2015年07月17日

ブログやSNSが自分の全てではない/氷山の下に隠れた背景やコンテクスト

Facebookでこの記事を見つけました。

▼「他人と比べることには意味がない」と考えることの本当の意義 | ライフハッカー[日本版]

この記事の以下の箇所を読んで、そうだなあ、と思いました。

私たちはSNSなどを使って、幸せな結婚式、人がうらやむようなバケーション、終わったばかりの仕事、満足したクライアントからの感謝状など、最高の瞬間を自然と人に見せています。しかし、他人の人生のハイライトだけを見ているということを忘れがちです。その人たちの眠れない夜や、うまくいかなかった計画や、絶望した瞬間や、自己不信は見ていません。

僕がブログに病気や生活のことを書いたり、FacebookやTwitterなどに食事などの写真をアップしたりしていると、それらが僕の全てだと思い込んでしまう読者の方が中にはいらっしゃるようです。

例えば以前、Twitterにアップされた日々の食事の写真を見た方から「もっと生野菜や果物を食べたほうがいいのでは」とアドバイスをいただいたことがあります。でも我が家では毎日のように食後のデザートとして旬の果物を食べています。でもデザートの写真はSNSにはアップしていません。

退院してしばらくした頃に、デリバリーのピザの写真をアップしたら、「そんなものを食べると健康に悪い」とアドバイスを下さった方もいました。でも自分にとっては、食事も取れない辛い入院中に、「退院したらあれが食べたい、これが食べたい」と夢想した食べ物の一つがピザでした。そして普段は毎日家内の手料理を食べています。

白血病・悪性リンパ腫で入院した際、「しばらく入院することになりました」とだけ書いたブログの記事に対して、「神様からいただいた貴重な時間だと思ってゆっくり過ごしてくださいね」とコメントをいただいたことがあります。

でも自分としては、これから半年以上も続く抗がん剤の副作用との闘いや、そのいつ終わるともしれない「先の見えない闘い」が終わっても、その後生き延びられるかどうかも分からない「5年生存率40%」という現実を前に、とても「ゆっくり過ごす」という気持ちにはなれませんでした。

もちろんこうしたみなさんは、僕のことを心配して、思いやって、わざわざコメントをくださったのだと思います。それ自体は大変ありがたいことです。

でも、ブログやSNSに書かれていることが僕の全てではありません。そこに書かれていることは僕のほんの一部であり、氷山の一角です。水面下にはもっと苦しいことやもっと幸せなこともたくさんあります。また、そこに至るまでにはさまざまな背景やコンテクスト(文脈)もあります。

僕は自分の脳腫瘍白血病・悪性リンパ腫の経験を闘病記としてブログに書いて発信することで、他の患者さんやそのご家族のお役に立てればと思っています。それが、神様(あるいは未知の大いなる存在)が、5年生存率がそれぞれ25%、40%という2回のがんを経た今でも僕を生かしてくださっている意味だと思っています。僕の生きる意義、ミッションです。

だから、入院中の手術化学療法、放射線治療の内容から、退院後の生活や、維持療法の内容、そしてそれらに付随する副作用合併症(帯状疱疹等)後遺症(視覚障害)などのことを、できるだけ詳細に、できるだけ客観的に書こうと努めています。

でも、全てを書くことはできません。やはりブログやSNSにアップされる内容は、上記のライフハッカーの記事にあるように「ハイライト」のみです。その背景やコンテクストの全てを書いているわけではありません。

お陰さまで最近は維持療法の副作用から回復し、体調も戻ってきました。家族と少し遠くまでお出かけすることもできるようになりました。

でもちょっと無理をすると、その後数日は寝込んでしまいます。そうやって疲れが出ると帯状疱疹後神経痛が激しくなり、医療用麻薬(オキノーム)や睡眠導入剤を飲まないと眠れません。仙骨左にあった悪性リンパ腫の腫瘍の影響による左足全体のしびれや痛みもまだ残っています。維持療法で飲んでいる抗がん剤の副作用でお腹の調子が悪くなったり睡眠障害が出たりもします。

またもちろん、脳腫瘍、白血病ともに再発のリスクもゼロではありません。そうした苦痛や不安と折り合いをつけながら、日々生活しています。ただカフェ カルディのコーヒーを飲んでいるだけではないのです(笑)。

ライフハッカーの記事に便乗して、普段あまり書かない「ハイライト以外のこと」を書いてみました。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や病院に関する個別のご相談については、まず「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」をお読みの上、ご連絡いただけますようお願いします。いただくご質問に対する回答の多くが、すでにこの本に書かれております。ご理解お願いします。

※いただいたご連絡の全てにご返事できるとは限りませんのでご理解ください。

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