他人のために使うような方でした。
お姉様のIさんからKさんの訃報が届いたのは、たくさん送っていただいたいちごを家族三人で食べ終わった、その翌日でした。
訃報を目にして、涙が溢れました。
僕に限らず、重い病気を患っている方にとっては、同病の患者さんが亡くなるのは、本当に辛いものだと思います。だからこのブログにKさんのことを書くべきか悩みました。
でも、このブログを読んでくださっていたKさんとの思い出を、最後にここに記しておくべきではないか、それが、天国からこのブログを読んでくださるであろうKさんの供養にもなるのではないかと思い、この記事を書くことにしました。
僕はKさんが僕ら家族にくださったやさしさを忘れずに、グリオーマ、悪性リンパ腫・白血病を克服すべく、マイペースで、でも強い信念を持って闘っていこうと思います。そして、Kさんにお願いされた通り、その病気に関する自分の経験を、他の患者さんのためにも、できる限りブログに書き続けていきたいと思います。
Kさん、さようなら。いつも僕ら家族のことを気にかけてくださっていたこと、忘れません。
天国では、病気の苦しみから解放されて、心から安らかな時間を過ごされることを、家族一同お祈りしています。
そしてこのブログを読んでくださっているグリオーマ患者のみなさんが、最善の治療を受け、病気を克服し、一日でも長く幸せな人生を歩まれることを合わせてお祈りします。Kさんも、天国から応援してくださっていることと思います。

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