2021年12月26日

食道静脈瘤の内視鏡検査と肝臓の腫瘍の造影MRI:がんサバイバーの治療後の実際

先日、久しぶりに虎の門病院に行ってきました。
ということで久しぶりにブログを書きたいと思います。

肝臓のMRI画像
(肝臓のMRI画像)

前回のブログ記事からかなり時間が空いてしまったのですが、その理由は単に、ここしばらく病院に行く機会がなかったためです。
(病院に行ったときだけブログを書くというわけではないのですが。。。)

ブログの更新が止まっていたのは、再発などで入院していたとか、また何か新しい病気が見つかったとか、そういうわけではありませんので、どうかご心配なく。「便りのないのは良い便り」ということでご理解ください。


さて今回の虎の門病院の目的は3つです。食道の内視鏡検査(胃カメラ)、血液内科の診察、肝臓内科の診察です。

食道の内視鏡検査

今回の食道の内視鏡検査は、今年6月のの食道静脈瘤の入院治療(EVL)のフォローアップです。

治療から2カ月後の8月に内視鏡検査を受けて、治療後の経過が順調であることは確認しています。

今回は治療から半年後の定期検査となります。

僕は20代のころに生まれて初めての胃カメラをやったときに、大変苦しい思いをしたこともあり、その後の胃カメラではいつも、鎮静剤等を使って苦痛を和らげてもらっています。

鎮静剤を使うと、あの苦しかった検査が嘘のように、さらっと終わります。鎮静剤を注射されて意識が朦朧としているうちに、いつの間にか検査が始まり、いつの間にか終わっている、という感じです。ほぼ苦痛なく終わります。(たまに鎮静剤が足りなくてそうスムースに行かないときもありましたが。。。)

この日も滞りなく内視鏡検査は終了。

1時間ほど椅子で安静にして、鎮静剤が切れてから次の予定に移動します。血液内科の診察です。

血液内科の診察

血液内科は、いつもの2カ月に一度の定期診察です。

血液内科の主治医の山本先生に血液検査の結果を見ていただき、薬を処方してもらいます。

この日も血液検査の結果はほぼ問題ありませんでした。

これまでの抗がん剤治療やさい帯血移植の影響でずっと高かった肝臓関係の数値は、ほぼ基準値内に収まっています(AST、ALT、LDなど)。

ただ一方で、腎臓関係の数値は少し悪化していました。

まずクレアチニンが1.34と基準値を超えています。さら尿酸値も7.2と基準値を超えました。尿酸値を下げる薬(フェブリク)を引き続き飲んでいるのですが。

このように腎臓の数値が悪いのも、これまでの治療の累積的な影響です。

先生からは、もう何年も前から、できるだけ水をたくさん飲むように言われています。最低1日1.5リットル。できれば2〜3リットル。

たくさん水を飲んで、たくさん尿を出すことにより、腎臓のフィルターの詰まりを流す、ということです。

そういえば最近は、以前と比べて普段飲む水の量が減ってきているような気がします。改めて気をつけたいと思います。

山本先生の診察ではその後、薬の話をして、処方箋を出してもらって、終了。次は肝臓内科の診察です。

肝臓内科の診察1:食道静脈瘤の内視鏡検査

肝臓内科の主治医の村石先生の診察では、この日の食道内視鏡検査の結果と、11月1日に受けたMRIの結果を説明していただきました。

まず食道の内視鏡検査ですが、問題ありませんでした。この日の検査で撮影した写真を、以前の写真と比べながら丁寧に説明してくれました。






*****注:以下、食道の内視鏡写真を掲載しています。少々グロテスクですので閲覧にはご注意ください。*****






まず以下の2枚が、以前の治療前の食道静脈瘤の写真です。

食道静脈瘤の内視鏡画像3

食道静脈瘤の内視鏡画像4

粘膜の下で血管が怒張し、見た目にもグロテスクになっています。

いかにも病気な感じです。ほとんどビョーキ。いや100%ビョーキなわけですが。

そして以下の2枚が、この日の検査時の写真。

食道静脈瘤の内視鏡画像1

食道静脈瘤の内視鏡画像2

前述の治療前の写真と比べても、きれいになっているのが一目瞭然かと思います。
6月の治療のおかげで静脈瘤がなくなり、粘膜は平坦になり、その下に普通に血管が通っています。

このように、今回の検査でも静脈瘤の再発は認められず、きれいな状態が維持されていることが確認できました。

食道静脈瘤は、根本原因が肝臓の障害(肝硬変など)で、僕の場合は腎臓と同様に、肝臓にもこれまでの抗がん剤治療やさい帯血移植の影響で障害が出ている状態のため、肝機能障害そのものは治療できません。

そのため食道静脈瘤を根本的に治す治療はありません。これまでに受けたEVLやEISのような対症療法で、破裂を防ぐしかありません。(破裂してしまうと命に関わります)

そのため食道静脈瘤はどうしても再発してしまいます。実際に僕もこれまで数ヶ月の間をおいて2回再発し、それぞれ入院してEVLやEISといった治療を受けています。

それでも、先生方の経験上、3〜4回治療をすると、徐々に再発しなくなってくる患者さんが多いとのこと。

僕も前回、今年の3月に再発が見つかったときには、「あと1、2回治療すればそれで落ち着くのではないか?」、と言われていました。

その後6月に入院治療を受け、そして6カ月経って今回の検査で再発はなく、患部の状態も非常によかったため、当分は再発しなくてすみそうな雰囲気です。

もちろんこれで油断することなく、引き続き今後も定期的な検査で再発をチェックしていきます。

肝臓内科の診察2:肝臓のMRI検査

肝臓内科の村石先生には、食道静脈瘤に続いて、11月に受けた肝臓のMRI検査の結果も説明していただきました。

前述のように、僕はこれまでの悪性リンパ腫白血病の治療で受けた抗がん剤治療やさい帯血移植の影響(慢性GVHD)で、肝臓に障害が出ています。

そして昨年12月の食道静脈瘤再発による入院時に、肝臓の生検を受けて、肝臓に「結節性再生性過形成(NRH)」という良性腫瘍ができていることを確認しています。

これが食道静脈瘤や、今年の8月に見つかった門脈の血栓の原因でもあります。

生検の時点での診断では良性腫瘍ということで特に治療も必要なしということでしたが、今後、悪性転化しないとも限りません。そのため、肝臓自体もMRIやCTなどで定期的に検査しています。

今回は造影剤を使ったMRI検査でした。

以下が、今回の肝臓のMRI画像です。

肝臓のMRI画像

画像中に線が引かれて長さが表示されていますが、この部分が、直径4.5cmほどの良性腫瘍です。

通常、造影剤を使ったがんの検査では、がん細胞が造影されて(他の部分と色が違って)画像が撮影されますが、今回は肝臓の検査用の特別な造影剤を使ったとのことで、肝臓の機能を果たしている細胞が白く造影されて写っているとのこと。

そして、この良性腫瘍のあたりも白く写っています。ということは、この良性腫瘍も肝臓の機能を失っていないということです。

これを村石先生からお聞きして、少し安心しました。治療法のない肝臓の障害が、今後も進んでいってしまうと、いずれ肝臓が全く機能しなくなって命に関わるときが来てしまうのではないか、と心配していたからです。

でも幸いなことに、この良性腫瘍自体は、腫瘍ではありますが、正常な肝細胞と同様に機能しています。もちろん今後も機能が維持されるかどうかは分かりませんし、悪性腫瘍に変わり肝臓がんになる可能性もあります。

それでも、今回の検査の結果を村石先生からお聞きして、肝臓の寿命が少し伸びたと思いました。

肝臓の血栓の状況

最後にもう一つ。今年の8月に見つかっていた、肝臓の門脈血栓症については、9月のエコー検査でなくなっていることが確認されていましたが、今回の検査でも見つかりませんでした。

これは、血栓が見つかって以来飲んでいる血液をサラサラにする薬(リクシアナ)の効果かと思います。この薬は、血栓を予防するためにも、引き続き飲んでいくことになっています。

最後に:がんサバイバーの治療後の実際

以上、今回の通院の記録でした。

写真をいくつか掲載して簡単に説明文を加えればいいや、くらいに考えていたのですが、久しぶりに書き始めるとそう簡単にはいかず、適宜、裏とりの調査を挟みつつ、文章を書き連ねていったら、思いのほか時間がかかり、思いのほかボリュームのある記事になってしまいました。

ところで。

「がんサバイバー」という言葉があります。これは、がんを治療で乗り越えた元がん患者、というような意味だと理解しています。

その意味では僕もがんサバイバーです。

「サバイバー」というカタカナ言葉を見ると、がんをやっつけて元気になった強い人、というようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが(僕だけ?)、実際は、治療の影響で僕のように臓器に障害が残ったり、その合併症の治療が続いていたり、視覚障害などの障害と折り合いをつけながら生活していたり、帯状疱疹後神経痛などの慢性的な痛みと闘いながら暮らしていたりする人も多いかと思います。

もちろん、再発の心配をしていないがんサバイバーの人はほとんどいないでしょう。

みんなそれぞれに、いろいろなものを抱えながら、いろいろなものと闘いながら、いろいろなものと折り合いをつけながら生きているのではないかと思います。

病気になる前の自分に戻りたいと思っていろいろがんばっている人、いろいろがんばったけれども諦めて、今の自分を受け入れて生きている人もいるでしょう。僕がそうです。

元の自分とは違ってしまった今の自分は、昔は想像したこともなかったいろいろな重い荷物を抱えてよろよろと歩いています。

それでも、昔の自分には見えなかった幸せが見えるようになったことも事実です。

だから、がんになる前の自分に戻りたいかと問われれば、戻りたくないと答えます。

50年の人生の中で、今がいちばん幸せだと感じているからです。

かと言って、がんになってよかったと言い切るのは難しいです。失ったものもたくさんあるからです。

でも、がんになった後の人生の方が幸福度が高いということは断言できます。

プラスとマイナスで言うと、マイナスもたくさんあるけど、それを補ってあまりあるプラスがたくさんあったと思っています。僕の場合は。

久しぶりに病院に行って、先生たちと病気の話をしたせいか、そんなことを考えています。

そんなことを考えながら、ずっと棚上げにしていた2冊目の本の構想を練っています。

最近はそんな毎日です。

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高山の著書

「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」書影・表紙画像\
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ
(幻冬舎 税込1,188円)

脳腫瘍、悪性リンパ腫(白血病)を乗り越えた闘病記。
病院選び、治療法選択、医師との信頼関係の構築、セカンドオピニオンなどの考え方も。

プロフィール

高山知朗(のりあき):

1971年長野県伊那市生まれ。伊那北高校、早稲田大学 政治経済学部卒業。

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ、Web関連ベンチャーを経て(株)オーシャンブリッジ設立、代表取締役社長就任。現在、同社ファウンダー。横浜市在住。

2011年7月に脳腫瘍(グリオーマ)の摘出手術。後遺症で視野の左下1/4を失う

2013年5月から悪性リンパ腫(B細胞性リンパ芽球性リンパ種/急性リンパ性白血病)の抗がん剤治療。合併症で帯状疱疹後神経痛も発症し、現在も激しい痛みと闘う。

2016年年9月、幻冬舎より「治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ」を出版。

2017年2月、3度目のがんである急性骨髄性白血病を発症、同年4月にさい帯血移植治療を受ける。

2020年3月、4度目のがんである大腸がんの腹腔鏡下手術を受ける。

現在は妻、娘とともに元気に暮らしている。

連絡先

メール: nori.tkym[at]gmail.com
([at]は@に読み替えてください)

※病気や治療に関するご相談はメールでもSNSでも一切お受けしておりません。仮に質問などをお送りいただいてもご返事できかねます。私もあくまで一患者であり医療関係者ではありませんのでその点ご理解ください。

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