2017年12月29日

病気を治すのは医者ではなく患者自身/仕事納めではなく診察納め

昨日は急性骨髄性白血病の定期診察で虎の門病院に行ってきました。前回の診察から2週間ぶりです。

スタバでランチ

今回は、半年に一度の移植後看護外来もありました。それと通常の診察のタイミングを合わせるため、今回の診察はいつもの山本先生(主治医)ではなく、湯浅先生(担当医)でした。いつもと異なり診察は午後です。そのため診察前の採血も比較的空いていて、待ち時間も短かかったです。

採血が終わるといつものように、スタバで診察待ち。ランチを食べていると、体操教室を終えた妻と娘が合流してくれました。

そして三人で湯浅先生の診察室前へ。ここでしばらく待つことに。

ようやく順番が来て三人で診察室へ。僕からの近況報告は以下の通り。

●発熱

ほぼ落ち着いた。朝の体温は常に36.8〜37.0の範囲。以前は夕方になると疲れが出て熱が37.5前後に上昇し、解熱剤のカロナールを飲むこともあったが、最近は熱が上がることもなく、カロナールを飲むこともなくなった。

●腸の不調

引続き下痢気味の状態が続いている。でも常に下痢なわけではなく、下痢になったり、普通に戻ったりを繰り返している。

また、12月23日に、激しい下痢になってトイレから出て来られない状態になり、腹痛や吐き気もあり、手足は冷たくなり、救急車かタクシーで病院に来ようかと思った。でもしばらくしたら何とか落ち着いた。

この僕の近況報告に続いて、湯浅先生からのお話。

まず腸の話。

下痢については、恐らくGVHDではないと思います。GVHDであれば、全身の他の臓器にも少なからず影響が出るはずなので、もっと体が弱っているはずです。今の高山さんの元気そうな状態を見ると、これはGVHDではなく、腸の局所的な問題だと思います。

とはいえ、血液検査の結果を見るとCRPは0.2と低いので、感染による炎症の可能性も低いです。

そうすると、一番可能性が高いのは、薬の影響です。前回の山本先生の診察の時にブイフェンド をイトリゾールに変えましたよね?恐らくこのイトリゾール の影響だと思います。たまにイトリゾールで腸に副作用が出る患者さんがいますので。

だからイトリゾールはやめて、同じ抗真菌薬のジフルカンに変えましょう。また、そろそろ免疫力も回復して来ていますので、抗真菌薬も必要なくなって来ているはずです。このジフルカンも、次回の山本先生の診察の際にやめるかどうか相談してみてください。

ということで、ここのところひどくなっていた腸の不調の原因が見えてきました。実際、このあとにネットで調べてみたところ、イトリゾール の副作用に、

腹痛、鼓腸放屁(腸にガスがたまって張る)、下痢

とありました。まさに僕の腸の症状です。特に最近、下痢の割に、なぜかガスが非常に溜まるのでおかしいな、と思っていました。これは「鼓腸放屁」という症状なんですね。すごい名称ですが(笑)。

腸に関しては、さらに整腸剤(ミヤBM錠)も処方してもらいました。

とにかく、イトリゾール をやめることと、整腸剤を飲むことで、腸の調子が上向くと、非常に助かります。外出中もトイレを気にしなくて良くなりますし、夜もいつトイレに行きたくなるかが気になって安心して眠れないと、いうことが無くなります。
なお、CRPも低くて感染の可能性は低いとはいえ、入院中にウイルス感染した経緯もあることから、念のため、次回診察時にサイトメガロウイルスの検査をすることになりました。

また、場合によっては、GVHDか感染かを見極めて原因を特定するために、大腸内視鏡検査なども必要かと心配していたのですが、いまの状況ではそこまではまだ不要で、その前にできることはある、と湯浅先生。これも安心しました。

続いて、血液検査の結果です。

●肝臓

・AST: 36(前回の27から増加し、再び基準値外に)
・ALT: 35(前回の26から増加したものの、基準値内を維持)
・LD: 255(前回の227から増加し、再び基準値外に)

このように、前回、主要な数値が全て基準値内となった肝臓の数値は、若干上がってしまいました。ただ、全体としては肝臓の値は引き続き改善してきているとの診断で、肝臓の薬(ウルソ)を減らすことになりました。これまで一日三回二錠ずつだったのが、一錠ずつに減りました。うれしいことです。

続いて血球数です。

●血球

・白血球: 6.8(前回3.6から大幅に増加)
・赤血球: 3.72(前回3.41から増加)
・ヘモグロビン:11.4 (前回10.4から増加)
・血小板: 62(前回55から増加)

こちらの血球の方は、全般に増加し、回復してきています。白血球が急増しているのが気になりましたが、この時期、このくらいの変動は普通にあることとのことで、問題ないようです。

続いて、また僕の方から湯浅先生にいろいろと質問させていただきました。前々回の山本先生の診察の際、ついにステロイド(プレドニゾロン)をやめたことから、年明けには食事制限も解除していいでしょう、と言われていました。実際に年末年始が迫り、いろいろと聞きたいことが出てきたので、まとめてお聞きしてきました。

●食事制限の解除について

お刺身については、貝類じゃなければ大丈夫。貝類は引き続き避けたほうが良い。

ナチュラルチーズについては、ブルーチーズのようにもろにカビを食べるようなものは避けた方が良い。カマンベールくらいなら良いが。

実際は、食べ物の場合、菌がついていても結局、胃酸で殺されてしまうはず。

お酒は、ステロイド服用有無に関わらず、引き続き飲んでも良い。

●温泉について

やはり源泉掛け流しでないとダメでしょうか?

ダメ。源泉掛け流しではなく、循環湯の場合、レジオネラ菌が繁殖していることがあり、感染してレジオネラ肺炎になるリスクがある。湯船に入らなくても、湯気から感染してしまう場合がある。だから源泉掛け流しでない温泉は、大浴場に入るのも避けた方が良い。

●海外旅行について

今年の夏休みにハワイに旅行に行きたいけれども可能でしょうか?

大丈夫だと思いますよ。あとは腸の具合次第ですね。海外でお腹が痛くなったら大変ですから。だから旅行の予約をするのはまだ待った方がいいですね。腸が落ち着けば問題ないでしょう。

最後の旅行に関する先生のお答えを聞いた瞬間、娘は「イェーイ!」と叫んでいました(笑)。本当はこの前の夏に、娘をハワイに連れて行ってあげる予定だったのが、病気で延期になってしまっていたからです。

また僕自身、移植後の回復には時間がかかることを考えると、海外旅行に行けるまでに体が回復するには、年単位で時間がかかると思っていて、実際に娘にもそう言っていました。

それが、次の夏に行けそうということになり、娘の喜びが爆発しました。もちろん僕もすごくうれしかったです。

正直、この質問をしても、「まだ難しいでしょうね」と言われると予想していました。その予想がいい方向で裏切られました。

聞きたいことをひと通りお聞きしたのち、最近申請の準備を始めたがんの障害年金についても少しお話ししてきました。「高山さんの場合は十分通る可能性はあるんじゃないですか。再入院も繰り返していて、就労困難だというのは明らかですから」とのこと。準備が進んだら先生にも書類の作成を依頼することになるため、あらかじめお話ししておきました。

ひと通りお話が終わって、帰り際に、今年お世話になったお礼、
特に、家族三人で年末年始を迎えられることへの感謝の言葉とともに、こうお伝えしました。

先生のお陰で、こうして生き延びることができました。命を救っていただいてありがとうございました。

すると、湯浅先生はこう言いました。

いえいえ、病気を治すのは患者さんご自身ですから。

さすが湯浅先生、こういうすばらしい言葉が気負いなくサラッと出てくるのがすごい、と改めて感激しました。そういう考え方の先生だからこそ、僕も苦しい治療を乗り越えて、ここまで来れたんだと、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

湯浅先生の診察の次は、移植後看護支援外来です。看護師さんが、医師とは違う視点で、日常生活の相談などに乗ってくれます。

ここで、四年前の急性リンパ性白血病の治療の際に大変お世話になった看護師のMさんと再会することができました。抗がん剤治療の副作用で本当に大変で何もできなかった時期に、僕をベッドから起して薬を飲ませてくれるなど、本当にお世話になった方です。

Mさんは、当時はまだ3歳だった娘が、小さな体にガウンとマスクをつけて無菌室にお見舞いに来ていたのを思い出したようで、「大きくなったね!」と喜んでくれました。

そして今回は移植を受け、それでも元気になった僕を見て、「あの高山さんが、移植を受けたんだ、と思っていたんですよ。元気そうでよかったです」と言ってくれました。

Mさんは、前回の治療で、肉体的にも精神的にも一番大変な時期に支えてくれた看護師さんの一人です。この再会は本当にうれしいものでした。

この看護支援外来でも、腸や発熱などの日常生活での症状への対処や、食事制限の解除などの話をしました。

診察がひと通り終わった後、三人で、入院していた無菌病棟(13階)のナースステーション にご挨拶に行ってきました。

湯浅先生にも、「今日は看護師長のYさんがいるから顔出すと喜ぶと思いますよ」と聞いていたのです。

Yさんは、すっかり元気になった僕を見て喜んでくれました。Yさんには、四年前にもお世話になりましたが、今回の移植治療中にも、食欲がなくなり病院食が喉を通らなくなったときに泣き言を聞いてもらうなど、精神面でも大変支えていただきました。

Yさんと話していると、こちらも四年前、今回とお世話になった、男性看護師のTさんも来てくれました。YさんもTさんも、大きくなった娘にもいろいろ話しかけてくれました。

今回の診察では、診察の結果自体もよかったのですが、家族三人で、お世話になった先生や看護師さんにごあいさつでき、本当に良い日となりました。

娘も、いろいろな人と会ってお話しできて、「看護師さんたちに会うの楽しい!」と言っていました。

この夜、Facebookを見ていたら、いろいろな人が、「今日が仕事納め」「全然納まらない」等と投稿していました。それを見て、

「ああ、世の中は仕事納めか。でも僕は仕事してないから、納まるも納まらないもないなあ」

と思ったのですが、そこでひとつ気がつきました。

この日は僕にとっては

「診察納め」

でした。そして診察だけではなく、今回の治療で、そして四年前の治療でお世話になった先生や看護師のみなさんに、家族揃って感謝の言葉をお伝えすることができた日となりました。

今年は、二月の急性骨髄性白血病の発症、四月のさい帯血移植、七月の退院後、十月にかけての三回の再入院など、大変な一年でした。

でも、先生や看護師さんたちのお陰で、生きて年末年始を迎えることができます。

しかも病院でではなく、家で家族とともに。こんなに幸せなことはありません。

お世話になったみなさん、応援してくださったみなさんに、改めて心から感謝します。ありがとうございました。

  • にほんブログ村 病気ブログ 白血病へ
  • にほんブログ村 病気ブログ 悪性リンパ腫へ
  • にほんブログ村 病気ブログ 脳腫瘍へ

★闘病記ブログランキングに参加しています。上の病名ボタンをクリックしてくださると、ランキングが上昇し、より多くのがん患者さんに僕の闘病記が届きます。よろしければクリックしてくださるとうれしく思います。3回のがんをがんを乗り越えた経験が、一人でも多くの患者さんに届きますように…

このエントリーをはてなブックマークに追加

【投稿者】nori 【コメント】コメント (0)

この記事と同じカテゴリーの記事はこちら

Facebookを利用してコメント

コメント

コメントの投稿は上記のFacebookのコメント投稿欄からどうぞ。投稿されたコメントは同欄に表示されます。2015/06/09よりコメントはFacebook経由でのみ受け付けています。下記欄に表示されるコメントはそれ以前のコメントです。

高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う。2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。2016年10月に脳腫瘍、悪性リンパ腫の2つのがんから卒業。同年、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

主なカテゴリー

過去の記事

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

記事の検索

こんなソフトを販売しています

リンク

その他のリンク

  • にほんブログ村 病気ブログ 白血病へ
  • にほんブログ村 病気ブログ 悪性リンパ腫へ
  • にほんブログ村 病気ブログ 脳腫瘍へ