2014年08月28日

CD20陽性が判明し分子標的薬リツキサンの投与が決定/頭の抜糸:白血病・悪性リンパ腫闘病記(45)

前回の闘病記からの続きです。

◼︎2013年7月5日(金)。入院54日目。抗がん剤治療開始から46日目。

この日、一階の形成外科に呼ばれました。5日前に倒れて額を割り、 5センチほど頭を縫ってもらいましたが、その抜糸でした。

この日は、縫ってくださった女医さんではなく、若い男の先生が抜糸してくださいました。

前回同様、一応、絆創膏を貼ってもらいましたが、「もうこのままシャワーを浴びてもいいですよ。もし絆創膏が剥がれても、そのまま剥がしてしまって構いません」とのこと。これにて、思いがけない額の治療はひと段落となりました。

病室に戻って、看護師のSさんに点滴のラインを抜いてもらっていたら、ちょうど担当医のMY先生がいらっしゃいました。「朝の血液検査の結果も問題ないので、今日はこのまま外泊に行ってもいいですよ」とのこと。そして「日曜日に病院に戻ってきていただいて、月曜日にCV(中心静脈)カテーテルを入れて、火曜日から抗がん剤の点滴(Hyper-CVAD/MA療法の3コース目のHyper-CVAD療法)をスタートしましょう」とのこと。

これはこれで「家に帰れる!」とうれしかったのですが、それ以上にうれしいこと、そしてその後の治療において非常に重要なことを、MY先生は教えてくれました。

高山さん、お待たせしていた件、病理の先生から連絡が来て、高山さんのB細胞性リンパ芽球性リンパ腫の細胞のCD20抗原は、陽性でしたよ!リツキサンが使えます。

この報告は本当にうれしかったです。この新しい分子標的薬、リツキサンが使えるか使えないかで、予後(生存率)が大きく違うという報告を海外の論文でも多数見ていたからです。特に僕が最も参考にしたMD Anderson Cancer Centerの論文も、Hyper-CVAD/MA療法にリツキサン(リツキシマブ)を加えた治療の好成績を示す論文でした。

CD20抗原とリツキサン(リツキシマブ)については、こちらのページに説明があります。

▼悪性リンパ腫の新しい治療と薬:[がん情報サービス]:リツキシマブ

リツキシマブは、白血球の一種であるBリンパ球の表面に発現しているCD20抗原というタンパクに結合する抗体として、遺伝子組換え技術によりつくられた薬剤です。CD20抗原はB細胞性の悪性リンパ腫の大多数に存在しており、B細胞性リンパ腫に対する優れた標的です。リツキシマブはこの抗原に結合する(抗原-抗体反応)ことで、直接がん細胞を攻撃したり、生来体内に備わっている他の免疫能を介してがん細胞を死滅させます。
このようにリツキシマブは、B細胞性非ホジキンリンパ腫に対して単剤でも高い効果が期待できますが、他の抗がん剤と併用しても副作用が増強されないこと、併用した抗がん剤のリンパ腫細胞に対する薬剤感受性を高めることが知られています。併用療法で用いることで、さらなる効果が期待されます。
また、生存に関しても、2年の生存割合がCHOP療法の57%に対して(リツキシマブを加えた)R-CHOP療法は70%と、10%以上の向上が得られたと報告されています。
従来の抗がん剤治療では、がん細胞が減ったようにみえても感度の鋭い遺伝子レベルの検査を用いて調べてみると、微量のがん細胞が検出されるのが常でした。しかし、抗原抗体反応によってがん細胞を攻撃するリツキシマブは、そのような微量の細胞も残さない程度までがん細胞を殺してしまうことも期待できます。

このように、僕のようなB細胞性のリンパ腫・白血病に対しては、リツキサンは非常に有効であるということを、海外の論文だけではなく本やネットでも多数目にしていました。看護師さんからは、「保険適用となる2003年以前は、何百万円もかけて使っていた患者さんもいましたよ」とも聞いていました。

ただ、僕のようなB細胞性リンパ芽球性リンパ腫の場合、CD20が陽性か陰性かは、半々の確率だとMY先生は言っていました。だから、このCD20に関する病理検査の結果をドキドキしながら待っていました。

その結果が、この日、ようやく出たのです。そして、幸いにしてCD20抗原は陽性で、リツキサンが使えることになりました。うれしくて、すぐに家内にメールしました。

MY先生は、

来週の抗がん剤治療から早速、リツキサンを投与しましょう。 Hyper-CVADの終了後に点滴しましょう。

と言いました。抗がん剤治療も、リツキサンにより、さらに効果を増すはずです。辛い治療を耐える気力も増した気がしました。

そして、これで自分が生き残れる確率が高まった、と感じました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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